3.3 Aware Poster システム .1 設計.1設計
3.3.3 実装
実装したシステムについて構成を図3.2に示す.提案システムでは議論ゾーンにおける 議論へのタグを蓄積するためのデータベースと,(1)で付与された分類タグ情報を(2)に 反映するためのクライアントサーバーシステムから構築されており,データベースには発 表者ないし議論ゾーン参加者による「特定領域に関する議論」,「特定領域に関し,かつ重 要な議論」「特定領域に関し,かつ繰り返しの議論」といういずれかの分類タグと,キャプ チャ中のコンテンツ名,およびタッチ操作された時刻をひとつのエントリとして記録して いる.なお,実装に際してはJava SE6とMySQL Community Server 5.1を用いている.
(1)議論ゾーン用展示パネル,(2)傍聴ゾーン用展示パネル,およびAwareTopics基本シ ステムは相互にネットワーク接続されており,XMLRPC*2プロトコルを用いて相互的か つ逐次的な通信を可能とした.これにより,(1)にて入力された個々のタグ情報と議論コ ンテンツ数を,逐次的に(2)へと反映できる.
*2XML-RPC Home Page : http://www.xmlrpc.com/
構築した議論ゾーン用電子ポスタを図3.3に,使用例を図3.4にそれぞれ示す.図3.3左 は領域選択インタフェースであり,PDF形式のポスタファイルを読み込んでPNG(Portable
Network Graphics)形式に変換し,アプリケーションの背景としている*3*4.図3.3右に示
した議論ゾーン用電子ポスタでは,領域の選択結果に基づいて個々の領域の境界線と,そ れぞれの領域に対して「重要」「繰り返し」タグを付与するためのボタンが表示される.
また,傍聴ゾーン用電子ポスタとその使用例を図3.5,図3.6にそれぞれ示す.傍聴ゾー ンの参加者は,図3.5に示したそれぞれのボタンを用いながら,自身の興味に基づく議論 履歴を再生できる.
図3.2 システム構成と処理の流れ
*3PDF フ ァ イ ル の 変 換 に は ,Java の PDF ラ イ ブ ラ リ で あ る JPedal の GPL 版 を 使 用 し て い る
(http://www.jpedal.org/).
*4なお,図3.3では各矩形に“選択領域”と表示されているが,これは説明のために加えたもので,実際に は表示されない.
図3.3 議論ゾーン用電子ポスタ
図3.4 議論ゾーン用電子ポスタの使用例
図3.5 傍聴ゾーン用電子ポスタ
図3.6 傍聴ゾーン用電子ポスタの使用例
図3.7 議論履歴のフィルタリングと再生イメージ
3.3.4 傍聴ゾーン用ボタンデバイスとの連携
傍聴ゾーン用電子ポスタを用いることで,傍聴ゾーンに滞在している参加者は(1)全て の議論履歴を聞く,ないし,(2)特定の議論履歴を聞く,という選択的聴取が可能である.
2.3.3節で説明したように,従来のAwareTopics システムでは(1)を聴取する際に傍聴デ
バイスを用いることで聴取中の議論履歴に対して,(a)「前後の話題に移動」,(b)「前後の コメントに移動」という選択的聴取を可能としていた.
ここで,(2)という新機能は従来の傍聴デバイスを置き換えるものとしての提案ではな く,議論履歴の選択的聴取を補完するという目的に基づいて提案しているため,(2)の聴取 中に傍聴デバイスを操作した場合においても同様の再生操作が可能である.ただし,(1) では全話題を対象としていたのに対し,(2)では電子ポスタボタンの種別に応じた話題の フィルタリング結果のみが再生対象となる.
フィルタリング機能のイメージを図3.7に示す.図3.7においては,図左に記した全体 の議論履歴を対象とし,傍聴ゾーン参加者による電子ポスタ上の再生操作に応じて再生す る議論履歴をフィルタリングしていることを示している.なお,図3.7右上に示している ように,「ある領域のついての議論履歴」には「ある領域について重要であると分類され た議論履歴」および「ある領域について繰り返しであると分類された議論履歴」の両方を 含みうる.このようにして生成された議論履歴の個々のサブセットに対して,傍聴デバイ スを用いた選択的聴取が可能となっている.