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小型シカ〈偶蹄目、シカ科、ホエジカ属〉

和名:キョン

英名:Reeves's muntjac

学名:

Muntiacus reevesi

(Ogilby, 1839)

分布:中国東部、台湾

【キョン】

(財)東京動物園協会提供

(1) 動物の特徴と同定

分布:中国南東部、台湾

特徴:体色は茶褐色で覆面は黄色を帯びる。吻、額は暗面で眼の上から頭頂部にかけ黒い 線がはしる。四肢は黒褐色、小型のシカで、角はオスにのみみられ、2尖で先端は 内側に曲がる。長さ7~8cmで記録的には13cmのものもある。またオスの上顎の犬歯 は矛状となり下顎の外側に出る。

体長:47~70cm 尾長:8~10cm 体高:45~50cm 体重:12~17kg 習性等:

・2亜種が知られており、わが国に野生化しているキョンは台湾産の亜種 Muntiacus r.reevesi とされている。

・森林ややぶ

の多い場所を好み、朝、夕活発に活動するのが見られる。木の葉や果 実を餌としている。

・単独で行動することが多く、オス同士は激しく戦うことがある。

・周年繁殖が見られるが、1月~2月に交尾が見られ、4月から7月に出産のピークが 見られる。妊娠期間は209~220日で1産1仔、新生仔の体重は550~650gである。危 険時には犬のような警戒音を発する。

・飼育下においては19年8ヶ月の生存記録が知られている。

・イギリスにおいても移入された個体が野生化しているが、わが国では東京都伊豆

大島において、1980年頃より千葉県房総半島において野生化した個体がみられて

いる。

43 -(2) 保定方法とマイクロチップの埋込み

ア 保定の方法

四肢の蹄は鋭く、特に、オスの成獣は犬歯を持つため、全て作業にあたっては、保定者は 革手袋を装着する。

A 器具を使用しない保定法

シカやレイヨウの仲間は、生後間もなく茂みの中で、伏臥でじっとしている。そのため、

1週間ほどは体を両手で押さえるほどで保定が可能である。

B 器具を使用した保定法

親を保定する場合は捕獲の際に玉網を使用し、玉網ごと動物を押さえる。この際、キョン は四肢を全身の力で動かすため、複数の保定者が必要である。

C 特に注意すべき事項

マイクロチップの埋込み処置は短時間で終了するため、原則的には麻酔は要らない。玉網 での捕獲が困難である場合、吹き矢を用いて麻酔する。

【生後 1 週間のキョン(伏臥状態)】

(財)東京動物園協会提供

イ マイクロチップの埋込みの方法

生後間もなく埋込みが可能である。ただし、生後1週間以上を経過すると動き回り、捕獲 が困難となるため、生後1週間までが適期である。

A 埋込みの部位

左右の肩甲骨間皮下に埋め込む。

B マイクロチップ埋込みの実際

術部をイソジン綿、アルコール綿で消毒し、埋込み器の針を上記の皮下に穿刺しマイクロ チップを埋込む。マイクロチップの脱落を防ぐため、皮膚の穿刺痕に外科用接着剤を塗布し、

外用散剤を散布する。

44 -13 中型偶蹄類 シカ〈シカ亜科〉

和名:アカシカ 英名:Red deer 学名:

Cervus elaphus

分布:西ヨーロッパ、アフリカ北西部、

中国西部、北米北西部

【アカシカ】

(財)東京動物園協会提供

(1) 動物の特徴と同定

中型偶蹄類

特定外来生物としてシカ科、シカ亜科に属する動物全種が指定されている。

シカ

英名:Deer

学名:

Dama

ダマジカ属

Axis

アクシスジカ属

Cervus

シカ属

Elaphurus

シフゾウ属

分布:アフリカの北部、ユーラシア、北アメリカに分布しており、ニュージーランドをは じめ世界各地に移入されているものがある。

特徴:オスにはいずれの種にも枝角が見られる。形は種類によって異なるが、年 1 回落角 し、新しい角になる。

体重:36 ㎏から 400 ㎏になる種も知られており、12 種から 18 種類に分類されている。

習性等:

・群れを作って生活するものが多く見られる。

・妊娠期間は 217~260 日。通常 1 産 1 仔。

・寿命は、野生状態では 18 年から 25 年、飼育下では 24 年の生存記録がある。

・我国に生息するニホンジカとの間で、アカシカとの交雑種が認められているが、

シカ亜科の種類間、オジロジカ亜科との交雑例が多く知られている。

・ションブルグシカのように絶滅したとされるもの、シフゾウのように野生状態では 絶滅した種類も知られている。

カラミアジカ CITES Ⅰ

バウェアンジカ CITES Ⅰ

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-ベトナムホッグジカ CITES Ⅰ タンケントアカシカ CITES Ⅱ カシミールアカシカ CITES Ⅰ イランダマシカ CITES Ⅰ ターミンジカ CITES Ⅰ

他にも希少種とされる種類も少なくない。

(2) 保定方法とマイクロチップの埋込み

ア 保定の方法

A 器具を使用しない保定法

誕生後数週間程度の幼獣であれば、一人で身体を抱えて保定できる。

B 器具を使用した保定法

捕獣網を張り、そこに動物を誘導して網でからみとる。シカの大きさにもよるが保定には 少なくとも3人必要で、頭、前肢、後肢をそれぞれが確保し、右下に横臥保定する。

C 麻酔法

キシラジン 0.5~23mg/kg とケタミン 2.7~18.7mg/kg の併用か、メデトミジン 0.05~

0.1mg/kg とケタミン 0.8~3.2mg/kg を併用する。キシラジンにはヨヒンビン、メデトミジン にはアチパメゾール(メデトミジンの 5 倍量)が拮抗する。注射部位は臀部筋肉で、用手が 不可能なら吹き矢か麻酔銃を用いる。

D 特に注意すべき事項

物理的に保定するときは、事前によく計画を練り、保定者が気持ちを一つにして取り組む ことが大切である。シカのオスは、角のはえている時期がある。可能なら、オスでは袋角~

枝角の時期を避け、落角している時期を選ぶ。

人身事故を防止するため、全ての作業に当たり、保定者はヘルメットおよび皮手袋を装着 する。麻酔に当たっては、動物にできるだけストレスを与えないように注意する。また、麻 酔中は頭をあげた状態で確保して、胃からの逆流物の誤嚥を防止する。

イ マイクロチップの埋込みの方法 A 埋込みの部位

肩甲骨間の皮下に埋めこむ。

B マイクロチップ埋込みの実際

動物を起立、腹臥あるいは右下横臥姿勢にして、術部をイソジン綿かアルコール綿で消毒 し、埋込み器の針を上記の皮下に刺入しマイクロチップを埋込む。マイクロチップの脱落を 防ぐため、皮膚の穿刺痕に外科用接着剤を塗布し、外用散剤を散布する。

C 特に注意すべき事項

埋込み器の針の穿刺部分は、できる限り血管を避ける。

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