第4章 前縁に曲率を有する角柱の静的空気力および定常圧力特性
4.2.3 定常圧力測定結果および考察
静的空気力係数と同様に無次元化し,次のように圧力係数 Cp,として表記する.ま た,平均値成分と変動成分に対しても,平均圧力係数Cpm,変動圧力係数Cprmsとして 示す.
2
2
1 V
CP pi ρ
= ,
2
2 1 1
V n p C
i
Pm ρ
=
∑
,2 2 rms
2 1 1
V n p C
i
P ρ
∑
′= (4.11)
表4-4 平均圧力分布パターンの分類
風速V R/B=0 R/B=0.05 R/B=0.1 R/B=0.2 R/B=0.3 R/B=0.4 R/B=0.5
1.25m/s ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
1.88 m/s ■ ■ ■ ■ △ △ △
2.50 m/s ■ ■ ■ ■ ○ ○ ○
3.75 m/s ■ ■ ■ ■ ○ ○ ○
5.00 m/s ■ ■ ■ ■ ○ ○ ○
7.50 m/s ■ ■ ■ ■ ○ ○ ○
10.0 m/s ■ ■ ■ △ ○ ○ ○
■ :パターンⅠ;側面でほぼ平坦な分布
△:パターンⅡ;パターンⅠとⅢの中間,遷移領域
○ :パターンⅢ;前縁部で圧力低下,側面後方で再付着
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
V=1.25m/s V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean P re ssu re Coef ficient
A
B C D E
A B C D E
(a) R/B=0
図4-12 風速による平均圧力係数分布の変化
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
V=1.25m/s V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean Pr e ss ure Coeffici ent
A
B C D E
A B C D E
(b) R/B=0.1
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
V=1.25m/s V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean Pr e ss ure Coefficient
A
B C D E
A B C D E
(c) R/B=0.2
図4-12 風速による平均圧力係数分布の変化(続き)
-2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0
V=1.25m/s V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean P re ss ure Coefficient
A
B C D E
A B C D E
(d) R/B=0.3
-2.0 -1.0 0.0 1.0
2.0 V=1.25m/s
V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean Pr e ss ure C o efficient
AB C D E
A B C D E
(e) R/B=0.4
図4-12 風速による平均圧力係数分布の変化(続き)
-2.0 -1.0 0.0 1.0
2.0 V=1.25m/s
V=1.88m/s V=2.50m/s V=3.75m/s V=5.00m/s V=7.50m/s V=10.0m/s
Mean Pr e ss ure Coeffici ent
A
B C D E
A B C D E
(f) R/B=0.5
図4-12 風速による平均圧力係数分布の変化(続き)
次に,風速 V=10.0m/s における平均圧力係数および変動圧力係数の分布を図 4-13,
4-14に示す.表4-4のパターンⅠに分類されるR/B≦0.1では,前面の圧力にR/Bによ る変化はほとんどないが,R/Bが大きいほど側面および背面の負圧および変動圧力係数 が共に低下する.パターンⅢに分類される R/B≧0.3 では,R/B による変化は前縁の曲 率部に強く表れるものの,背面の圧力はR/Bにはほとんど関与せず,変動圧力係数はほ とんど変化がない.パターンⅡに分類されるR/B=0.2は平均圧力係数の分布はパターン
Ⅲに,変動圧力係数の分布はパターンⅠに近い分布となっている.
V≧2.5m/sにおける表面圧力を周波数解析することによって得られたストローハル数
を図4-15に示す.ここでR/B=0.15とR/B=0.25に示した値は,第 6章の圧力測定結果 を用いている.R/Bの増加によって,R/B≦0.15ではストローハル数は微増しているが,
R/B=0.2前後でその値が顕著に変化し,R/B≧0.25ではR/B=0の約2倍のストローハル
数となっている.つまり,R/B≦0.15では正方形角柱に近い流れ特性を有しているが,
R/B≧0.25 では前縁隅角部の曲率半径の影響が流れ特性に強く表れるといえる.また
R/B=0.2については,測定した全風速域で表面圧力に卓越する周波数成分がなく,スト
ローハル数が特定できなかったため図中に示していない.
R/B=0.2 を境にして起こり,矩形断面の臨界断面比 B/D≒2.8 での変化と同様な現象,
すなわち,ストローハル数のジャンプと完全剥離型圧力分布から再付着型圧力分布への 変化が起こっている.このことから,R/B=0.2は表面剥離現象の臨界形状であると言え る.
-2.0 -1.0 0.0
1.0 R/B=0
R/B=0.05 R/B=0.1 R/B=0.2 R/B=0.3 R/B=0.4 R/B=0.5
Me an Pr essu re C o effic ie nt
A
B C D E
A B C D E
図4-13 平均圧力係数分布(V=10.0m/s)
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8
1.0 R/B=0
R/B=0.05 R/B=0.1 R/B=0.2 R/B=0.3 R/B=0.4 R/B=0.5
F luct ua ti ng P ress ur e C oef fi ci ent
A B C D E
A
B C D E
図4-14 変動圧力係数分布(V=10.0m/s)
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
Str o uhal Number
R/B
図4-15 R/Bによるストローハル数の変化
4.3 数値流体解析による検討
前節の定常圧力測定の結果からR/B=0.2では,矩形断面の臨界断面比B/D≒2.8と同 様な変化,すなわち,ストローハル数のジャンプと完全剥離型圧力分布から再付着型圧 力分布への変化という現象が起こっていることが確認された.本節では,まず,二次元 数値流体解析結果を用いて周辺流れの可視化を行い,周辺流れの変化について検討する.
その後,三次元解析結果も含めて数値流体解析の精度について考察を加える.