第5章 リノベーションが周辺地域に与える影響の実証分析
5.1 推計モデル1、推計結果と考察
5.1.3 実証分析2(賃貸成約商業)
上記同様に、係数の推定結果1を以下に示す。
表7 推定式1推定結果(賃貸成約商業)
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・100mは影響しない。(+―0)
・300mは-0.0064885であり、1個増えると、-0.64885%㎡あたり賃貸商業価格は下落する。
(下落大)
・500mは-0.0047347であり、1個増えると、-0.47347%㎡あたり賃貸商業価格は下落する。
(下落中)
という結果であった。100m係数のP値は0.48、10%有意ではないという結果であり、影響 はないといえる。また、300m、500m係数はマイナスであり、P値は0.002、0.001で1%有 意であった。リノベーションが100m範囲内であればほぼ影響は受けないが、300m、500m と離れたリノベーションが実施されると下落する。上記の結果は以下のように解釈できる。
既存商店街と仮定した場合、100m範囲(既存商店街と仮定)はほぼ影響はなく、この場 合、リノベーションが他店に与える影響としては、地域の買い物客が増え、買い廻り客や比 較買いが増える。従って既存商店街と異なる系統のお店がリノベーションされて出現すれ ば、その相乗効果で売上UPと想定される。逆に同一系統の店舗が出現すれば、強力なライ バルになり、マイナスとなり、総合的にはプラスマイナス 0 に相殺されるというわけであ る。一方、300、500mと距離が離れると、ついで買い客(買い廻り客)、比較買い客がいな くなり、逆にリノベーション物件がライバルとなって顧客が奪われて売上ダウンしている と想定される。仮設①仮設②とも仮説の逆の結果であったといえる。
仮設③では、この場合、賃貸マンションの賃借人、後述するが売買マンションの購入者、
商業経営者の立場による便益の差が出たものと思われる。リノベーションによって、外観が おしゃれに改装され、集客されるといった効果が想定されるが、既存商店街の売上には貢献 しない。
図30 リノベーションが他店に与える影響
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5.1.4 実証分析1(売買成約マンション)
推定式1の結果である係数を以下に示す。
表8 (上)推定式1-1,(下)推定式1-2推定結果(売買成約マンション)
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・100mは売買マンション価格に影響しない。
・300m売買マンション価格に影響しない。
・500mは売買マンション価格に影響しない。
という結果であった。いずれも係数のP値は、0.669、0.902、0.783であり、10%でも有意 ではなく、ほぼ影響は受けないという結果であった。従って、仮設①仮設②ともリノベーシ ョンは何ら影響がないことがわかった。
仮設③この場合、マンションを購入する世代であるファミリー層向けには下落の結果であ り、単身者層には何ら影響を与えていないことがわかった。
5.1.5 実証分析結果のまとめ
推定式1-1、1-2、2の実証分析結果を以下に示す。
賃 貸 マ ン シ ョ ン
Case① 賃貸商業 Case① 売 買 マ ン シ ョ ン Case①
仮説①
リノベーションが実施さ れ、増えれば増える(集積 の効果)ほど、周辺地域に 正の便益を与える。
便益を与える 便益を与えない 影響なし。
仮説②
リノベーションが実施さ れていても、レインズポ イントから遠く離れれば 離れるほど、周辺地域へ の正の便益の享受は低く なるのではないか。
離れるほど、便益は 少なくなる。
同じ商店街にあれば+
-0。離れればマイナ ス。
ど の 距 離 で も 影 響 な い。
仮説③
ファミリー・若者層の便 益の相違
ファミリー層・単身 者層共に便益あり。_
ファミリー層はマイナ ス。
単身層は影響なし。
表9 推定式1-1,1-2推定結果
(賃貸成約マンション、賃貸成約商業、売買成約マンション)