第1節 大学における学生の受け入れ 1 学生募集方法、入学者選抜方法 現状
学生募集の方法については、次年度の入学者受入れ方針、選抜方法の種類、選抜法ごとの募集人員・
試験科目と配点・試験期日等、入試に関わる主要事項をとりまとめた「入学者選抜要項」を毎年7月 に発表するとともに、本学のホームページに掲載している。同時に、受験生向けに本学の概要を記し たガイドブックを発送している。そして8月上旬、受験希望者とその父母を対象にオープンキャンパ スと称する入試説明会を実施している。
一方、高校向けには、高校長協会(福井県内のすべての高校と一部石川県の高校が加盟)との懇談 会及び県内高校の進路担当教員に対する入試説明会をほぼ同時期に開催している。9月に入ると、入 試担当の事務職員と教員(原則として3学部の)が帯同して、県下のすべての高校と一部県外高校を 訪問して入試説明を行うとともに、本学の受験希望者に本学の概要・特色を記したパンフレットと資 料請求用はがきをダイレクトメールで送付している。また、受験雑誌(3誌)に本学の入試情報を掲 載するよう配慮している。
「推薦入試」、「特別選抜」、「一般選抜」の3種の入試を実施している。
①推薦入試とその位置付け
推薦入試は、進学先を本学に絞り、しかも高校での成績が優秀な、原則として福井県内の受験生に のみ門戸を開くものである。特徴は、大学入試センター試験を課さないところにある。
定員の20%に当たる入学者を、必要な受験資格を充たす福井県内高校の卒業予定者(現役)で、
当該高校長の推薦を得た者の中から選抜する。原則的にはその半分を出身学科を指定しない推薦入学 に、残りの半分を出身学科を指定する推薦入学に当てる。出身学科を指定する枠を設けているのは、
進学意欲の高い優秀な職業系高校・学科の卒業予定者に大学進学の道を開くためである。海洋生物資 源学科は、出身学科を指定する推薦入学を県外高校にも認めている。これは、海洋生物資源学科が日 本海側唯一のこの領域の学科であり、県外の海洋・水産系高校の出身者に大学進学の機会を提供する 必要があると判断するからである。
選抜試験は、小論文と面接のみであり、これらの成績と調査書・自己推薦書の内容を総合して、合 否が判定される。選抜試験は本学の福井キャンパスで実施される。
②特別選抜とその位置付け
特別選抜には、帰国子女、中国引揚者等子女、社会人、私費外国人留学生の4つの枠を設けている。
これら特別選抜の対象者は、推薦入試や一般選抜試験を受験するにはハンデを背負っているので、そ の救済のため、別枠の入試を実施するものである。センター試験は課さない。
この特別選抜を受験するには、それぞれの対象者に相応しい一定の受験資格が求められる。私費外 国人留学生には、別に(財)日本国際教育協会が実施する「日本留学試験」を日本語で受験している ことが求められる。
募集人員は若干名とし、後述の一般選抜前期の定員に含めている。選抜方法は、小論文・学力検査・
面接であり、これらの成績と出願書類の内容を総合して合否が決定される。学力検査はすべて英語の 基礎学力を測るものである。これらすべての試験は福井キャンパスのみで実施される。
③一般選抜とその位置付け
一般選抜は「前期」と「後期」に分けて実施している。募集人員は、両方とも定員の40%ずつで ある。「前期」受験者に対しては、センター試験で2教科2科目の、個別試験で2教科2科目の受験 を課している。これに対し、「後期」受験者には、センター試験で4教科5科目の、個別試験で小論
文と英語または数学の1科目受験を課している。「前期」は私立大学受験に備え、「後期」は国立大学 受験に備えて準備してきた受験生を主な対象とするものである。
ここでは、学部ごとの志願倍率(志願者数/募集人員)、競争倍率(受験者数/合格者数)、入学手 続率(入学者数/合格者数)の3指標について考察する。[基礎資料 表13]の数値より、平成11
〜15年度における学部毎の志願倍率、競争倍率、入学手続率を求めた(第4.1表)。これは、推薦 入試、特別選抜、一般選抜前・後期の総計に基づくものである。
第4.1表 3学部の平成11〜15年度における志願倍率、競争倍率及び入学手続率の推移 経済学部 生物資源学部 看護福祉学部 年度 志願倍率 競争倍率 手続率 志願倍率 競争倍率 手続率 志願倍率 競争倍率 手続率 平11 5.7 2.5 72.5 8.6 4.6 80.4 20.6 11.3 64.5 平12 6.8 2.8 69.9 7.5 3.9 80.7 11.1 6.7 86.1 平13 6.5 3.0 75.1 9.0 5.0 83.7 7.1 4.9 90.0 平14 6.7 3.5 79.8 7.2 4.0 88.3 8.2 5.7 90.0 平15 5.5 2.7 75.3 7.1 4.0 88.5 7.0 4.5 83.5
志願倍率、競争倍率、入学手続率のいずれについても、この5年間、経済・生物資源の2学部にお いては顕著な変化が見られない。経済学部の場合、競争倍率は2.5〜3.5倍、入学手続率は70〜
80%の範囲にあるので、入学手続者1名につき受験者が平均2.2名(幅、1.8〜2.8名)いたこ とになる。生物資源学部の場合は、競争倍率が4〜5倍、入学手続率が80〜90%の範囲にあるの で、入学手続者1名につき受験者が平均3.6名(幅、3.2〜4.2名)いたことになる。
従って、最近の5年間、経済学部では上位1/2以上の、生物資源学部では上位1/3以上の受験 生を入学者として確保してきたことになる。一方、平成11年開設の看護福祉学部は、同年度の入試 にはセンター試験を課すことができなかったため、受験者が異常に多かった。平成12年度以降、次 第に安定してきているが、ここでは平成13〜15年の3年度について考察する。この期間の競争倍 率は4.5〜5.7倍、入学手続率は84〜90%の間であった。これから、入学手続者1名当たりの 受験者数を求めると平均4.4名(幅、3.8〜5.1名)となり、入学者は受験者の上位1/4以上の ものであったことがわかる。
一般選抜試験には、前・後期とも福井県内の2箇所(本学の福井と小浜キャンパス)の他、東京、
名古屋、金沢、大阪、岡山の県外5箇所に試験会場を設けている。その結果、県内出身者がほとんど の推薦入学を含めた全入学者に対する県外出身者の割合が50%強に達している(第4.2表)。
第4.2表 平成11〜15年度入学者に占める県外出身者の割合
年度 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 合計 県内出身者 191 197 200 187 189 964 県外出身者 205 201 190 201 205 1002 合 計 396 398 390 388 394 1966
%県外者 51.8 50.5 48.7 51.8 52.0 51.0
点検・評価
このように多様な募集方法を用いて、本学と本学の入試に関する情報を受験希望者及びその周辺に 提供していることは、学生の募集において一定の成果を上げていると考えている。
一般選抜については、両試験によって多様な素質をもつ学生の確保を目指すものであるが、入試実
施時期の関係から、どうしても「前期」は第1志望組の、「後期」は第2志望組の受験生が主になり、
この点が現在採用している一般選抜法の1つの問題点である。
入学者選抜方法については、本学は3学部ともこの5年間(看護福祉学部にあっては3年間)、入 試に関わる3つの指標について安定した、しかも良好な状態にある。したがって、入学者選抜方法を 大きく変えない限り、質の高い入学者の確保に当面苦しむことはないものと判断している。
なお、県外出身者が多いことについては、県内出身学生の大学生活全般に良い影響を与えるもので あり、本学としてはこのバランスを維持したいと考えている。
2 入学者受入れ方針等 現状
大学としては、(i)豊かな人間性に支えられた判断力、思考力、創造力、行動力、包容力など、人 間としての基本的能力を高めることに強い意欲をもつ学生、(ii)経済学、生物資源学、看護福祉学 の領域に関わる「知」の継承と創造に強い意欲をもつ学生、(iii)継承し、創造した「知」を社会の 発展に活かすことに価値を見つけ、意欲を燃やす学生、(iv)普遍的に求められる人間性や知的能力 に加え、自分が生き働くために必要なツールの修得に積極的な意欲をもつ学生、を求めている。
選抜方法は、推薦入試、特別選抜、一般選抜の3つの方法を併用している。
点検・評価
本学の教育理念として掲げた「真理探究の精神、広い視野と豊かな創造力、高度で専門的な知識・
技術を有する有為な人材の養成」を達成するには、(1)の掲げた4つの面について高い意欲をもつ 学生の確保が不可欠である。
推薦入試については、高校における学習等の実績評価を主にして合否を決めるので、人間としての 広い能力をもつ学生の受け入れに適している。特に、高校の調査書と自己推薦書からこれら能力を判 断する有用な情報が得られる。
特別選抜のうちの社会人選抜は、「知」の社会的活用や、それに必要なツールの修得に強い意欲を もつ学生の受け入れに適している。
一般選抜については、本学の3学部それぞれが担当する領域の「知」の継承と創造に適性をもつ学 生の受け入れに適している。
なお、特別選抜(社会人を含む)と一般選抜後期に課する小論文は、人間としての基本的資質につ いて優れた学生の選抜に適していると考える。
これら3つの方法は、それぞれの受け入れ方針に合致しており、適切であると考えている。
3 入学者選抜の仕組み 現状
学長、各学部長と学術教養センター長、学生部長、情報センター長、事務局長、それに学部・セン ターからの選出委員で構成される「入学試験委員会」が入試の実施に当たる。
学長が委員長となり、2名の副委員長(正・副)を置く。学部長・学術教養センター長は出題・採 点委員の選定に重要な役割を担う。事務局は入試事務に、情報センターは入試関係の情報処理(成績 を含む)に不可欠な部局である。
入試業務の日程、入学者選抜要項、学生募集要項(推薦入試、特別選抜、一般選抜別に作成)、入 試監督者要領等の決定はすべてこの委員会が行う。
この委員会の下に、専門委員会として、入試問題の作成にあたる「出題委員会」と、試験実施後の