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大陽日酸株式会社殿訪問インタビュー調査報告

ドキュメント内 NASA MPa 2003 NEDO MPa 3 Type4 Type3 Type4 Type3 100% CNG (ページ 39-45)

訪問日時 平成20年10月22日(水)10:00〜12:00 場 所 大陽日酸株式会社 本社

応対者 大陽日酸株式会社 開発・エンジニアリング本部 水素プロジェクト統括部

1.燃料電池・水素関連事業への取り組み概要

① 燃料電池関連の取り組みとしては,水素ステーション技術に特化しているが,技術範 囲は 広い 。 水素 の輸 送 から 末端 の ステ ーシ ョ ン設 置に 携 わっ てい る 。も とも と

WE-NETプロジェクトに参画することによって技術的に先行した。

② ただし,FCVの本格普及まで時間を要すると予想されるため,当面の技術開発は,ディ スペンサーを中心とした充填制御技術に特化しようと考えている。ディスペンサーに ついては,当社が設計して当社の関係会社で製作している。水素製造装置については,

水素製造を含めたフィージビリティスタディは実施しているが,水素製造装置に関す る技術開発は現状では行っていない。

③ その他の圧縮機,蓄圧装置などについては外部から購入するが,当社としては,水素 ステーションシステムを納入する総合エンジニアリング会社を目指したい。

④ 当社が携わった水素ステーションとしては,JHFCのステーションでは9箇所,その 他にも,福岡県が主体となって九州大学に建設予定の水素ステーションなどにも参画 している。これらのステーションにおいては,全体のシステムに絡む場合と,ディス ペンサー等の一部の機器のみを納入する場合の両方がある。

⑤ 2005年に移動式の70MPa級の水素ステーションを開発した。現在,自動車メーカの 遠隔地,寒冷地などでの実証走行などのときに利用されており,非常に重宝されてい る。

⑥ リンデとは空気液化分離装置など極低温機器などで提携関係を維持している。ただし,

ステーションに関しては連携していない。

2.水素供給ステーションに係わる技術開発状況やステーションの準備・稼動状況

(1) 技術開発状況

① 水素ステーションに係る技術開発については,昨年度(2007年度)まで当社が参画し ていたNEDOの「水素安全利用等基盤技術開発」や「水素社会構築基盤整備事業」が 終了して,70MPa対応の要素技術開発が一旦終了したところである。今年度からは新 たに東邦ガスなどと共同でNEDOの「水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発」プ ロジェクトに参画し,主にNEDO事業で開発した70MPa級の機器の評価を行うなど,

35MPaから70MPa化へ向けての検討を行う予定である。さらに,このプロジェクト

では,プレクールの最適設計についても検討を行う予定である。

② 2005年に70MPaの本格的な水素ステーション整備までのつなぎとして,トラックで

移動するタイプの移動式70MPa級水素ステーションを1台製作した(図ⅩⅣ-1)。プ レクールは組み込まれておらず,70MPaを3〜5分のオーダで充填するのは不可能だ が 30分はかからない程度で充填が可能である。トラックには圧縮機と蓄圧器とディ スペンサーをパッケージ化しており,外置きの水素カ―ドルを用いて水素を供給する 形式である。

③ この移動式ステーションは,道路交通法や高圧ガス保安法などにより,移動走行,充 填には様々規制があるが,申請,許認可の実績を重ねながら安全を検証していってい る。

図  XIV-1  70MPa 大陽日酸水素ステーション 

(2) 70MPa化について

① 現状の 70MPa 級ステーションに関する技術基準が無い中,設備製作において,材料

が決まらないといった問題や,70MPaで充填するために最終的にどのくらいの圧力ま で上げるのかといったことが決まらないのも障害となっている。早急に基準化が必要 である。

② JHFCの4箇所の70MPaのステーションのうち3箇所の実証研究に関わることが出 来た。このようなこともあり,70MPaの技術の早期の基準化・標準化に当社の有する 知見を提供することでお役に立ちたいと考えている。

③ 70MPaに対応した基準・法令の整備とともに,いかに70MPa級の水素ステーション

を安価に作るかといった検討も行うべきだと考えている。70MPaで達成できれば,た とえそれより低い圧力が採用されたとしても,対応が可能である。

④ 水素社会を想定した場合,ある程度の高圧を使いこなす必要はあると思う。例えばヘ キストの水素ステーションでは,蓄圧器を用いずに 70MPa を供給できる。だが車載

タンクで 70MPaの場合,供給側の圧力は 80〜90MPaに達し,安全性やコスト面か

らも課題があるように思う。

⑤ 現在,JHFC でも最適な圧力に関する検討が始まったが,それに絡んで,70MPa,

60MPa,50MPa のそれぞれにおいてステーションコストの試算を行うことに協力し

ている。プレクールやコミュニケーションに関しては,自動車メーカ側で検討するこ とになっている。こうした検討において重要なファクターは充填時間である。充填時 間の制約に応じて,配管の径や流量計を選択する必要があり,プレクールの必要性も 決まってくる。

(3) 圧縮機について

① 現在,国内の圧縮機メーカとしては,日立プラントテクノロジー,加地テック,神戸 製鋼所などがあり,海外ではドイツのホーファー社,米国のPdc社などがある。海外 はダイヤフラム方式であり,国内はレシプロ方式(ピストン)が主流である。

② JHFC の水素ステーションでは,ダイヤフラム方式が多く導入されている。これは,

レシプロタイプは効率が高いが,現状では耐久性や信頼性ではダイヤフラム方式の方 が国内外で実績をつんでいるためと考えられる。

③ 35MPaから70MPaになった場合には,レシプロの方がコストや効率の点で優り,将 来性があると考えられる。ダイヤフラム方式のトップ企業であるホーファー社でもレ シプロ方式の圧縮機を開発した。レシプロの方が低コストなためである。第一号機は ステーション用で北欧に導入されたと聞いている。

④ リンデのイオンコンプレッサは,フランクフルトの水素ステーションなどに導入され ている。これはコンパクトで,静かであり,摺動部分がないのが特長である。まだ日 本へは納入されていないが,注目はしている。

(4) 水素ステーションの低コスト化に向けて

① 低コスト化については,現状の70MPa級水素ステーションの建設費6億円を1億円 にする目標が出されているが,材料費を 1/6 にすることはあり得ないことであり,土 地代の高い日本ではコンパクト化が非常に重要である。現在の水素ステーションで30

〜50N㎥/hの規模だとすると,将来はさらに大きくする必要があり,コンパクト化は 喫緊の課題である。

② 低コスト化に向けての技術開発については,早期に 70MPa でのプレクールによる急 速充填制御技術を確立させることも重要だと思う。プレクールに伴う設備,敷地の増 大は極力避けなくてはならない。

③ ハ ー ド 面 に 関 し て は , 最 適 な 金 属 材 料 に 関 す る 開 発 が あ る 。 こ れ に つ い て は HydrogeniusやJRCMが現在取り組んでいる。例えば,35MPaの場合において利用 可能な金属材料については既に基準化されている。当然ながら 70MPa の場合は基準 が厳しくなるが,安くて安全な70MPaにも使える材料についての開発が必要である。

現状では,35MPaの基準を考慮しながら70MPaのステーションや充填装置を作って いる状況にある。

(5) 将来の水素供給インフラのあり方について

① 現状の30〜50N ㎥/h のオンサイト型ステーション設備であっても相当大規模なもの

であり,それを考えると,本格的な大型オンサイトの水素ステーションが成立すると は思えないし,効率的ではないと考える。

② そうすると,水素製造装置はサテライトとして拠点に1つ設置しオフサイトとし,当 面はトラック輸送がやむを得ないとしても,長期的には水素パイプラインを導入して,

各水素ステーションに水素を供給する方式が好ましいのではないか。

3.国プロへの参画状況と他社との協力関係

① JHFCプロジェクトの他には,前述のとおり,NEDOプロジェクト「水素製造・輸送・

貯蔵システム等技術開発」「システム技術開発/70MPa 級水素ガス充填対応ステー ション機器システム技術に関する研究開発」に本年度(2008年度)から5年間の予定 で参画した。共同研究開発者は,東邦ガス㈱,トキコテクノ㈱,㈱日立製作所,横浜 ゴム㈱,佐賀大学,(財)石油産業活性化センター(PEC)である。このプロジェク トで得られるプレクールなどのデータについては,その場限りではなく今後の研究開 発のために蓄積を図るべきだと考えている。

② 自治体関係では,福岡県と日光市において,以下のような取り組みに協力して水素イ ンフラプロジェクトを行っている。

③ 日光市では,2006年8月,水素を使った社会システムを構築し,燃料電池のもつ先進 性と利便性による観光客増加と地域活性化,新産業の創造などを目的として,日光市 長を会長とする「日光水素エネルギー社会促進協議会」を設置した。この協議会には,

当社のほか,栃木県や地元バス会社,自動車メーカなどが参加している。日光の観光 エリアに流入するガソリン車を FCV に替えようというコンセプトのものである。当 面はパトロールやイベントの先導車としての利用がターゲットになる。FCV一号は日 産車になる予定(12月1日が納車式の予定)。水素ステーションの場所や圧力(35MPa

/70MPa)は未定である。

④ 福岡県では,麻生県知事の主導で「福岡水素戦略」Hy-Life プロジェクトを実施して いる。このプロジェクトは,水素エネルギー開発・普及を総合的に推進する取り組み であり,Hydrogeniusを中核とした各種研究開発の推進や,「水素タウン」「水素ハイ ウェイ」の構築などの実証実験の推進,水素人材の育成などを含んだプロジェクトで ある。現状では,まだFCVは導入されていない。2基の35MPaの水素ステーション を九州大学伊都キャンパス内と北九州市八幡地区に建設する予定であり,当社は,九 州大学側のステーション建設に携わる。

ドキュメント内 NASA MPa 2003 NEDO MPa 3 Type4 Type3 Type4 Type3 100% CNG (ページ 39-45)

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