0 500 1000 1500 2000
−0.04
−0.03
−0.02
−0.01 0
θ12
k
0 500 1000 1500 2000
0 0.05 0.1 0.15 0.2
θ11
0 500 1000 1500 2000
−0.1
−0.05 0 0.05 0.1
θ21
0 500 1000 1500 2000
−0.1
−0.05 0 0.05 0.1
k
θ22
(a) θ1 (b)θ2
0 500 1000 1500 2000
0 5 10
η11
0 500 1000 1500 2000
−5 0 5
k
η12
(c)η1
図3.6 逐次更新により推定されたパラメータの時間変化と真値との比較
図3.6に示された推定パラメータの様子から,正解パラメータの変化に対応したパラ メータ推定が行われていることが確認でき,図3.7で示されるように,実際の出力とほぼ相 違ない形で出力の推定が行われている.
0 500 1000 1500 2000
−0.02
−0.01 0 0.01 0.02 0.03 0.04
Output
k
True model Identified model
図3.7 出力信号の比較
表3.1 KdB導出に用いる変数一覧
Hp=前方車の車高 H=網膜に映る前方車の車高 Wp=前方車の車幅 W=網膜に映る前方車の車幅 Sp=前方車の背面積 S=網膜に映る前方車の背面積
D=車間距離 f=焦点距離
次に出力信号は以下で与える.
• y:自車加速度[m/s2]
ここで接近離間状態指標(以下KdB)とは,伊佐治ら[19]によって提案されたドライバ の状態推定を行うための指標であり,「ドライバは前方車との相対関係の変化を前方車の 視覚的面積変化として認識し加減速操作を行っている」という仮定で定義されている.具 体的にはドライバの網膜上に投影される前方車の見かけ上の面積の時間変化率を用いて,
以下のように導出される.まず変数の定義を表3.1に示す.
前方車に追従走行する場合を考えると,ドライバの網膜上に投影される前方車の見かけ 上の面積Sは式(3.41)で表現される.
W =Wp× f D, H =Hp× f
D,
S =W ×H=Wp×Hp×f2× 1 D2.
(3.41)
この時のドライバの網膜上に投影される前方車の見かけ上の面積の時間変化率は式(3.42) のようにあらわすことができ,これを前方車の面積の時間変化率Kとする.
dS
dt = d(W ×H)
dt ∝ d
dt( 1
D2) =− 2
D3 ×V r=:K (3.42)
図3.8 KdBのイメージ図
この前方車の面積の時間変化率Kは,たとえば車間距離D= 1∼100[m]の間で106の オーダで大きく変化する指標となるため,扱いやすいデシベル表示とする.自車の100[m]
前方に存在する相対速度V r = −0.1[km/h]で接近してくる前方車の面積の時間変化率 K0をドライバが面積変化に気づく事ができる最小検出限界と仮定し,このときの値を 0[dB]と定義する(式(3.43)).
V r=−0.1 3.6[m/s]
D= 100[m]
K0=− 2
D3 ×V r=− 2
1003 − ×(−0.1
3.6)'5×10−8 (3.43) つまり,前方車の面積の時間変化率K0= 5×10−8の時のデシベル値を0[dB]とし,式
(3.44)のようにあらわす指標をあらためて接近離間状態評価指標KdBとして定義する.
なお,接近離間状態評価指標は前方車が近づいてくるときを正の値,離れていくときを負 の値とした.
u1=
10×log10(−κ) if κ <−1
−10×log10(κ) if κ >1
0 if −1≤κ≤1
(3.44)
ただし,
κ= 2× Vr
D3 × 1
5×10−8 = 4×107× Vr
D3 (3.45)
である.
また,人間が入力情報を認知してペダルの操作するまでの遅れを1ステップ,ペダルの 操作の後に車両の加速度に反映されるまでの遅れを2ステップと仮定する.すると,前方
車追従行動はPWARXモデルとして以下のように表せる.
yk =
θ11u1,k−3+θ12u2,k−3+θ13u3,k−3+θ14yk−1 ifu∈U1
θ21u1,k−3+θ22u2,k−3+θ23u3,k−3+θ24yk−1 ifu∈U2
...
θi1u1,k−3+θi2u2,k−3+θi3u3,k−3+θi4yk−1 ifu∈Ui
...
θs1u1,k−3+θs2u2,k−3+θs3u3,k−3+θs4yk−1 ifu∈Us
(3.46)
また,PrARXモデルに関しても同様に表現可能である.
モード数sに関しては,一般にsが大きいほど精緻なモデルであるといえるが,同時に パラメータ推定のコストの増大,解釈の難しさ,および後述するアシストシステムにおけ る計算コストの増大を招く.この点を考慮し,本研究では2モードないし4モードのモデ ルを採用することとする.
モデル予測型アシストシステム
本章では,モデル予測型運転アシストシステムについて述べる.モデル予測型アシスト システムとは,モデル予測制御のコンセプトにもとづき,運転行動モデルから予測される 運転者の将来の運転行動に対して最適なアシストをリアルタイムで計算するシステムであ る.個々の運転者のデータをもとに運転行動モデルを同定することで,個人に適合したア シストが実現される.
はじめに5.3.2においてモデル予測型アシストシステムの全体像を示す.
次に4.2節において,モデル予測制御の各制御周期で計算するアシスト量最適化問題を 定式化する.
4.3節では,モード分割された人間の運転行動モデルをMLDSで表現する手法につい て説明する.
4.4節では非線形関数であるKdBの線形化について述べる.
4.5節では,MILPの制約条件として用いる,自車モデルおよび前方車モデルについて 説明する.
4.6節では,アシストを加える条件およびアシストの線形不等式表現を説明する.