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第6章 まとめ

6.2 今後の課題

本研究において、今後の課題として「特に地方都市では改装しても活性化に効果がなかっ た地域が問題と叫ばれて何年も経過している。改装しても活気がない、失敗要因と成功要因 の分かれ目とは何だろうか。」の問いに対する回答である。ここでは、改装失敗事例-M 駅 前商店街-を取り上げ、特に地方都市との比較(成功する要因、失敗する要因)を本稿の結 果から整理する。

① 立地選定・・・ただ駅前にあるだけでは失敗する。大型量販店近く(駐車場付)では競 合に負け、リノベーションは300m範囲超から強力なライバルとなる。既存店舗との差 別化が必要であり、魅力あるリノベーション店舗を既存商店内にて集中して実施するこ とが成功要因となる。

② 地域特性・・・前節で提言とした上海、米国のような特化したコンセプトリノベーショ ンが必要である。(職人、若手クリエイター、アート、コーヒー文化等の導入)。飲み 屋街を単なる飲み屋街に改装してもインパクトがない。

③また、立地選定として、既存商店街の内で、なるべく賃貸マンションが集中した場所の近 傍にリノベーションを集中的かつ重点的に実施させること(エリアリノベーション)も成 功要因の一つである。

あくまでも上記は本研究からの付言であって、退廃した商店街をリノベーションによっ て成功させるためには、地方都市特有の特性(店の大きさ、人口規模、立地選定、地域性、

特性等)も含めて、どのようにすべきかを更に深く考察する必要があり、そのあたりを勘案 した高度な分析を行うためのデータの蓄積が必要だと考えられる。更にリノベーション実 施を阻害している可能性がある耐震化基準適合への検討も必要であろう。また、リノベーシ ョンは比較的新しい概念なので、都心に限定せず、更にリノベーションが増えてエリアに広 がった地区(例えば郊外に拡充しているエリアリノベーションポイント)を選定し、更に高 度な研究が必要だと考察される。従って、本研究は地方都市を網羅したリノベーションが地 域に与える影響を計測した普遍的な指針とはなりえず、あくまでも現時点で成しえる範囲 での分析であることを付言しておく。

58 謝辞

本稿の執筆にあたり、まちづくりプログラム教員の皆様から大変有意義なご指導と貴重 なご意見、丁寧かつ熱心なご指導をいただいたほか、福井秀夫教授(まちづくりプログラム ディレクター)から示唆に富んだ大変貴重なご意見をいただきました。また、まちづくりプ ログラムの関係教員、学生の皆様からは研究全般に関する多くの貴重なご意見も頂きまし た。心より感謝申し上げます。

また、ご多忙中にも関わらず、各種の情報提供にご協力くださいました、国土交通省都市 局まちづくり推進課官民連携室、東京都都市整備局都市づくり政策部土地利用計画課、UR都 市機構東日本都市再生本部都心業務部事業推進第1課、事業調整部品質管理室、事業企画部 事業企画課の皆様には、ここに記して感謝の意を表します。東日本不動産流通機構、東京大 学空間情報科学センターから研究に必要となる貴重な情報等をご提供いただけましたこと に御礼申し上げます。なお、本研究は、東京大学CSIS共同研究(No.935)の成果の一部で あることを申し添えます。

さらに、政策研究大学院大学にて研究の機会を与えていただいた派遣元と、貴重な社会人 学生としての一年間、苦楽を共に過ごしたまちづくりプログラムの同期の皆様に改めて感 謝申し上げます。最後に、日々献身的なサポートをしてくれた家族、友人に感謝いたします。

なお、本稿における見解及び内容に関する誤り等については、全て筆者に帰属します。ま た、本稿は筆者の個人的な見解を示したものであり、所属機関の見解を示すものではないこ とを申し添えます。

59 [参考引用文献]

・相澤毅(2015)「最新トレンド 賃貸集合住宅のリノベーションを通じた地域活性プロジ ェクト」日本不動産学会誌第29巻第2号2015.9

・饗庭伸(2015)「都市をたたむ 人口現象時代をデザインする都市計画」花伝社

・安藤至大(2013)「ミクロ経済学の第一歩」有斐閣

・一般社団法人リノベーション協議会HP「https://www.renovation.or.jp/」

・内田祥哉(1981)「建築構法第三版」市ヶ谷出版社

・大島芳彦(2019)「なぜ僕らは今、リノベーションを考えるのか」学芸出版社 P32-38

・大山顕(2008)「団地さん」エンターブレイン

・岡野大志(2018)「既存建築物における耐震改修が家賃・価格に与える影響について」政 策研究大学院大学まちづくりプログラム修士論文

・金本良嗣(2016)「都市経済学(第2版)」P347-353 東洋経済新報社

・上村智彦、青山博征之(1988)「マトリックス法による構造解析」培風館

・木下斉(2013)「稼ぐまちが地方を変える」NHK出版

・グレゴリー・マンキュー(2013)「マンキュー経済学Ⅰミクロ編第3版」(足立英之ほか 訳)東洋経済新報社

・粟津 貴史(2014)「管理不全空き家等の外部効果及び対策効果に関する研究」P7 政策研 究大学院大学まちづくりプログラム修士論文

・公益社団法人市街地再開発協会Urban Renewal Association of Japan(2019)「50年の 歩み設立50周年記念誌」

・ 国土交通省都市局まちづくり推進課 官民連携室 課長補佐 橋口真衣(2017)

『国土交通省主催 国土交通大学校 平成29年度専門課程都市行政 都市経営と官連 携型まちづくり「官民連携のまちづくり~コンセプト編、制度編~資料研修資料」』

・国土交通省都市局市街地整備課「地方都市リノベーション事業(都市再生整備計画事業)

~持続可能な都市構造への再構築を目指して~」パンフレット

・台東区 文化産業観光部にぎわい計画課(2013)「新装版 重ね地図で江戸を尋ねる上野・

浅草・墨田川歴史散歩」株式会社人文社

・高橋亮子(2015)「駅施設における店舗立地が地域経済へ与える影響の分析」政策研究大 学院大学まちづくりプログラム修士論文 P7-8

・東京R不動産(2017)「団地の話」青幻舎

・徳田光弘(2015)「遊休ストックを活用した 北九州の都市再生プロジェクト」徳田光弘

(2015)日本不動産学会誌/第27巻第4 号・2014.3

・都市計画教育研究会(1987)「都市計画教科書」彰国社

・都市再開発法制研究会(2007)「わかりやすい都市再開発法-制度の概要から税制まで-」

大成出版

・馬場正尊+Open A(2016) 「エリアリノベーション変化の構造とローカライズ」学芸出版

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