付 録
A. ハンマリング実験
3 実験結果 実験結果 実験結果 実験結果
151
次に,被験者1,シートCにおける実験結果として,多点参照版カーブフィッ トにより得られたモード特性を,表10に示す.
Table 10 Modal Characteristics (Seat C)
fr: Damped Natural Frequency [Hz]
ζr: Modal Damping Ratio [%]
(a) Up (b) Down
シートCについて,リフター上げの状態で 4つ,リフター下げの状態で3つ のモード特性を抽出した.抽出されたモード特性,モードの動きについてまと めたものを表11に示す.
Table 11 Comparison of Modal Characteristics (Seat C)
Up Down
1st 24.6 (8.50) 25.2 (9.08) Seat cushion frame in lateral (1st) 2nd 30.3 (9.25) 30.8 (9.41) Backrest frame fore and aft 3rd 39.6 (13.4) 42.0 (15.1) Seat cushion frame in lateral(2nd) 4th 47.9 (11.5) - Backrest frame twist
fr[Hz] (ζr[%
])
Characteristics of mode
シート C では,リフターを下げた時に背面骨格部のねじれモードが抽出され なかった.リフターを下げることで,全モードの固有振動数が高い方へとシフ トしている.リフター下げた時の 4 次モードは,ハンマーの入力では背面骨格 部のねじれモードが励起されなかったと考えられる.
被験者1についてのまとめ
被験者 1 について,リフターを上げることで,固有振動数が高い方へシフト をしていた.基本的に4つのモードを抽出することが出来た.
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 24.6 8.50 2nd 30.3 9.25 3rd 39.6 13.4 4th 47.9 11.5
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 25.2 9.08 2nd 30.8 9.41 3rd 42.0 15.1
153
3-2 被験者被験者被験者被験者2の実験結果の実験結果の実験結果の実験結果
ここからは,被験者 2 についての実験結果を示す.被験者 1 と同様に,まず シートBにおける実験結果を示す.モード特性を表12に示す.
Table 12 Modal Characteristics (Seat B)
fr: Damped Natural Frequency [Hz]
ζr: Modal Damping Ratio [%]
(a) Up (b) Down
シートBについて,リフター上げ下げに関わらず,4つのモード特性を抽出し た.抽出されたモード特性,モードの動きについてまとめたものを表13に示す.
Table 13 Comparison of Modal Characteristics (Seat B)
Up Down
1st 24.6 (19.1) 20.9 (30.2) Seat cushion frame in lateral (1st) 2nd 29.4 (24.4) 31.0 (18.4) Backrest frame fore and aft 3rd 35.9 (23.2) 41.5 (24.4) Seat cushion frame in lateral(2nd) 4th 41.9 (23.5) 48.5 (22.7) Backrest frame twist
fr[Hz] (ζr[%
])
Characteristics of mode
シート B について,リフターを上げた時の方が,概ね固有振動数が低い傾向 が見られた.
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 24.6 19.1 2nd 29.4 24.4 3rd 35.9 23.2 4th 41.9 23.5
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 20.9 30.2 2nd 31.0 18.4 3rd 41.5 24.4 4th 48.5 22.7
次に,シートCにおける実験結果を,表14に示す.
Table 14 Modal Characteristics (Seat C)
fr: Damped Natural Frequency [Hz]
ζr: Modal Damping Ratio [%]
(a) Up (b) Down
被験者2,シートCにおいて,リフターの上げ下げに関わらず,3つのモード が抽出された.抽出されたモードについて,その特徴をまとめたものを表 3.15 に示す.
Table 15 Comparison of Modal Characteristics (Seat C)
Up Down
1st 24.6 (8.50) 16.4 (8.06) Seat cushion frame in lateral (1st) 2nd 35.0 (9.25) 33.0 (15.9) Backrest frame fore and aft 3rd 39.6 (13.4) 46.5 (20.3) Seat cushion frame in lateral(2nd)
Characteristics of mode fr[Hz] (ζr[%
])
被験者2,シートCにおいて,背面骨格部のねじれのモードは抽出されなかっ た.また,リフターを下げた時に,1次の座面骨格部の左右方向のモードの固有 振動数も低下している.また,背面骨格部の前後方向のモードの固有振動数が 低下し,減衰率が大きくなっていた.
被験者2についてのまとめ
被験者2 について,シート Bではリフターを上げる事で基本的に固有振動数 が高い方へとシフトしていたが,シートCでは低い方へとシフトしていた.
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 24.6 8.50 2nd 35.0 9.25 3rd 39.2 13.4
Order fr[Hz] ζr[%]
1st 16.4 8.06 2nd 33.0 15.9 3rd 46.5 20.3
155
3-3ハンマリング実験ハンマリング実験ハンマリング実験ハンマリング実験結果の結果の結果の結果のまとめまとめまとめまとめ ハンマリング実験結果まとめ
2 脚のシートについて,2 人の被験者でハンマリング実験を行った.約 100N の力入力を与えた時の各部の加速度応答を,3方向(X, Y, Y and Z)の加振を行い測 定した.多点参照版カーブフィットからモード特性を抽出した.
2脚のシート,2人の被験者共に,約20~50Hzの領域でのモードを抽出するこ とが出来た.被験者1,2と共通して,最大で4つのモードを抽出した.どのモ ードも人体‐シート連成のモードであり,座面骨格部が左右に振動するモード,
背面骨格部が前後に振動するモード,背面骨格部のねじれのモードであった.
特徴的なモードである,背面骨格部の前後方向のモードについて,被験者 2, シート C での結果は良好なものではなかったと言える.それ以外の条件では,
以下の2つの共通事項を確認した.1つ目は,リフターを下げる事で,同一のモ ードの固有振動数が高い方へとシフトすること.シートの構造として,リフタ ーによって全体の高さが変更されることから,リフターを下げることで,上げ た状態よりも固有振動数が上昇すると考えられる.2つ目は,シートBよりもシ ートCの固有振動数が高いこと.垂直加振実験結果からも,シートCの方が固 有振動数が高いという結果が得られていたが,ハンマリング実験でも同様の結 果を得ることが出来た.
ハンマリングと垂直加振でのモード特性の比較
加振台加振実験では,Z方向加振での加速度伝達率を測定し,同様にカーブフ ィットを行った.80Hzまでの周波数範囲において,10個程度のモードを抽出す る事が出来た.
ハンマリング実験では,加振台実験とは異なるX方向とY方向についても 加振を行った.加振台実験と比較すると狭い20~50Hzという領域ではあるが,4 個程度のモードを抽出することが出来た.
20~50Hz の領域での人体‐シート連成のモードのみ抽出した理由として,ハ
ンマーの加振力の限界が考えられる.ハンマーの都合で,100N程度の入力とし た.その入力で励起されるモードはシート骨格部が大きく振動するモードであ ったので,20~50Hz の周波数範囲にある人体‐シート連成のモードだけが抽出 できたと考えられる.しかし,加振力の不足により人体の振動までは励起でき ず,垂直加振実験で得られた10Hz以下の人体が主体であるモードなどを同定す ることは出来なかった.
ハンマリング実験で抽出した 4 個のモード形状を比較すると,加振台実験で 抽出されたモード形状と同一のものであることを確認した.
ハンマリング実験の被験者 1 と,垂直加振実験の被験者 1 は同一被験者であ る.被験者1について2つの加振実験で得たモード特性の比較を,シートB, C について比較を行う.
シートB
シート B について,ハンマリングと加振台の加振実験で抽出したモード特性 を表16に示す.
Table 16 Comparison of Modal Characteristics (Subject 1 - Seat B)
Order fr[Hz] (ζr[%
])
Order fr[Hz] (ζr[%])
1st 22.2 (9.12) 6th 21.0 (14.0) 2nd 25.6 (10.9) 7th 25.8 (8.63) 3rd 36.7 (11.6) 8th 36.1 (14.6) 4t h 44.2 (8.18) 9th 44.8 (5.96)
Hummer Excitor
上記の表中の横並びのモードは,同一のモードであることを示す.シート B では同一のモードにおいての固有振動数を比較すると,概ね同じ値となってい る.
シート B について,骨格部が主体となって振動する人体‐シート連成モード を,ハンマリング実験でも抽出できることを確認した.
シートC
シート C について,ハンマリングと加振台の加振実験で抽出したモード特性 を表17に示す.
Table 17 Comparison of Modal Characteristics (Subject 1 - Seat C)
Order fr[Hz] (ζr[%
])
Order fr[Hz] (ζr[%])
1st 24.6 (8.50) 7th 22.6 (15.8) 2nd 30.3 (9.25) 8th 35.6 (5.44) 3rd 39.6 (13.4) 9th 41.4 (12.3) 4t h 47.9 (11.5) 10t h 48.5 (10.7)
Hummer Excitor
157
シート C についても,モード形状が対応していることを確認した.背面骨格 部の前後方向のモードについては,固有振動数で5Hz程度の違いが見られた.
シート B よりも骨格部の剛性が上がっていることから,骨格部の振動がシート Bよりも励起されにくかったことが考えられる.
シートB, Cの2脚について,加振方法の違いによるモード特性の違いについ
て比較を行い,ハンマリング実験においても,加振台実験時と同じく人体‐シ ート連成の固有モードを抽出できることを確認した.
ハンマリング実験のまとめ ハンマリング実験のまとめ ハンマリング実験のまとめ ハンマリング実験のまとめ
ハンマリングによる力入力,加速度応答のアクセレランスのFRFを測定した.
カーブフィットを行い,モード特性を抽出した.加振台での加速度伝達率とは 異なるFRFの測定を行った.ハンマリング実験について以下にまとめる.
ハンマリング実験では,シート骨格部の振動が主体となって生じる人体‐シ ート連成のモードを,20~50Hz の領域で抽出した.この時抽出したモード形状 を,加振台実験時に抽出したモード形状と比較し,同一であることを確認した.
しかし,加振力の大きさが十分でなく,人体主体のモードや50hz以上の領域 でのモードは抽出することはできなかった.
ハンマリング実験結果より,適切な大きさの加振力を与えれば,シート骨格 部が主体となる人体‐シート連成モードを抽出することができると言える.シ ートが主体となって,人体との連成振動を生じる人体‐シート連成モードはハ ンマリング実験からも確認できることを示した.ハンマリングを行うことで,
シート骨格部の振動特性についても,ある程度の評価を行うことは可能である と言える.