第 4 章 新数理モデルのパラメータ推定実験
4.1 実験の目的
4.2.1 実験概要
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図
4.1:
実験条件と測定データの関係4.2.2 実験タスク
本実験で被験者に与えるタスクは以下の条件を満たす必要がある。
1.
情報処理と知識処理の階層に属するタスクであること2.
時間的制約がない問題から構成されるタスクであること3.
難易度がほぼ均一な問題を多く作成できること4.
短い周期でキー操作を行うタスクであること条件
1
が必要である理由は3.1.3
項で説明したように、オフィスでの占有時間が長く、かつ知的生産性の定量評価がしやすい情報処理と知識処理の階層に属する作業に注目 しているためである。2は実際のオフィス作業を考えた場合、数分単位の細かい周期で の時間的制約がなく、ある程度自分の計画に沿って時間を割り振ることができる場合
が多いと考えられるためである。3は作業
1
問毎の解答時間に着目してモデルパラメー タを推定するため、難易度のばらつきによる解答時間のばらつきが生じないようにす るためである。4
は本実験ではデータとして認知タスク実施時のキー操作タイミングを 取得するため、作業中の認知プロセスの推測のために、5∼10
秒程度を要する認知タス クよりも、もっと短い周期でキー操作を行う認知タスクが必要なためである。これは 例えば、通常10
秒でタスク1
問を解答するところを30
秒かかった場合に非作業状態が どのように発生したかを判断しにくいからである。上記の条件を満たす作業として、独自に考えた一位加算タスクと伝票分類タスクを 用いた。これらはそれぞれ
PC
とiPad
および紙伝票を用いて実施する作業である。一位加算タスク
一位加算タスクは
PC
画面上に表示された数列の隣り合う2
つの数を足し、その和の 一の位を入力していくタスクである。一問解答を入力する毎に、次の問題に移るため に左手に持ったWii
コントローラのスティックを右にはじく。PC画面上に表示される 数字は基本的にはランダムに表示されるが、連続で2
回同じ答えを入力する場合に問 題の難易度が均一にならない問題を防ぐために、連続で2
回同じ答えを入力すること はないような問題にする。例えば、3 5 3のような数列は表示されない。また予備実験 より、0が含まれる加算は、0を含まない加算よりも被験者の計算速度が有意に速くな ることが判明したため、数列からは0
を省き、1から9
の数字のみを使用した。また、予備実験より、被験者に単純タスクを与えた場合に眠くなる傾向があったため、被験 者がタスクを行う時に被験者の運動量を増やして眠気を低減するために、Wiiコント ローラのスティックを用いて次の問題に移るようにした。
本タスク具体的な手順を述べる。被験者はまず実験者からの合図と同時に
PC
のEnter
キーを押し作業を開始する。画面中央に表示された隣り合う2
つの数を足し、和の一 の位をテンキーで入力してからWii
コントローラのスティックを右にはじくと、図4.2
に示すように、次の問題が入力できるようになる。再び次の隣り合う2
つの数を足し、答えを入力してスティックをはじくと次の問題へ移る。以上の作業を繰り返すタスクで ある。Wiiコントローラのスティックを右にはじくと、表示された数字が左にスライド し、右側に新しい数字が表示され、次の問題の答えを入力する画面に移る。このタス クでは、被験者が解答としてテンキーを押したタイミングを記録することで一問あた りの解答時間を記録する。1回の試行は連続
30
分間行う。"!
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図
4.2:
一位加算タスクのPC
画面イメージ 伝票分類タスク伝票分類タスクは図
4.3
に示すような紙伝票を見て、iPad画面上で分類条件にした がって伝票を分類するタスクである。分類の条件は「領収書日付」、「領収書金額」、「相 手先企業」で、各条件について表4.1
に示すように各3
段階の区分が設定されている。したがって、伝票は
27
種類の何れかに分類されることになる。各分類条件の分類の出 現率は等しく3
分の1
である。なお領収書金額の条件区切りの5,000
円と50,000
円は 分類する際に、どの条件に当てはまるかを判断しづらいので金額欄に5,000
円或いは50,000
円と記載された伝票は省いた。
図
4.3:
伝票分類タスクに用いた伝票表
4.1:
伝票分類条件伝票分類条件 分類
領収書日付 上旬 中旬 下旬
領収書金額
5,000
円以下5,001
円から50,000
円まで50,001
円以上 相手先企業 百貨店と各種小売店 飲食店と喫茶店 運送業と郵便本タスクの具体的な手順を述べる。被験者がまず実験者からの合図によって図
4.4
に 示すようなiPad
の初期画面の開始ボタンを押すと、分類入力画面が表示される。次に 伝票の束の一番上の伝票を見て、領収書日付の区分、領収書金額の区分、相手先企業 の区分を見分ける。iPad画面上の領収書分類表を見て、伝票がどこに分類されるかを 判断し、該当箇所を押す。押した箇所は押している間だけ青色になり表示された数字 が1
増える。誤った箇所を押してしまった場合は、分類入力画面の取り消しボタンを 押すことで、直前の入力を取り消すことができる。分類を入力した後は一番上の紙伝 票をめくり、裏返して用意したボックスに置く。このタスクでは被験者が分類を入力 したタイミングを記録する。1回の試行は連続30
分間行う。照明の光がiPad
の画面上 から反射することを防止するため、iPad画面上に反射防止フィルタを貼り付けた。
図