4.1 突起部の無い管(裸管)における土槽実験
4.1.2 実験結果
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表-4.3 実験結果一覧(突起部の無い裸管)
土被り 呼び径
限界せん断応力 τcr
(kN/m2)
滑り開始変位 Δcr
(mm)
地盤ばね係数 k
(kN/m3) 30cm 50 7.9
8.2
- -
9.8 3.0 3266
200 6.8 2.2 3090
60cm
50 11.2
10.4
- -
10.8 3.4 3176
100 11.0 - -
200 8.7 2.7 3222
120cm 50 14.0
12.3
- -
12.6 3.6 3500
200 10.2 3.2 3187
図-4.5 実験結果のバイリニア近似 図-4.6 土被りとτcrの関係
0 2 4 6 8 10 12 14
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 せん断応力τ(kN/m2)
変位δ(mm)
土被り60㎝_呼び径50 土被り60㎝(バイリニア近似)
②
①
Δcr
k τcr
0 3 6 9 12 15
0 30 60 90 120 150 180
限界せん断応力τcr(kN/m2)
土被り (cm)
呼び径50(n=1)
呼び径50(n=2) 呼び径100 呼び径200 全データ平均
高圧ガス導管耐震設計指針 線形(全データ平均)
外挿
41 (2) 変位量,ひずみ
実験では管端に設置した 2 つの変位計①,変位計②によって変位量を測定する.ここで は変位計の値から青ポリ管の伸び量について考察する.また,実験中は軸方向にひずみゲ ージを設置しており,それらの値を用いて管周面に作用したせん断応力の値の妥当性につ いても理論計算を行うことで検討を行う.
図-4.7,図-4.8では変位量と管体伸びの関係について示す.横軸に引張側に設置した変位 計②の値を基準として,縦軸に変位計①②および変位計②から①の値を差し引いた管の伸 び量を示す.これらの結果から,変位計①と変位計②では載荷中に差が生じていない,つ まり青ポリ管の軸方向の伸び量は生じていないことがわかる.
次に,実験では管に作用したせん断応力を把握するために軸方向に40cm間隔でひずみゲ ージを設置した.土槽内でせん断応力が管表面に均等に作用するとした場合(図-4.9),力 の釣り合いより軸方向の理論ひずみは,(4.1)式で表すことができる.第1項は土槽端(引張 側)の最大ひずみ,第2項は拘束長xによるひずみの変化を示す.
ここで,呼び径50および呼び径200(土被り60cm)において測定した軸方向のひずみ(管 底と管頂の平均値)を図-4.10,図-4.11に示す.x軸は実験土槽と位置関係を合わせるため,
右側を引張側の土槽端とした.結果は,引張側の土槽端が最大となり,それ以降はひずみ が徐々に減少していく,理論通りのひずみ分布を示すことが確認でき,管表面に均一にせ ん断応力が作用していることが推測される. これらの図中のひずみ分布の傾きは,(4.1)式 の第 2 項の係数を意味するため,ひずみ分布の傾きと第 2 項を比較することで,管表面に 均一に作用したせん断応力τを逆算する.このひずみから逆算されたτとロードセルを管 表面積で除したτを比較することで実験値の妥当性を検証できるものと考えた.ここで,
ひずみ①は土槽外のひずみであり,今回の傾きの算出からは除外した.また,ひずみは滑 図-4.7 変位量と管体伸び(呼び径50) 図-4.8変位量と管体伸び(呼び径200)
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り開始以降は理論式が成立しないため,4mmまでのひずみを対象に考察を行った.
検証結果は,図-4.12,図-4.13にロードセルから算出したせん断応力とひずみから逆算し たせん断応力の比較関係を呼び径ごとに示す.図より,ひずみゲージから算出したせん断 応力とロードセルから算出したせん断応力値は概ね一致することが確認できた.このこと から,本土槽実験は管軸方向に均一なせん断応力が作用しており,ロードセルの測定荷重 から求めたせん断応力を実験結果とすることの妥当性が確認できた.
tE x DtE
P x
x l ) 2
(
Δ
(4.1)
tE
2 2 tE
(4.2)ただし,P:ロードセルで測定した荷重(kN)
D:管外径(m) t:管の肉厚(m)
E:青ポリ管の弾性係数(1.0×106 kN/m2)
τ:せん断応力(kN/m2)
x:土槽端(引張側)からの距離(m)
α:変位量ごとのひずみ分布の傾き(図-4.10,図-4.11より) 図-4.9 土槽内の力の釣り合い
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図-4.10 管軸ひずみ分布(呼び径50) 図-4.11 管軸ひずみ分布(呼び径200)
図-4.12 管軸ひずみ分布(呼び径50) 図-4.13 管軸ひずみ分布(呼び径200)
44 (3) 繰り返し載荷の影響
実際の地震動を想定した場合,地盤には管軸方向の連続した変位振幅が生じる.本実験 では,これまで乱されない土(締固度90%以上)の状態での限界せん断応力について議論 を行ってきたが,一度乱された土(載荷後)に対して再び載荷した場合について影響を把 握することで,地震動のような繰り返し振幅時の限界せん断応力について検証を行う.
呼び径50を対象に管軸方向に合計4度の載荷を行った.締固度90%以上を確認した最 初の試験を乱されない土と呼び,10mm程度変位させる.その後,さらに10mmずつ軸方向 に3度載荷を行った.これらの試験を乱された土とする.表-4.4,図-4.14に乱れない土と 乱された土での限界せん断応力の比較を行った.結果より,一度管周面土が乱された後で は,限界せん断応力が減少していくことがわかる.乱された土では,4~7%程度せん断応力 が減少し,3度目の乱された土では15~18%程度減少する結果となった.本結果は過去の繰 り返し載荷試験においても同様の事象が示されており7),地震時の挙動を把握するためには,
せん断抵抗の期待できる初期の乱されない土での限界せん断応力を測定し,管と地盤との 滑りの評価を行うことが妥当であると考える.
表-4.4 繰り返し載荷が限界せん断応力に与える影響
土被り(cm) 30 60 120
試験条件 τcr 減少率 τcr 減少率 τcr 減少率 乱されない土 - 9.8 0% 10.8 0% 12.6 0%
乱された土
1 9.1 7% 10.4 4% 11.9 5%
2 8.5 13% 10.0 7% 11.0 13%
3 8.3 15% 9.3 15% 10.4 18%
図-4.14 繰り返し載荷と限界せん断応力の関係
7 8 9 10 11 12 13 14
0 30 60 90 120
限界せん断応力τcr(kN/m2)
土被り (cm)
乱されない土 乱された土① 乱された土② 乱された土③
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