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5.3 モデル予測型アシストシステムの評価

5.3.1 実装上の詳細

5.4 Initial Parametorθ

mode θ1 θ2 θ3 θ4 θ5

1 -0.1460 0.2339 0.1737 0.7567 -0.0667 2 -0.0019 0.0024 0.0178 0.9108 0.0029

5.5 Initial Parametorη

mode η1 η2 η3 η4 η5

1 11.2270 -4.4160 -9.3682 -25.5031 -17.9684

5.6 出力誤差の比較

driver recursive estimetion Without recursive

A 3.5e4 4.6e4

B 0.0036 0.0896

C 0.0027 0.0097

この被験者について,オンラインパラメータ推定により求めたパラメータの変化の様子 を図5.6に示す.ただし初期値θiniiniの値が1となるように正規化してある.

図5.6(a)(b)に示されるθの時系列変化に注目すると,どちらのモードにおいても入力

u1の係数の変化幅が最も大きく, KdBの値が運転行動のダイナミクスに大きく影響して いると考えられる. 次に3 人の被験者A,B,Cについて逐次更新を行った場合と行わな かった場合のモデル化誤差の比較結果を以下のtable.5.6に示す. 被験者A,B,Cについて 逐次更新を行った場合のモデル化誤差が,逐次更新を行わない場合の値より小さくなる結 果が得られた. これらの結果から,逐次更新を行うことによって,より各ドライバに対応す る前方車追従動作の正確なモデリングができるようになると考えられる.

0 100 200 300 400 500 600 1

θ1110

0 100 200 300 400 500 600

0 1 2

θ12−1

0 100 200 300 400 500 600

01

θ133

0 100 200 300 400 500 600

0 1 2

θ14

0 100 200 300 400 500 600

−4−202

TIME

θ15

0 100 200 300 400 500 600

−50

θ21 1

0 100 200 300 400 500 600

−10 1 10

θ22

0 100 200 300 400 500 600

−1010201

θ23

0 100 200 300 400 500 600

0.5 1 1.5

θ24

0 100 200 300 400 500 600

−10 1 10 20

TIME

θ25

(a) θ1 (b)θ2

0 100 200 300 400 500 600

0.5 1 1.5

η11

0 100 200 300 400 500 600

0.5 1 1.5

η12

0 100 200 300 400 500 600

0.5 1 1.5

η13

0 100 200 300 400 500 600

0.5 1 1.5

η14

0 100 200 300 400 500 600

0.8 1 1.2

η15

TIME

(c)η1

5.6 オンライン推定によるモデルパラメータの時間変化

接用いて時間内に計算を完了できない.そこで,計算コストを低減するために,モード数 を削減することを試みる.4モードモデルの中ではモード4においてKdBが最も大きく,

最も危険な運転状況を表しているといえる.そこでモード4(以下,ModeAとする)とそ れ以外のモード(以下,ModeBとする)の2つのモードに分けてドライバモデルを構築す る.ModeAとModeBに分離した例を図5.7〜5.9に示す.以上のように,今回は2モー ドモデルを採用するが,将来計算機の処理速度に応じてモード数を増やすことで,より精 度の増したドライバモデルを構築することが可能であると考えらえる.

一方,モデル予測制御における予測ホライズンの長さも計算コストに大きな影響を持つ.

表5.7に,ホライズン長を変えた時のMILPの計算時間の変化を示す(単位は[msec]). ホライズン長が8までは安定して200[msec] 内で計算を終えることが確認できたため,本 論文ではホライズン長を8step(1[sec])と定めた.

−600 −40 −20 0 20 40 60 20

40 60 80 100

KdB

Range

5.7 観測データ例

−600 −40 −20 0 20 40 60

20 40 60 80 100

KdB

Range

5.8 クラスタリング結果例

−600 −40 −20 0 20 40 60

20 40 60 80 100

KdB

Range

5.9 2つのモードに分離した例

5.7 MILPの計算に要する時間

horizon average max

5 21.2 68.9

7 23.5 70.4

8 29.1 117.0

9 33.7 240.8

10 65.7 2360.3

5.3.2 アシストシステムを実装した実験データ

モデル予測型アシストシステムを実装して実験を行った結果を示す.平常車運転モデル とアシスト車運転モデルを比較するために,平常車実験におけるクラスタリング結果を用 いて考察を行う.具体的には,平常車実験データのクラスタリング結果に基づいて各クラ スタ中心を算出しておき,それらとの距離を比較することにより,アシスト実験データの モードを決定する.つまり,平常車実験データのクラスタリングによって定義されたモー

図5.10〜図5.27,および表5.8,表5.10にその解析結果を示す.これらの結果から,減 速アシストの影響によりKdBが全体的に減少しMode A(赤点)の領域は狭まっている

が,Mode Aの滞在時間(データ点数)は多くなる場合もあることがわかる.これは,ア

シストシステムが働くことによって,より危険な領域は減少しているが,実験の慣れやア シストシステムの依存により危険モードの滞在時間が多くなる可能性があることを示して いる.

また,ω2を大きくすることにより,相対速度を0に近付けようとする加速アシストが より大きく掛かり,KdB-車間距離の図で見ると領域が中の方に集中していることが分か る.相対速度-ペダル操作量の図で見ても,ω2を大きくすることにより,中央に集中する 分布図となっているので,ドライバのペダル操作の負担が軽減していることが分かる.

さらに,アンケート調査により操作中の違和感や操作感などについて質問をしたとこ ろ,2名とも違和感はあまり感じない,運転に支障はないと答えたが,「アシストが働い ているのを感じることが出来るので,安心感が生じる」「アシストが強くかかるパターン (ω2を大きくしたパターン)の場合には,自分がペダル操作を行う前にアシストが掛かる ので,ペダルを操作することが少なくなった」などの回答も得た.しかしアシストの過信 は,特殊な状況が生じた際にドライバが対応出来ず危険となりうるので,出来るだけ避け ることが望ましい.対処法として,加速アシストを抑えるにはω2を小さくする,減速ア シストを抑えるにはω1を小さくする,危険度判断の閾値∆thを変更するなどが挙げられ るので,それらのパラメータを調整してアシストシステムを改善するべきである.

以上より,ドライバの特性を考慮に入れることで各ドライバに適したアシストシステム を構築し,より危険な領域を回避することが可能となったことが確認された.

0 20 40 60 80 100

−10

−5 0 5 10

Range

Range rate

5.10 パラメータ同定用データ の分布図 (E-1)(車間距離-相対速 )

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

5.11 パラメータ同定用データ の分布図 (E-1)(相対速度-ペダル 操作量)

0 20 40 60 80 100

−10

−8

−6

−4

−2 0 2 4 6 8 10

Range

Range rate

Mode A Mode B

5.12 ω2 = 0.05のアシスト車 データ分布図 (E-1)(車間距離- 対速度)

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

Mode A Mode B

5.13 ω2 = 0.05のアシスト車 データ分布図(E-1)(相対速度- ダル操作量)

0 20 40 60 80 100

−10

−8

−6

−4

−2 0 2 4 6 8 10

Range

Range rate

Mode A Mode B

5.14 ω2 = 0.5のアシスト車 データ分布図 (E-1)(車間距離- 対速度)

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

Mode A Mode B

5.15 ω2 = 0.5のアシスト車 データ分布図(E-1)(相対速度- ダル操作量)

5.8 危険モードのデータ点数(3042) Examinee 平常車 ω1= 0.05 ω1= 0.5

E-1 543 708 778

E-2 1387 1472 1191

5.9 KdB値の二乗平均平方根

Examinee 平常車 ω1= 0.05 ω1= 0.5

E-1 30.48 31.59 31.97

E-2 26.14 28.08 26.31

0 100 200 300 400 500 600

−100 0 100

KdB

0 100 200 300 400 500 600

0 50 100

Range

0 100 200 300 400 500 600

−10 0 10

Range rate

0 100 200 300 400 500 600

−5 0 5

Accel.

time[s]

5.16 パラメータ同定用データの時系列図(E-1)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 1 2

Assist Mode

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 50 100

Range

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 20 40

velocity

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−10

−5 0 5

Rangerate

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−4

−2 0 2

Accel.

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−1 0 1

Operation

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 0.5 1

+Assist

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−3

−2

−10

−Assist

step(*100[msec])

Mode A Mode B

5.17 ω2= 0.05のアシスト車データの時系列図(E-1)

5.10 相対速度の二乗平均平方根

Examinee 平常車 ω1= 0.05 ω1= 0.5

E-1 2.234 1.551 0.972

E-2 3.950 2.296 1.246

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 0

1 2

Assist Mode

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 50 100

Range

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 20 40

velocity

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−10

−5 0 5

Rangerate

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−4

−2 0 2

Accel.

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−1 0 1

Operation

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 0.5 1

+Assist

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−3

−2

−10

−Assist

step(*100[msec])

Mode A Mode B

5.18 ω2= 0.5のアシスト車データの時系列図(E-1)

0 20 40 60 80 100

−10

−5 0 5 10

Range

Range rate

5.19 パラメータ同定用データ の分布図 (E-2)(車間距離-相対速 )

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

5.20 パラメータ同定用データ の分布図(E-2)(相対速度-ペダル 操作量)

0 20 40 60 80 100

−10

−8

−6

−4

−2 0 2 4 6 8 10

Range

Range rate

Mode A Mode B

5.21 ω2 = 0.05のアシスト車 データ分布図 (E-2)(車間距離- 対速度)

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

Mode A Mode B

5.22 ω2 = 0.05のアシスト車 データ分布図 (E-2)(相対速度- ダル操作量)

0 20 40 60 80 100

−10

−8

−6

−4

−2 0 2 4 6 8 10

Range

Range rate

Mode A Mode B

5.23 ω2 = 0.5のアシスト車 データ分布図 (E-2)(車間距離- 対速度)

−10 −5 0 5 10

−1

−0.8

−0.6

−0.4

−0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Range rate

Pedal Operation

Mode A Mode B

5.24 ω2 = 0.5のアシスト車 データ分布図 (E-2)(相対速度- ダル操作量)

0 100 200 300 400 500 600

−100 0 100

KdB

0 100 200 300 400 500 600

0 200 400

Range

0 100 200 300 400 500 600

−20 0 20

Range rate

0 100 200 300 400 500 600

−5 0 5

Accel.

time[s]

5.25 パラメータ同定用データの時系列図(E-2)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 1 2

Assist Mode

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 50 100

Range

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 20 40

velocity

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−10

−5 0 5

Rangerate

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−4

−2 0 2

Accel.

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−1 0 1

Operation

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 0.5 1

+Assist

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−3

−2

−10

−Assist

step(*100[msec])

Mode A Mode B

5.26 ω2= 0.05のアシスト車データの時系列図(E-2)

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 0

1 2

Assist Mode

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 50 100

Range

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 20 40

velocity

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−10

−5 0 5

Rangerate

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−4

−2 0 2

Accel.

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−1 0 1

Operation

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

0 0.5 1

+Assist

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

−3

−2

−10

−Assist

step(*100[msec])

Mode A Mode B

5.27 ω2= 0.5のアシスト車データの時系列図(E-2)

結論

6.1 まとめ

本研究では個人の運転特性に適合した運転支援システムの実現に向けて,ハイブリッド システム理論にもとづいた運転行動解析およびそれを応用したアシストシステムの構築を 行った.今後の課題について以下に述べる.

PrARXモデルを用いたオンラインパラメータ推定法については,今回は人間の行動特

性は連続的に変化しているという仮定の下で逐次更新の手法を提案したが,急激な環境の 変化が発生した際には,行動特性は瞬間的に大きく変化すると考えられ,そういった状況 におけるモデルの逐次更新の手法を考える必要がある. また,逐次更新されるモデルを用 いて運転支援システムを構築したときに,運転者とアシストシステムがどのような相互作 用を及ぼし,その結果人間の運転行動モデルがどのような変化を示すかは未解明である.

今後はこのような運転者と支援器の相互作用による長期的な変化に関するより深い解析が 必要となると思われる.

また,今回は前方車追従行動のみを扱ったが,実際の自動車の運転ではさらに複雑な行 動が伴う.そのため,汎用性の高いアシストシステムを構築するには,より複雑なタスク を扱う運転行動モデルを構築する必要がある.

本研究を遂行するにあたり,名古屋大学の稲垣伸吉講師,三重大学の早川聡一郎准教授 には有益な助言を数多く頂いた.また,運転シミュレータの開発や実験遂行などの実質的 な作業においては名古屋大学の奥田裕之研究員,三上晃司氏,寺田亮太氏,松島寛樹氏,

伊神範光氏らの貢献が大きい.

最後に,本研究のために貴重な研究資金を御提供頂いたタカタ財団に深い感謝の意を表 する.

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[12] E.Bizzi and F.A.Mussa-Ivaldi. Toward a neurobiology of coordinate transforma-tions. InThe New Cognitigve Neurosciences, Second Edition Cambridge,MA, p.

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