• 検索結果がありません。

金属ガスケットの密封特性の検討

ドキュメント内 DR論文(近藤) (ページ 54-57)

第 2 章 内圧を受ける金属平型ガスケット付き管フランジ締結体の応力解析と密

2.5. 金属ガスケットの密封特性の検討

金属間接触における密封特性を検討する為に,二次元FEM応力解析(平面ひ ずみ状態)を行う。図2-15は解析モデルのメッシュ分割例,および拘束条件を 示す。金属ガスケットは主に旋盤による切削加工によって製作されるため,ガ スケットの接触面においてらせん状に加工痕が残ると考えられる。そのため,

内部流体の漏えいは加工痕に沿って生じていると考えられる。図2-15 の解析モ デルはガスケット接触面のらせん状の加工痕を沿って生じる漏えいの流路を模 擬する。メッシュ分割には 4 節点四角形要素を用いる。材料モデルには,上部

Fig. 2- 15 金属間接触における接触エリア検討のFEMモデル

Non-contacted area

24μm

のプラテンの解析モデルは等方弾性体,下部のガスケットの解析モデルは弾塑 性体とし,図2-2に示す応力-ひずみ線図に基づき等方硬化則を用いている。接 触面の摩擦係数は0.2とする。

図2-16は,接触面における相当塑性ひずみ(ミーゼスひずみεmis)のコンター 図を示す。また,図2-17は接触面における隙間面積とガスケット解析モデルの 下部端面におけるミーゼス応力の関係を示す。図2-16より,接触面表面におい て部分的に塑性変形が生じている。また図2-17より,圧縮応力が降伏応力に比 べて小さい範囲では,解析モデル下部端面における相当応力が大きくなるにつ れて接触面における隙間面積が徐々に小さくなっている。しかし,解析モデル 下部端面のミーゼス応力が降伏応力に達すると,急激に隙間面積が小さくなっ ていることがわかる。以上の結果より,圧縮応力が小さい範囲では接触面表面 の微小部分が塑性変形を生じることにより隙間を徐々に埋めるが,圧縮応力が

Fig. 2- 16 金属間接触における相当塑性ひずみコンター図

(a) von Mises stress is 50MPa (b) von Mises stress is 140MPa

Fig. 2- 17 ミーゼス応力と空隙面積の関係

0 50 100 150

10–1 100 101

Von Mises stress [MPa]

Void space [mm ]2

σ

yield=140[MPa]

Non-contacted area [×10³ mm²]

Von Mises stress [MPa]

ガスケットの降伏応力に達するとガスケットに大きな塑性変形が生じることに より接触面表面の隙間が急激に小さくなっていることが示されている。

図 2-18 は,実験およびFEM応力解析より得られた漏えい量 (leak rate) とガ スケット接触応力 (σave yield) の関係を概念図で示す。図中の破線は金属ガスケ ット特有の金属間接触によるガスケットの密封特性を示し,実線はフランジ締 結体にガスケットを挟んだ場合(図2-9)の漏えい量を示す。フランジ締結体で はガスケット接触応力が分布するため,漏えい量が急減する際のσave yield の値 が1.0より減少すると考えられる。このときの σave yield の値を密封係数b と定 義すると,締結体に必要なボルト初期締付け力Ff の最小値 (Ff) minは式(2-2) のように定義できると考えられる。

(Ff ) min=Abσyield ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2-2)

ここで,Aはガスケット接触面積を示す。

本研究の例では、b=0.76 であり,密封係数 b はフランジローテーションに よるものでフランジ材質,サイズおよびレーティングによって異なるものと思 われる。

Fig. 2- 18 金属平型ガスケットにおける密封性能の評価の概念図

ドキュメント内 DR論文(近藤) (ページ 54-57)