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第 3 章 全節巻 SRM の高出力駆動

3.5 実機検証

3.5.2 実測結果

図3-24に駆動条件207Nm,2500 rpmの時の電流の実測波形を示す.全節巻SRM の実測における励磁開始角,および通電幅は,表3-3のシミュレーション結果と同一条 件としている.励磁開始角は理想励磁開始角に対して75 deg.とした.通電幅は 220

deg.としている.この時の実測平均トルクは,207.3 Nmであった.相電流実効値の実

測値は184.1 Armsであった.図3-25に駆動条件144Nm,4000 rpmの時の電流の実 測波形を示す.実機の励磁角として,励磁開始角は理想励磁開始角に対して75 deg.

としており,通電幅は200 deg.とした.実測した電流波形は,図3-19に示す同条件の 電流波形の解析値と同様の傾向となることが確認できる.この時の実測平均トルクは,

145.2 Nm,相電流実効値の実測値は159.6 Armsであった.駆動条件144 Nm,4000 rpm の時の実測電流値は,基底回転数における最大トルク時の実測電流値184.1 Armsに対

して13.3 %小さいことが確認できる.図 3-26にさらに高速領域の駆動条件である42

Nm,10000 rpmの時の電流の実測波形を示す.実機の励磁角として,励磁開始角は理

想励磁角に対して95 deg.としており,通電幅は185 deg.とした.実測した電流波形 は,図3-21に示す同条件の電流波形の解析値と同様の傾向となることが確認できる.

この時の実測平均トルクは,42.1 Nmであった.相電流実効値の実測値は107.3 Arms

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であった.駆動条件42 Nm,10000 rpmの時の実測電流値は,基底回転数における最 大トルク時の実測電流値184.1 Armsに対して41.8 %小さいことが確認できる.他の駆 動条件についても表3-3のシミュレーション結果に示す励磁角条件にて実測を行う.表 3-4に第3章第4節までに導出した全節巻SRMの制御法に基づいて実測した励磁角条 件と実測電流値を示す.実測した各駆動点における電流値は,基底回転数である 2500 rpmの時の相電流実測値184.1 Arms以下となっていることが確認できる.図3-27に 量産ハイブリッド車両のトルク特性条件下での相電流の解析値と実測値をそれぞれ示 す.解析値,実測値ともに基底回転数である2500 rpmにおける相電流値に対して,基 底回転数を超える各駆動点における相電流値が小さくなっていることが確認できる.し たがって,全節巻SRMにおいて,基底回転数以上の高速駆動領域における相電流を増 加させずにトルク向上が可能であることが確認された.

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Fig.3-24 Measured current waveform by narrow excitation width 220 deg.

(207 Nm,2500 rpm)

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Fig.3-25 Measured current waveform by narrow excitation width 200 deg.

(144 Nm,4000 rpm)

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Fig.3-26 Measured current waveform by narrow excitation width 185 deg.

(42 Nm,10000 rpm)

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Fig.3-27 Verification of current reduction effect by narrow excitation width

Table.3-4 Phase current comparison in the narrow excitation width (Simulation and Measurement)

Request spec. Current control Simulation Measurement Speed

[rpm]

Torque [Nm]

ON-angle [deg.]

ON-width [deg.]

Current [Arms]

Current [Arms]

1000 207 -45 240 147.4 155.7

2000 207 -70 240 159.7 172.1

2500 207 -75 220 169.5 184.1

3000 190 -75 210 165.3 181.5

4000 144 -75 200 143.4 159.6

6000 82 -80 200 110.3 123.2

8000 56 -90 185 99.0 111.6

10000 42 -95 185 92.3 107.3

12000 32 -95 185 86.9 105.5

14000 27 -100 185 85.5 111.9

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3.6 全節巻 SRM の高速駆動領域における出力向上

前節までに全節巻SRMの高速駆動領域において,通電幅の狭小化による相電流の低 減効果について明らかにした.第1章第4節第2項で述べたように,本研究ではEVを 対象とした駆動用モータへの全節巻SRMの適用を想定している.EV駆動用モータは,

図1-9に示すような低速駆動時の最大トルク,および高速駆動時の一定出力特性が求め られる.本節では,全節巻SRMの高速駆動領域における相電流の低減効果を活用した 出力向上効果について検討する.一般的に量産車両においてモータを駆動するための出 力電流は,機器の発熱等による故障を防ぐため搭載されるインバータの素子容量によっ て制限値を有する.本検討において入力電流の最大値は,量産ハイブリッド車用モータ の最大入力電流値 170 Arms を制限値としてその出力特性をシミュレーションにより 試算する.シミュレーションは,前節までの検討で使用した株式会社JSOL製の電磁界 解析ソフトJMAG Designerを用いた.検討対象のモータは,第3章第2節で述べた量 産ハイブリッド車両用モータで,最大出力は60kWである.表3-5に全節巻SRM駆動 時の通電幅を240 deg.とした時の駆動特性のシミュレーション結果を示す.シミュレー ション上で全節巻SRMの励磁角は,発生する平均トルクに対して相電流値が最小とな るように励磁角,およびヒステリシス制御における電流振幅の指令値を調整した.励磁 角の調整は電気角で5 deg.刻みで行った.最大電流170 Arms条件下における高速駆動 時の出力は50 kW近傍であることが確認できる.表3-6に通電幅の狭小化による全節 巻SRMの駆動特性のシミュレーション結果を示す.高速駆動時における通電幅の狭小 化により,最大電流170 Arms条件下における高速駆動時の出力は75 kW近傍である ことが確認できる.図3-28に最大電流170 Arms条件下における全節巻SRMの回転 数‐トルク特性のシミュレーション比較結果を示す.図3-29に最大電流170 Arms条 件下における全節巻SRMの回転数‐出力特性のシミュレーション比較結果を示す.提 案する通電幅を狭めた駆動法により電流制限下における全節巻SRMの高速駆動時の出 力向上を確認できる.以上より全節巻SRMをEV駆動用モータとして想定した時に必 要となる低速駆動時の最大トルク,および高速駆動時の最高出力について,IPMSMの 最大トルク207 Nm,最高出力60 kW以上を確保することが可能である.すなわち,

レアアースを用いない全節巻SRMを自動車駆動用モータとしての活用が期待できる.

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Table.3-5 Simulation results at each driving point with excitation width 240 deg.

Speed [rpm]

Torque [Nm]

Power [kW]

Current [Arms]

ON-angle [deg.]

ON-width [deg.]

1000 227.2 23.8 169.6 55 240

2000 215.0 45.0 169.8 70 240

2500 196.8 51.5 164.6 80 240

3000 172.2 54.1 169.7 95 240

4000 123.6 51.8 167.7 110 240

6000 80.0 50.3 169.4 120 240

8000 59.7 50.0 168.8 120 240

10000 46.5 48.7 164.7 120 240

12000 40.5 50.9 166.6 120 240

14000 35.1 51.5 168.3 120 240

Table3-6 Simulation results at each driving point with narrow excitation width

Speed [rpm]

Torque [Nm]

Power [kW]

Current [Arms]

ON-angle [deg.]

ON-width [deg.]

1000 227.2 23.8 169.6 55 240

2000 215.0 45.0 169.8 70 240

2500 207.4 54.3 169.5 75 220

3000 193.8 60.9 169.3 75 210

4000 165.6 69.4 169.4 80 195

6000 119.2 74.9 169.2 85 185

8000 90.5 75.8 167.4 90 185

10000 71.6 75.0 166.1 100 185

12000 59.9 75.3 169.8 105 185

14000 52.0 76.2 168.6 105 185

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Fig.3-28 Full pitch SRM torque simulation results at maximum current 170 Arms

Fig.3-29 Full pitch SRM power simulation results at maximum current 170 Arms

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