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安全性(使用上の注意等)に関する項目

2. 禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

1. 本剤の投与によりショックを起こしたことのある患者 2. 重症の気管支喘息患者

〔本剤の投与により喘息発作を誘発するおそれがある。〕

3. 悪性腫瘍、又は免疫系に影響を及ぼす全身性疾患(例えば自己免疫疾患、免疫複合体疾患、又は 免疫不全症等)

〔免疫系に異常がある場合、本剤の有効性、安全性に影響を与えるおそれがある。また本剤の投与 によりこれらの疾患に影響を与えるおそれがある。〕

(解説)

1. 本剤でショックを起こした患者に、再度本剤を投与した場合、ショックを起こすおそれがあるた め設定した。

2. 本剤の投与によりアレルギー反応が惹起された場合、喘息発作を誘発するおそれがあるため設定 した。

3. 免疫系に異常がある場合、本剤の有効性、安全性への影響が、また本剤の投与により、これらの 疾患への影響が懸念されるため設定した。

3. 効能又は効果に関連する使用上の注意とその理由

[「Ⅴ.1.(2)効能又は効果に関連する使用上の注意」の項]参照

4. 用法及び用量に関連する使用上の注意とその理由

[「Ⅴ.2.(3)用法及び用量に関連する使用上の注意」の項]参照

5. 慎重投与内容とその理由

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1) 本剤の投与、又はアレルゲンエキスによる診断・治療、あるいはスギ花粉を含む食品の摂取等 によりアレルギー症状を発現したことのある患者〔本剤の投与によりアレルギー反応に基づく 副作用を起こすおそれがある。〕

(解説)

本剤の投与でショックを起こした患者は「禁忌」としたが、本剤またはアレルゲンエキスによる診 断・治療、あるいはスギ花粉を含む食品の摂取21)等によりアレルギー症状を発現したことのある患 者においても注意が必要であることから「慎重投与」とした。

<参考>

2007年(平成19 年)2月、花粉症対策商品として販売されていたスギ花粉加工食品のカプセル を飲んだ女性が、アナフィラキシーショックで一時意識不明の重体になった。これを受け、同年

は、花粉症の治療または予防のために減感作療法に使用する医薬品として判断され、薬事法注)に 抵触するとして販売を禁止した。また、微量のスギ花粉を含む食品についても、スギ花粉が入っ ていることを明記した上で、「スギ花粉症の方は、重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性があ るため注意すること」との注意喚起の表示を行うこととの通知21)が出された。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/04/h0419-3.html

注)現 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 関連情報

平成19年2月26日 厚生労働省医薬食品局食品安全部「都道府県等から報告されたいわゆる健 康食品に係る健康被害事例について(お知らせ)」

https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pdf/sugi070227.pdf

(2) 気管支喘息患者〔本剤の投与により喘息発作を誘発するおそれがある。〕

(解説)

重症の気管支喘息患者については「禁忌」としたが、一般の気管支喘息患者においても注意が必要 であることから「慎重投与」とした。

6. 重要な基本的注意とその理由及び処置方法

(1) 本剤の投与により、アレルギー反応に基づく副作用、特にアナフィラキシー等の発現のおそれ があること、また発現した際の対処法について患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で 使用を開始すること。

初回投与時は、患者の状態を十分に観察し、その後も問診等により患者の状態を十分に把握し、

顔面腫脹、咽喉刺激感、口腔浮腫、発声障害、蕁麻疹、中毒性皮疹等の異常が認められた場合 には、本剤投与の継続を慎重に判断し、症状に応じて休薬又は投与を中止するなど適切な処置 を行うこと。

(解説)

本剤の臨床試験においてショック等の重篤なアレルギー反応の報告はないが、本剤がスギ花粉由来 のアレルゲンを含む液であり、また本剤と同一成分の皮下注射用の既存製剤においてショック等の 報告があることから、本剤においてもショック等の重篤なアレルギー反応を誘発する潜在的リスク がある。

このため、本剤投与の際、アレルギー反応が誘発(特にショックの発現)するおそれがあることか ら、その副作用及び対処方法について患者に十分な説明を行い、理解を得た上で投与を開始するよ う設定した。

さらに初回投与時は、患者の状態を十分に観察すること。また、その後も問診等により患者の状態 を十分に把握し、特に本剤の臨床試験で投与中止又は休薬となった副作用(顔面腫脹、咽喉刺激感、

口腔浮腫、発声障害、蕁麻疹、中毒性皮疹)等の異常が認められた場合には、症状に応じて休薬又 は投与を中止するなど適切な処置を行うよう設定した。

なお、本剤の臨床試験において副作用のため投与中止、又は休薬となった症例は下記のとおりであ る。

<参考>

1. 本剤の臨床試験において副作用のため投与中止、又は休薬となった症例一覧 投与状況 副作用

重症度 件 数

齢 性別 発現時期 (投与後)

休薬

期間 転帰 基本語 下層語

投与中止 中毒性皮疹 中毒疹 中等度 1 40歳代 女性 423日 ― 回復 休薬 発声障害 嗄声 中等度 1

40歳代 女性 144日 3日 回復 休薬 咽喉刺激感 咽頭そう痒感 中等度 1

休薬 顔面腫脹 顔面腫脹 軽度 1 40歳代 女性 40日 5日 回復

休薬 口腔浮腫 口腔浮腫 軽度 1 30歳代 女性 43日 2日 回復 休薬 口腔腫脹 軽度 1 30歳代 男性 23日 8日 回復 休薬 蕁麻疹 蕁麻疹 軽度 1 30歳代 男性 37日 1日 回復

計 7

MedDRA/J Ver.13.0

2. 中等度の副作用を発現した症例一覧 (1)中毒性皮疹

患者

性・年齢 副作用名 経過及び処置

女性 40歳代 中毒疹 投与423日

午前中 掻爬性湿疹を伴う全身の発疹、そう痒出現。

同日皮膚科受診し、内服薬を処方される。(内服 薬名は不明)

副作用発現6日目

皮膚科再診、症状は軽快、発疹は大腿部に軽度残るのみ となった。

副作用発現13日目

発疹、そう痒はほぼ消失。

副作用発現14日目

皮膚科再診、症状悪化なければ以降再診不要となる。

副作用発現23日目 消失し、終了とした。

治療薬:不明、転帰:回復(投与446日)、投与中止(投与中止日不明)

(2)咽喉刺激感(咽頭そう痒)、発声障害(嗄声)

患者

性・年齢 副作用名 経過及び処置

女性 40歳代 (軽度の舌下腫脹)

鼻 ・ 咽 頭 そ う 痒 感、嗄声

(投与22日)

軽度の舌下腫脹発現したが継続投与(発現後 1 日目に 回復)。

投与144日

09:00 本剤を服薬し、服薬10 分後に入浴したところ、

鼻・咽頭そう痒感及び咽頭違和感が出現(入浴 2-3分後に出現し、5分後に消失)。その後、嗄声 も自覚した。呼吸困難等は認めず。

10:10 声が出ないため、被験者の家族より連絡(電話)

があり、状況を確認。

入浴に伴い血行が良くなり、治験薬の吸収が促進 されたことによるアレルギー反応の可能性が考 えられた。

花粉症症状に対して処方していたフェキソフェ ナジン塩酸塩錠60mgの内服を指示

10:50 フェキソフェナジン塩酸塩錠60mgを内服。

14:00 症状が消失。念のため、睡眠前にフェキソフェナ ジン塩酸塩錠60mgの追加内服を指示。

23:00 フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg内服。

次回来院時に詳細確認がとれるまで休薬とした(休薬期 間:3日間)。

その後試験を再開したが副作用は発現しなかった。

治療薬:フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg、転帰:回復(投与144日)、投与再開

(2) 本剤服用後30分、投与開始初期、スギ花粉飛散時期はアナフィラキシー等の発現に特に注意す るよう患者等に指導すること。

(解説)

①本剤服用後30分:一般にI型のアレルギー反応は30分以内に発現する

②投与開始初期:本剤の投与開始初期(およそ1ヵ月以内)に副作用の発現が多い

③スギ花粉飛散時期:患者のスギ花粉抗原に対する過敏性が高まっている可能性がある

以上のことから、特にこのような状況に置けるアナフィラキシー等の発現に注意するよう患者等に 指導することを設定した。

(3) 本剤を服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避けるよう患者等 に指導すること。〔循環動態の亢進により、本剤の吸収が促進され、副作用が発現するおそれが ある。〕

(解説)

本剤の臨床試験において、本剤服用後に入浴し中等度の副作用を発現した症例が1例報告されてお り、入浴により本剤の吸収が促進したことによると考えられている。

このため、入浴と同様に循環動態を亢進することが想定される激しい運動、アルコール摂取等は、

本剤服用前後2時間程度は行わないこととして設定した。

なお2時間と設定した根拠は、「食物アレルギーの診療の手引き2011」22)を参考とした。

P35 副作用が中等度の症例について(2) 咽喉刺激感(咽頭そう痒)、発声障害(嗄声)参照

(4) アナフィラキシー等が発現した場合の対処等を考慮し、家族のいる場所や日中の服用が望まし いことを患者等に指導すること。

(解説)

本剤はスギ花粉由来のアレルゲンを含む液であり、本剤を服用した際、アレルギー反応が誘発(特 にショックの発現)するおそれがあるため、その対処等を考慮した場合、家族がいる場所や日中の 服用が望ましいことから、患者に指導することを設定した。

(5) 喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいときは、本剤服用の可否について医師に相談するよう 患者等に指導すること。

(解説)

喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいときに本剤を服用した場合、喘息症状が悪化するおそれが あることから設定した。

(6) 急性感染症罹患時や体調が悪い場合は、本剤服用の可否について医師に相談するよう患者等に 指導すること。〔体調が悪いときには本剤の服用により副作用の発現のおそれがある。特に急性 感染症罹患時には喘息症状を発現するおそれがある。〕

(解説)

急性感染症罹患時や体調が悪いときは、本剤服用により副作用発現のおそれが高まると考えられる ことから、患者にこのような場合「医師に相談する」よう設定した。

(7) 本剤の投与開始初期(およそ1ヵ月)に副作用の発現(主に口腔内の症状)が多い。特に維持 期開始初期に口腔内の腫脹が多く発現しているので、症状の発現に注意すること。

(解説)

本剤の臨床試験(投与期間:約1年半)で発現した副作用52件中、投与開始後2週間(増量期)

以内に21件(40.4%:21/52)、また投与開始後およそ1ヵ月以内に36件(69.2%:36件/52件)

と、投与開始初期に副作用の発現が多く認められている。また投与初期に認められた副作用が主に 口腔内の症状であったことから、投与開始初期(およそ1ヵ月)における注意喚起として設定した。

さらに本剤で認められている口腔内の腫脹(口腔内腫脹、舌下腫脹)の副作用9例は、いずれも維 持期開始初期(本剤投与開始3~4週目)に発現していることから特に注意喚起した。

なお口腔内の腫脹は、臨床試験のプラセボ投与群では認められていない(P24表 プラセボ対照二 重盲検比較試験における本剤及びプラセボの副作用一覧 参照)。このため本剤の有効成分に起因す る副作用(アレルギー反応)の可能性があるので十分注意すること。

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