Fig. 20 Estimated spectral data -1.0 0E+ 03
0 .00 E+0 0 1.00 E+0 3 2 .00 E+0 3 3 .00 E+0 3 4 .00 E+0 3 5 .00 E+0 3 6 .00 E+0 3 7 .00 E+0 3 8 .00 E+0 3
0 5 10 15 2 0
bandnu mber
count
CASI data
Optimal
52
Fig. 21 Estimated tree parameters
(a) Original CASI Image (b) Estimate crown closure (c) GIS data
(a) Original CASI Image R: Band1
G: Band5 B: Band14
(b) Estimate crown closure
Black: nonproductive or border pixels Magenta: 55%<CC<=80%
Sea Green: 80%<CC
(c) GIS data
Black: nonproductive or border pixels Magenta: 55%<CC<=80%
Sea Green: 80%<CC
樹冠率は樹木間隔と樹冠半径の 2 つのパラメータで決定される。まず今回は樹冠半径を一 定として樹木間隔を変えてシミュレーションし、画像を作成した。この結果を基に、逆に 実画像から樹木間隔を求めて樹冠率を推定した(Fig 21(b))。一方樹木間隔を一定として樹 冠半径のみを変化させてシミュレーション画像を作成したが、樹冠半径を変化させても作 成したシミュレーション画像にあまり有意な変化が見られなかった。このため樹木間隔を 一定として樹冠半径のみを変化させて実画像に一致するよう樹冠半径、さらに樹冠率を求 めるのは困難であった。このため今回は求める樹木パラメータを樹間距離の一つに限定し、
樹冠半径は一定とした。
このモデルを用いて推定した樹冠率マップ(Fig. 21(b))は,とくに樹木のあるところにの み有効な樹木間隔の解が得られる良い結果がでている。但し入手した画像に対する GIS デ ータが樹冠率として 2 クラスにしか分類されておらず,推定した樹木間隔・樹冠率の数値 を定量的に評価するにはさらに詳細な検討を要する。
なお本モデルに基づく手法と比較するため、従来標準的に行われてきた統計的手法による 樹冠率の推定結果を示して、本手法の有効性を示す。リモートセンシングの分野で良く行 われている統計的手法としては、最尤法による教師付き分類手法がある。これは樹冠率が 既知の場所のリモートセンシング画像の統計情報を教師(トレーニングデータ)とし、樹 冠率が未知の箇所の画像の統計的特性がどのトレーニングデータの統計情報と最も良く一 致するかを判定して推定する方法である。この手法は広く使われているものの、トレーニ ングデータの選定により推定結果が変化するという問題がある。実際今回開発した手法で 樹冠率を求めた同一箇所を最尤法で樹冠率を求めた例を Fig.22 に示す。この図は同一箇所 に対して異なった位置をトレーニングデータとして採用した結果、全く異なった解が得ら れていることを示している(Fig. 22 (a), (b))。なおここで、トレーニングデータとして は Fig.21(c)の GIS データから同じクラスに属する異なった箇所を採用した(Fig. 22 (c), (d))。これに対して今回開発した手法では、トレーニングデータ選定の恣意性が無く、だ れでも容易に推定できる。
54 (a) Estimated result –case1 (b) Estimated result –case2
(c) Training data for case1 (d) Training data for case2
Fig. 22 Estimated tree parameters by most-likelihood method
第6章 リモートセンシングによる森林モニタの実用化に向けて 6.1 リモートセンシングの実用化
前章までで検討したレイトレーシングモデルに基づくリモートセンシングによる森林モニ タを実用化させるには、どうすればよいだろうか。工学の一部門として、リモートセンシ ングという技術はあくまでも実学であり、現実世界のなかで使われなければ意味がない。
リモートセンシングは計測のためのツールとして、その理論的な手法検討とともに現実世 界のなかでいかに使われるようにするのかという検討も重要である。20年以上にわたるリ モートセンシング実務を経験した者として過去の経験や類似技術を元に、前章までに提案 したリモートセンシング手法を実用化させるための方策について検討する。なおリモート センシングの実用化・産業化については、日本リモートセンシング学会衛星データ利用産 業創成研究会などリモートセンシング業界でも検討が進んでいる18)。
まずリモートセンシングの「実用化」という定義について考察する。実用化という用語は 産業化・ビジネス化という表現とは異なり、リモートセンシング業務の主体が民間であろ うが、官公庁であろうがを問わないものとする。リモートセンシングの実用化とは、ある 業務のため予算が確保されてリモートセンシング技術が継続的に使用されることと定義す る。対象とする業務としては、リモートセンシング技術を用いてモニタ・解析したい目的 業務をさし、複数の業務をまとめてひとつの衛星などリモートセンシング技術に必要なリ ソースを共有する事もあり得る。業務のための予算とは、その業務のためにリモートセン シング技術を適用するのに必要なリソースを確保するのに充分な予算をいう。すなわちそ の業務のための衛星等リソースに要する費用に充当し、他者からの補填なしに業務を遂行 するに必要なリソースを確保する予算といえる。例えばある業務のための衛星を保有する 予算、またはまたは民間商業衛星が市販するデータを継続して購入するための予算がある 業務のための予算といえる。一方対象業務のための予算・補助金ではなく、リモートセン シング技術振興のための予算・補助金によるプロジェクトは、いくら継続的に運用されて も業務のための予算とはいえず実用化されているとはいえない。
リモートセンシングの実用化を以上のように定義すると、この定義にあてはまる実用化さ れたリモートセンシング技術の実例の代表的なものには以下の事例がある。
・ ナショナルセキュリティ確保のための情報収集衛星による国土モニタ
・ RADARSATによる北極海海氷モニタ(カナダ国)
これらの例では民間のビジネスとしてではないが、国家がその業務にリモートセンシング 技術を適用する価値を認め、そのためにプロジェクトを遂行するに必要な費用を継続して 支出している。
以上をまとめると、実用化されたリモートセンシングプロジェクトとは、業務の受益者が リモートセンシング技術で得られる情報の付加価値を認識し、得られる付加価値情報の対 価としてリモートセンシング技術を遂行するに必要な費用を支出するプロジェクトである。
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人工衛星を始め、リモートセンシングを遂行するには莫大な費用を要する。この莫大な費 用を上回る付加価値情報が得られれば、当該情報の消費者は費用を喜んで支払う。
リモートセンシングを用いた森林モニタは、ここでの定義によると未だ実用化されている とは言えない。宇宙開発事業団の委託業務によりリモート・センシング技術センター
(RESTEC)が設置した衛星リモートセンシング推進委員会(注1)林業ワーキンググループ
のアンケート結果(注 2)によると、回答機関のうち、衛星データを利用していると答え
た機関が9%、利用したことがあるが16%、計25%の機関しか衛星データを利用していな
い。またこのアンケートでは、衛星データを使用したとしてもその費用がどの予算から支 出されたかについての記述がない。この衛星データ使用プロジェクトの費用(この場合は 衛星データ購入費用、解析費用)が林業目的の予算または林業のための補助金(例えば林 業の情報化促進等)から出ているものであれば、この衛星データを用いたプロジェクトは 実用化されたリモートセンシングプロジェクトといえる。しかしリモートセンシング振興 のためといった名目で予算が確保されていたり、無償もしくは市販価格に比べて安いデー タが提供されていたならば、実用化されたリモートセンシングプロジェクトとはいえない。
25%の衛星データの使用経験がある機関のかなりのプロジェクトがNASDA等の補助金・
支援によると思われ、日本のリモートセンシング森林モニタは現時点では実用化されてい るとはいえない。
(注1)衛星リモートセンシング推進委員会
『衛星リモートセンシング推進委員会は、宇宙開発事業団(NASDA)からの衛星データ 利用促進関連の委託業務を実施するにあたり(財)リモート・センシング技術センター
(RESTEC)内に設置された組織で、平成9年度に設立されました。その目的は、地球観 測衛星によるリモートセンシング技術及び衛星システムの研究・開発の検討並びに、これ らによる衛星データの普及・利用に係わる推進方策に関する企画・立案及び調整に資する ため、専門的な調査検討を行うことであります。
衛星リモートセンシング推進委員会では、先に述べた活動の進め方が各分野によって異な るため、分野別分科会(ワーキンググループ:WG)を設け活動の主体を各WGに依存さ せております。平成14年度は、農業WG、林業WG、水産WG、防災利用WG、環境W G、空間データWG、地質・資源WG、そして、ALOS 利用推進チームの8つ分野別分科 会に加え、更にアドホックチームとして災害モニタチームで構成されます。』(以上 RESTECホームページ より。http://www.restec.or.jp/eeoc/index.htm)
(注2)
このアンケートは衛星リモートセンシング推進委員会森林ワーキンググループが実施した もので、http://www.restec.or.jp/eeoc/seika1.htmに示されている。このアンケートの趣旨、
実施内容は以下のように述べられている。
『平成14年8月に実施し、林業Web「衛星情報による森林の分類」の内容や、今後どの ようにWebを改良していくかを把握するために行ったものです。アンケートの実施先は各