店。
回っていた 8 0 年代 には,この点が顕著なこと,③ 90 年代 に入 ると,派遣 による改善効果は 不明確 となった点で,変化 の兆 しがあることの 3 点に求 め られ る
5. 外部役員派遣のパ フォーマンスの改善効果
5. 1. モデル
本節の課題 は,外部か らの役員派遣が,派遣後の企業経営の効率性 を引き上げたか否かを, 銀行の役員派遣に絞 ってテス トす ることである
20.19た とえば,本稿 のサ ンプルでは、富士重工
( 1 962
年), 日本 コロム ビア( 1 962
年)が高度成長期 の前半の事 例 であ り,東洋 工業( 1 977
年),光洋精工( 1 978
年)が石油 シ ョック後の事例 である・20他 にも,改善のメカニズムはいかに理解 できるか,企業 と銀行派遣で改善効果,及び改善のメカニズムに差 はあるのか等の論点があるがその点の検討 は別 の機会 に譲 りたい.
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ところで,この役員派遣 のパ フォーマンス改善効果の分析 に対 して,あ らか じめ次の 2 点 を指摘 してお きたい.第 1 に,ここでの分析は,前節 と同 じサ ンプル を使 うため,各時期の 銀行派遣の観察値が少な く ( 最大で も Ⅰ Ⅰ Ⅰ期の 4 3 ,表 2 ) ,介入の効率性改善効果の分析 とし ては必づ Lも充分でないことである. したがって,ここでのフアク ト・ファインディングは, 金融危機 に直面 した企業のみを取 り上げ,役員派遣の有無 とその効率性改善効果を分析す る 方法によって確認 され る必要がある
21.第 2に,よ り重要な点は,前節で被説明変数 とした外部役員の就任の中には,派遣側のモ ニタ リング ・インセンティブに基づ く派遣以外のケースが混在 していることである. とくに この傾 向は,前節の分析結果 によれば, Ⅰ Ⅰ Ⅰ期以外 の時期 に 目だっていた. したがって,観 察 された役員派遣 をそのまま用いても,これ らの時期 については外部役員派遣の効率性改善 効果 とい う我々の 目的に即 した分析 とはな らない.もっとも,事後的な観察値か らは,モニ タ リング ・イ ンセ ンテ ィブに基づ く役員派遣 を特定す ることは不可能である.そ こで次善の 策 として, ここでは,①銀行出身者 の役員就任すべて ( OEB) のほかに,②外部役員就任の うち,経営を矯正 しうる地位 に就任 したケース ( OEBU) ,さらに③銀行のモニタ リング ・イ ンセ ンティブに基づ く派遣 と推定 され るケース ( OEBM) を取 り出 し,就任前後のパ フォー マ ンスを比較 した.
戦後 の各時期 の上記の区分による銀行役員派遣の推移は表 3 ‑ 1 に要約 されている.同表の
OEBM には,前節で推定 したパ フォーマンス変数の限界効果の推定値が利用 されている.す なわち,( パ フォーマンス変数 の関数 としての)役員派遣の選択確率‑の売上高営業利益率の 限界効果
∂。E。( ORR) を全観察点で評価 し,それが検定によって有意 に負 と判断 され る場合 のみを,業績が悪いことに起因す る外部役員 の就任 ,言換 えれば,モニタ リング ・インセン テ ィブに基づ く役員派遣 oEBM とここで定義す る. ここでは有意水準 として 5 % を採用 し た.その推計結果は,表 3 ‑ 1 の通 り, Ⅰ トⅠ Ⅴ 期 に関 しては推定が可能であった. この推計結 果か ら,① Ⅰ Ⅰ期 には,いまだ OEBM 以外の派遣が多い こ と,② Ⅰ Ⅰ Ⅰ期の派遣 は, OEB と
OEBM がほぼ一致す ること,③ Ⅰ Ⅴ 期 は,再び OEBM 以外のケースが増加 していることが わかる.他方,Ⅰ , Ⅴ 期では 5 % 水準ですべてのケースが負債 をとるため,推定不能であった.
そ こで,Ⅰ期 は有意水準を 2 0 % まで下げた推定結果 を利用す るが, Ⅴ 期 については,高めに 設定 した有意水準 ( 4 0 %) によって も, OEBM と分類できるケースは, 1 ケースに とどまっ たためこの推定値 による検討 は放棄 した.
さて,外部役員派遣の効率性改善効果の考察は,派遣の前 と後でのパ フォーマンス変数の 水準 に有意な差があるか否かを見 ることで可能 となる.ここで採用 した方法は以下の 2 つで
ある.
第 1 は ,e v e n ts t udy と呼ばれ る方法であ り,外部役員就任 を経験 した企業のみをサンプル か ら取 り上げ,就任前後のパ フォーマ ンスを比較す る
22.基本的な手順は,各期について外
21広 田 ・宮島
( 1 9 99)
は,I CR
が2
期連続1
以下 を金融危機 と捉 えて,電機 ・化学 ・建設業 に関 して介入によ る効率性 改善効果 を検討 している.22Morck
a n dNa ka m u ra( 1 9 99)
で採用 され た方法である.1 5
部役員の就任 ( OEB , OEF) のあった年 を t 年 とし, f‑ 5 か ら t+6 の各年 についてパ フォー マ ンス変数 をプール し,その平均値 を求めて,派遣の前後にパ フォーマンスの改善があった かをテス トした.その際,パ フォーマ ンス変数 としては,現数値 を指標 とした場合,計測期 間の景気の変動が結果にバイアスを与える可能性があるため,産業平均で標準化 した指標 を 利用す る,この標準化 された指標 を推計す ることによって,同業他社 と比較 して どの程度改 善 されたかをテス トす ることができる.パ フォーマ ンス指標 としては,標準化 された売上高 営業利益率 NORR ,及び総資本利益率 NROA を用いる.
もっとも,以上の介入前後のパ フォーマ ンスの平均値の比較は,標準化 されたパ フォーマ ンスを推計 しているものの,依然①パ フォーマ ンスに影響を与 える他の変数 を考慮 していな い点,②派遣が無いケース との比較が明示的でない点で問題 を含む.そこで第 2 に,次に各 時期の観察値すべてについて ( 非派遣企業を含む) ,企業パ フォーマ ンスに関す る次の推計式 を推定す る
23.P i 十 ‑ F( P
i̲ , Si z e i ̲1 , 年 ダミー ,OED, MBD x OED, BHD x OED) . ( 2 ) ここで, P
t+ , P ト は, t 年 にお けるあるパ フォーマ ンス変数 を P iであ らわ し,それぞれ,
P i + ‑拷 + 1 + P
t+2 + P i +3 ) / 3 , Ri ̲‑ ( P
i̲1 + P i ‑2 ) / 2 である
24・si z ei ̲1 は企業規模 ( 総資産 の対数借) , OED は派遣があった ときに 1 となるダ ミーであ り,銀行 ・企業派遣,専務以上 役員派遣,モニタ リング ・インセンティブに基づ くと推定 された銀行か らの役員派遣 ( OEB
,OEF , OEB U, OEBM) ,それぞれ についてダミーを作成す る.基本的な考え方は,派遣後の パ フォーマ ンス P i + の改善の程度が,役員派遣 OED とガバナ ンス MBD , BHD によって有 意な影響 を受 けるかをテス トす るとい うものであ り,その他 の説明変数は,分析の noi s e に な り得 る要因をコン トロールす ることが期待 され る.サンプルは派遣観察年,各期 5 年の派 遣企業,非派遣企業についてプールす るため,パネルの構造 とな り,観察数 は Ⅴ期 を除け ば 5 00 前後 となる.関数 F を 1 次関数 とし,企業固有効果項 を固定効果 として,回帰分析 を行 う.
5. 2. 計測結果:外部か らの役員派遣は企業のパ フォーマ ンスを改善 したのか
図 1 には,派遣前後のパ フォーマ ンスの動向が,標準化 された売上高営業利益率 ( NORR) に即 して与 えられている.なお,同図では,変動 を除去す るため 3 期移動平均値が取 られ ている ( 現数値は,表 8 参照) ・地位 を考慮せず,銀行か らの役員派遣すべてをとったケース ( OEB) では,介入前に NORR が低下 し,介入後改善す るとい うパ ター ンは,Ⅰ期 には必ず しも明確ではないが, Ⅰ Ⅰ期には明確 に Ⅴ シェープを示す ようにな り ,Ⅰ Ⅰ Ⅰ ,Ⅰ Ⅴ 期 はほぼ同様 に鋭角の V シェープを示 した後,V期 には消失 した.Ⅰ期 に,このパ ター ンが明確でないの は,外部役員の就任が単にモニタ リング ・イ ンセンティブに基づ くものばか りでない とい う 前節 の分析結果 と整合的である.
23この手法 は,
Ka pl a n a ndMi nt o n( 1 9 9 4)
の延長線上 にあるが, ここではパ フォーマ ンスの差分 を とってい る点 に特色がある.24派遣年 tは,派遣前のパ フォーマ ンス と派遣後のパ フォーマ ンスが混在 しているために,除かれ ている.
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外部役員就任後のパ フォーマ ンス改善効果 を,就任者 の地位 を区分 して分析す ると,この Ⅴ シェープは,よ り明確 とな る.① Ⅰ期 も専務以上 OEBU に限定すれ ば,派遣後のパ フォーマ ンス改善効果 は確認 できる.また,②各期 とも, OEB よ りも OEBU の方が総 じて Ⅴ シェー プが深 く, この傾 向は, とくに Ⅰ Ⅰ Ⅰ , Ⅰ Ⅴ 期 に明確 である.なお, Ⅴ 期 に入 る と, この OEBM
の場合です ら改善効果 は,明確 に確認 できない.派遣後のパ フォーマ ンスに関す るデー タが
少 ないた め,暫定的な結論 であるが, この単純 な e v e n ts t udy に よって も, 9 0 年代 に銀行介
入 の効率性 改善効果 に変化 のみ られ ることが確認 で きる.
ドキュメント内
日本企業 システム d j i 2 0 世紀史 ;
(ページ 71-74)