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第 4 章  不完全文の内容理解向上を目的とした顔映像の呈示方法

4.2 顔映像の呈示部位に関する実験

4.2.2 実験結果

4章  不完全文の内容理解向上を目的とした顔映像の呈示方法

原文・正解文 課題文・呈示文 回答文

読み上げによる 音声認識処理

被験者による 回答

(4.1)にて文一致率算出  →  課題文完全率

(4.1)にて文一致率算出  →  回答文完全率

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4.4  呈示部位実験結果

4.5  回答文の形態素内訳

原文 回答文

N D S I

1文当たり平均 10.8 0.69 0.99 0.16

聴覚障害 延べ総数 487 31.0 44.4 7.0

1文当たり平均 10.8 0.50 1.07 0.24

健聴 延べ総数 487 22.3 48.0 10.8

4.5より,D3D4H3を除いた全ての被験者において,「字幕のみ」の回答文完全 率は課題文完全率と比較して変化がなかった.つまり10名中7名において「字幕のみ」

は,内容理解の促進・阻害の何れの効果もないことがわかる.「字幕+顔」と「字幕+

口元」の回答文完全率は,H1を除き全ての被験者において,「字幕のみ」の回答文完全 率と同じか上昇する傾向を示した.さらにこれらは課題文完全率とほぼ同じか上回って

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4.5  呈示部位実験結果(被験者群による比較)

いたため,顔・口元情報の付加は内容理解を阻害させる要因にはなっていないことがわ かる.以上のことから不完全文に対し話者の顔・口元情報の付加させることは,内容理 解を阻害させることなく促進させる傾向があると言える.

被験者属性による違いを把握するために,被験者を聴覚障害者群と健聴者群に分け,

それぞれに関して呈示部位を因子とする一元配置分散分析を行った.一元配置分散分析 では,まず呈示部位を要因とした1要因2水準の分散分析を聴覚障害者群と健聴者群に 対して行い,聴覚障害者群のみ呈示部位間に有意差が認められたため(聴覚障害者群:

F(2, 207)=4.74, p<0.01, 健聴者群:F(2, 213)=1.27, p>0.05),その後の検定に多重比較検定

Tukey HSD法)を用いて分析した.被験者群ごとの平均を図4.6に,分散分析結果を

4.6に示す.図4.6左側の「課題文完全率」は,課題文全45題の文完全率の平均およ び標準偏差を示している.平均上端が図中の点線と同じ値であり,約79%を示す.これ らの結果より,聴覚障害者において「字幕のみ」と「字幕+口元」との間に有意差が認 められた(p<0.01).健聴者においては何れの呈示部位間においても有意差は認められ なかった.以上ことから,実験に参加した聴覚障害者においては,話者の口元情報の付 加による内容理解の促進が統計的に確認された.

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4.6  被験者群別の呈示部位に関する分散分析結果

区分 呈示部位1 呈示部位2 有意確率(p) 判定

字幕+顔 0.383

字幕のみ 字幕+口元 0.010 **

聴覚障害

字幕+顔 字幕+口元 0.243

字幕+顔 0.999

字幕のみ 字幕+口元 0.397 健聴

字幕+顔 字幕+口元 0.377 判定:* 有意水準5%有意,** 有意水準1%有意