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J〔出所〕①ユーゴの雇用労働者数,失業者数は表2‑1に同じ。 ②西ドイツのユーゴ人労働者数はStatistisches Jahrbuch ③外国で雇用きれているユープ人労働者数は,ザクレプ移民研究センター(Centarza istrazivanje migratija‑ Zagreb)の資料による。
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に日 89 (年)88 87 86 85 84 83 82 81 80 79 78 77 76 75 74 73 72 71 70 69 68 67 66 10 6546 第I部 ユ ー ゴ の 労 働 市 場 と 自 主 管 理 企 業
会の増減が、直接にはユーゴ圏内の失業に影響を与えないことがわかった。では、
出稼ぎ労働者とユーゴ国内の失業者が同時に増えるのはなぜだろうか。
考えられる仮説は、「農村に滞留する過剰人口が、外国での雇用についての情報 を求めて都市に流れ込み、失業につながる」というものであるヘこの仮説がユー ゴに当てはまるかどうかを判断するには、都市部への人口集中度を計算すればよ い。まず、
6
つの共和国の首都への人口集中は、7 1
年の1 6 . 3 7
パーセントから8 1
年 の1 8 . 3 5
パーセントへと約2ポイント上昇した。これは、決して大きな数字ではな い。他方、いわゆる都市部に居住する人々の割合は、7 1
年の38.6%
から8 1
年には46.5%
に約8
ポイント増加した。この2つの数字を見る限りでは、人々は農村か ら地方都市に移り住んだことが言えるだけである。この移動が、外国での雇用機 会を求めた結果として起こったのかどうかは判断しがたい。筆者がユーゴ滞在中に得た印象では、ユーゴの出稼ぎ労働者は、必ずしも都市 出身者に片寄っていなかった。ユーゴの出稼ぎは、公的な職業紹介機関を通して 行われてきた。もちろん、私的なコネによる出稼ぎもあったが、受け入れ国の労 働ビザの関係から、公的機関を通すことが一般的だった。職業紹介所は農村部に もあり、都市部と同じ情報が流されていた。それゆえ、ユーゴの場合、農村から 都市を経由して外国へ働きにでるという図式は、必ずしも明確で、はなかったと考 えられる。
出稼ぎ労働者数の推移
1 9 6 9
年から7 3
年まで毎年大量のユーゴ人が国境を超えて働きに出た。この流れ は、第1
次オイルショックによってぴたりと止まり、7 5
年からは多くのユーゴ人 が帰国した。ユーゴの出稼ぎ成長時代は、わずか6
年しか続かなかった。海外出 稼ぎ労働者は、7 0
年代半ばから8 0
年代はじめにかけて大幅に減少したが、8 0
年代 半ばになると減少のスピードが弱まった。ユーゴ全体の数字が手元にないので はっきりしたことはいえないが、クロアチア共和国のデータでみる限り、8 5
年以 降の帰国者は減っているヘクロアチア共和国職業安定局の係官によると、
7 0
年代後半の帰国者と8 0
年代後 半の帰国者は性格が大きく異なるという。7 0
年代後半の帰国者は、本当は帰りた くないにもかかわらず不況で職がないために帰らざるをえない人たちであった第2章 失 業 と 出 稼 ぎ 労 働 者 47 (失意の帰国者)。他方、 80年代後半の帰国者は、十分に蓄えもでき自分の意志で 帰ってくる人たち(成功した帰国者)が多くなっている。
図2‑3 共和国別出稼ぎ労働者構成比 (1971)
モンテネグロ(1.2%) コソポ(3.6%)
7ケ ド ニ ア (8.1猪 )
クロアチア(33.4%) ボ イ ポ デ ナ (9.0勉 )
ポスニ 7~ へ Jレソヱコピナ(20.4銘)
〔出所〕表2‑1に同じ。
図2‑4 共和国別出稼ぎ労働者構成比 (1981) モンテネグロ(1.6%)
コノポ(46%)
7ケドニ7(9.3%)
ボ イ ポ デ ナ (7.7%)
〔出所〕表2‑1に同じ。
送り出し国政府が頭を痛めたのは、 70年代後半から80年代はじめにかけての失 意の帰国者をどう助けるかであった。彼らは出稼ぎに出て日が浅いために十分な 蓄えを持っていない。ユーゴ国内で職を得ようにも、 70万から80万人の失業者を 抱える経済には雇用吸収力はない。「西ドイツをはじめとする西ヨーロッパ諸国 は、自分たちの問題をわれわれに押しつけてきた」 職業安定局の係官は、当
48 第I部ユーゴの労働市場と自主管理企業 時をふりかえってこのように述べた。
確かに、
7 0
年代後半から8 0
年代にかけてのユーコ。経済は、年々増加する失業者 の対策に苦慮していた。しかし、職がなかったのでは決してない。熟練工、エン ジニア、経営管理者といった職種には常に求人があった。もし、出稼ぎ労働者が 海外での仕事を通してより高い技術・技能を身につけて帰国したならば、ユーゴ 圏内で、の雇用機会は広がったかもしれない。この点は、後に詳しく検討する。( 3 )
出稼ぎ労働者の特徴 出稼ぎ労働者の出身地図
2‑3
と2‑4
は、出稼ぎ労働者の出身共和国別構成比である。また、図2 5
は1 9 8 1
年の共和国別労働者構成比を表している。出所は、いずれも連邦統計局 の『統計年鑑』である。ユーゴには6
つの共和国と2
つの自治州があり、共和国 聞の経済発展度が大きくちがっていた。北部の先進地域であるスロベニアとクロ アチアは西ヨーロッパに比較的近い水準であったが、マケドニア、モンテネグロ、コソボといった南部の後進地域では、ひとりあたり
GNP
が2
,0 0 0
ドルを大きく下 回っていた。図2‑ 5 共和国別労働者構成比 (1981)
コ ソ ボ (3.8%)
7ケドニ7 ( 8.1第)
ボ イ ボ デ ィ ナ (9.1第 )
セルピ7(29.9%)
〔出所〕表2‑1に同じ。
ポスニア=ヘルツェゴピナ(16.2%)
これら
3
つの図から、次の点を読みとることができる。(対
7 1
年8 1
年ともに、クロアチア、ボスニア=ヘルツェゴビナ、セルビアの3
共和 国で全体の7
割を占める。これは、共和国別の労働者構成比とほぼ対応してい第2章 失 業 と 出 稼 ぎ 労 働 者 49 る。ただし、
3
つの共和国のウェイトは1 0
年間で大きく変化した。(イ)出稼ぎ開始直後は、クロアチア出身者が全体の
3
分のl
を占めたが、8 1
年にな るとセルピア出身者の割合が増加し、クロアチア出身者と同じ比率になった。(サ
7 1
年と8 1
年を比べると、北部地域出身者の割合が低下し、中・南部出身者の割 合が増加した。出稼き、労働者たちの出身地が都市部か農村かという点も、出稼ぎと失業の顕在 化を考える上で重要な論点である。しかし、筆者の手元にある資料では、この問 題を詳しく論じることはできない。今後の課題としておきたいへ
性別構成
通常の海外出稼ぎは、まず男性(夫)がさきに出かけて生活基盤を整えた上で、
女性(妻)を呼ぶという形がとられることが多い。ユーゴの場合も例外ではない。
7 1
年の国勢調査時点で海外で働いているユーゴ人の7 5 . 0
パーセントは男性であっ た。それが8 1
年の国勢調査では、6 4 . 9
パーセントに低下している。依然として過 半数が男性であるが、女子の出稼ぎも確実に増えている。年齢別構成
出稼ぎ労働者の年齢別構成については、クロアチア共和国の資料が手元にある。
すでに述べたように、出稼ぎ労働者にはクロアチア出身者が比較的多いので、こ の資料からユーゴ全体の傾向を類推できょう。
図2‑6 出稼ぎ労働者の年齢別構成
<r
図19縫以下 図四~田健図加、 39t.怠 ~40-49 俗図叩 -5惜 図60綾 日1リ 町l
〔出所
J
Letie [1989] p.44.50 第I部 ユ ー ゴ の 労 働 市 場 と 自 主 管 理 企 業
図2‑6は、出稼ぎ労働者の年齢別構成を1971年と81年で比べたものである。
71年には、
2 0
歳代が43.8%
、3 0
歳代が30.6%
と比較的若い層が中心であった。こ れは、桑原論文が報告しているフィリピンの状況とよく似ている。それが81年に なると、3 0
歳代38.3%
、4 0
歳代24.2%
と中堅層の比率が高くなった。これは、第 l次オイルショック以降の受け入れ国の政策が影響していると思われる。西ヨー ロッパ諸国は、7 0
年代半ば以降、外国人労働者の入国を厳しく制限するようになっ た。一度ユーゴへ帰ってしまうと、再ぴ出稼ぎに行くのは不可能に近い。それゆ え、出稼ぎの目的を達成するまではなんとしても残るように人々が行動するよう になった。その結果、滞在期間が長期化し、年齢構成もほぼ10年高くなったので あろう。教育水準別構成
表
2‑3
は、クロアチア共和国出身の出稼ぎ労働者の教育水準とクロアチアの 労働者の教育水準を比較したものである。この表からわかるように、出稼ぎ労働 者の教育水準は他の労働者の教育水準とほとんど同じである。強いて言うならば、71年は中等教育終了者(就学年数9‑12年)の割合がやや高〈、 81年は義務教育 終了者の割合が比較的高くなっている。フィリピンのように、高学歴者が出稼ぎ
表2‑3 出稼ぎ労働者の教育水準別構成(クロアチア共和国)