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報道を掘り下げてみると

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ミシュランの三ツ星 高尾山

2.  報道を掘り下げてみると

販売時の注意 の内容を確認すべく,関 係 OTC を販売しているメーカーのホーム ページを当たりましたが,知ることはできま

せんでした。そこで直接電話で問い合わせ,

その内容を知ることができました。これは,

当該 OTC の購入実績のある薬局に対して,

メーカーから伝えられる仕組みになっている のだそうで,薬局から発注することで,初め て知ることのできる内容ということになりま す。

1 ) ジフェンヒドラミン含有の睡眠改善剤 では

ジフェンヒドラミンは第一世代の抗ヒスタ ミン薬として知られていますが,その副作用 である眠気を逆手にとるように睡眠改善を目 的として OTC 化したものが,ドリエル(エ スエス製薬)をはじめとする製剤です。これ らの薬剤のパンフレットを見ると,「ご販売 に際しての留意点」 の頁の「その他の留意 点」の項に 販売時の注意 が記されていま す(図 1)。

リスクの低い医薬品に限るよう求める通知を都道府県に出しており,この薬のネット販売は通 知に反する。

福岡県は「依存性のある薬を大量販売したことが被害原因の一つ」などと行政指導。薬局は その後閉店し,ネット販売からも撤退した。運営していた薬剤師は「問題が起きた後すぐに,

鎮静剤のネット販売はやめた」としている。

厚労省は,来年 6 月の改正薬事法施行に伴い,鎮静剤などリスクの高い市販薬のネット販売 を禁止する方針だが,ネット業者や内閣府の規制改革会議が反発。規制強化を求める薬剤師団 体や薬害被害者団体などと対立し,論議が高まっている。

  (この記事は読売新聞社の許諾を得て転載しています)

図 1  「販売時の注意」の例

2 ) ブロムワレリル尿素含有の催眠鎮静剤 では

ブロムワレリル尿素は,頻度は少ないもの の処方薬としても使用されることがある一 方,昔から OTC 薬にも用いられている成分 です。ある催眠鎮静剤に関して入手できたの が上記(図 2)に相当する お願い です。

ブロムワレリル尿素は一部の解熱鎮痛剤に も配合されていますが,それらの薬剤におい て同様の注意はなされていません。

3)報道に類似する文献があった

新聞報道の中には,薬害オンブズパースン 会議が厚生労働省に「要望並びに質問書」を 提出したことを報じるものもあり,そのホー ムページ1)から本事例の概略を知ることがで きます。

また今回の症例について調べていく過程 で,報道とたいへん類似した症例に関する文 献2)があることを知りました。そこでは,自 殺目的でインターネットを通じて薬剤を大量

購入した症例を紹介し,ネット販売の実情を 調査しています。 1 回の注文制限を設けてい る業者もあればそうでない業者もあり,まと めて購入すると割引が行われているケースも あるとし,睡眠作用のある薬をネット販売す ることは望ましくなく,販売規制を明確に示 す必要があると述べています。

3.報道から学ぶこと

1 )OTC の中には,メーカーから販売に関 する留意事項が提示されている薬剤があると いうことを知っておくべきです。メーカーは 販売店側に対して注意を促すよう,厚生労働 省から求められているとのことです。 ただ し, それは法的な規制ではなく, お願い のレベルです。その意図はパンフレットにも 明記されていません。薬剤師であれば言外に 何を懸念しているか推測がつきそうだと考え る向きもありますが,絶対とは言えません。

はたして登録販売者ではどうでしょうか。

2 )OTC の催眠鎮静剤や睡眠改善剤は,現 在 , 第 2 類 に 分 類 さ れ て い ま す。 第 2 類 OTC としての取扱いを適切に行うとともに,

法的規制がなくてもその意図を汲み,薬局内 で適切な販売方法を再確認し,徹底すべきで しょう。

3 )OTC のジフェンヒドラミン製剤では最 大包装が12錠にとどめられています。 1 度に 最大 6 回分までしか入手できないよう,仮に 1 箱すべて服用したとしても著しく大量にな らぬよう,暗黙のうちに危険に近づきにくい 状況としています。ネット販売は画面上で操 作を繰り返すだけでいくらでも入手が可能で あり,この利便性が手軽な購入に結びつきや すいといえます。対面販売であっても販売店 を渡り歩けば何箱も入手できなくもありませ んが, 販売上の注意 が守られていれば,

少なくとも1薬局から大量に,あるいは頻繁 図 2  「販売時の注意」の例

くすり

44都薬雑誌 Vol 31 No.3(2009)

これからの時代の情報の活かし方

に入手することはできないでしょう。

4 ) 自殺目的で大量に服用したということ は,故意に不適切な使用をしたということで す。調剤薬における医療安全管理になぞらえ ると「調剤事故」であっても「調剤過誤」に は該当しないと思います。しかし,不適切な 販売実態により薬剤を入手したとなると,販 売者側にも少なからず責任があるのではない でしょうか。

5 )時を同じく,医家向け製剤であるマジン ドール製剤について,当該メーカーから「適 正使用のお願い」 が出されました(図 3)。

これはメーカーのホームページより入手する ことができます。

本剤の薬理作用を考慮し,「効能・効果の 範囲外で使用される事例が見受けられてい る」と,意図的な誤使用の防止を呼びかけて います。いわゆる「使用上の注意」ではあり ませんが,薬剤に対する安全対策を図るうえ では,このような情報にも注意を払う必要が あります。

4.おわりに

報道で,催眠鎮静剤をネット販売していた のが「薬局」(すでに閉局)であったことは 残念に思いました。また今回の報道にあった サイトでは,他の販売店においても既に当該 薬剤の販売中止を発表しています。

日本薬剤師会ではネット販売に関し,平成 20年11月21日付で「医薬品のインターネット 販売に関する日本薬剤師会の見解」を公表し ています。 医薬品に関連する 9 団体からは

「一般用医薬品の販売は対面販売が原則であ り,インターネットによる販売は禁止すべき である」との共同声明が出されました。さら に平成20年12月18日付で都道府県薬剤師会会 長に向けて「医薬品のインターネットによる 通信販売について」と題し,適正な販売を求 めています。

OTC の中には,医家向け薬剤の中でも比 較的薬理作用の緩和な成分の薬剤が,少ない 用量で製剤化されているものがあります。 1 個単位で考えると作用は弱めであっても,医 薬品であることには変わりありません。また 用量によらない注意事項もあるので,医科と OTC を区別する意味は少ないと思います。

医薬品の安全を担保するにあたり,副作用 や相互作用等の「使用上の注意」に配慮する ことは当然ですが,安全を確保するためには

「販売に関する注意」も考慮しなければなり ません。新たな OTC の販売制度が始まろう とする今,これまでを振り返って保険薬局薬 剤師は OTC の安全確保にどの程度の責任を 果たしてきたのか,自問自答をしてみるいい チャンスかもしれません。スーパーマーケッ トで商品を買うのと変わらない程度の,ネッ ト販売でも購入できる程度と大差のない安全 管理レベルで OTC が取り扱われていくこと になれば,OTC は薬剤師の手を離れてしま

図 3  「適正使用のお願い」の例

い,国民はその範囲内での安全管理下に置か れることになりかねません。単に対面販売と いう方法をとっていくだけではなく,一般の 商材とは区別して,適正使用,安全確保を図 る取り扱いをしていくべきではないかと考え ます。

参考文献

1 ) http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/081222 rakutenyoubousho.pdf

2 ) 清田和也, 他 インターネットで販売されて いる OTC 睡眠剤の実態調査 中毒研究 20:

408-9,2007

図1 アサ(雄株)東京都薬用植物園

東京薬科大学名誉教授

さ し

 豊

ゆたか

東京薬科大学名誉教授

さ し

 豊

ゆたか

●鳥には感じる おいしい匂い

アサの実は食品や小鳥の餌として自由に売 買できますが,植物体そのものは大麻取締法 で所持や売買が禁止されています。

アサの実に一定量のγ線を当てると,種子 は生きているけれど播いて芽が出るとすぐ枯 れるものができます。このような処理をして おけば,食用のアサの実を悪用される心配が ありません。我々の研究室ではすぐ枯れる原 因を顕微鏡を使って解剖学的に調べたことが あります。

まず,東京都知事からアサの栽培許可を得 て,校内の畑を耕し,γ線を当てたアサの実 を播いてみました。 ところが, 後ろを振り 返ってびっくりしました。カラスが付いてき て,私が播いて軽く土をかぶせたアサの実を ほじくり返して食べているのです。 まさに

「ごんベが種播きゃカラスがほじくる」とい う光景です。

アサの実は特に匂いがするとは思えません が,カラスは土の中から簡単に見つけ出して 食べていました。カラスに限らず小鳥も大好 きな餌ですが, 鳥には感じる おいしい匂 い がするのでしょうか。不思議です。

●アサ

アサ

Cannabis  sativa

  Linné は中央アジア 原産のクワ科 Moraceae またはアサ科 Can-nabaceae の一年草で,茎は直立し,高さ 2

〜 3 m,ときに 4 m にもなります。多数の枝

を出し,こんもりとした草姿になりますが,

繊維用に栽培する場合は密植するので,ほと んど枝を出しません。葉は長さ 3 〜15cm の 葉柄があり,葉身は掌状に全裂し,中裂片が 最長です。裂片は長さが 7 〜15cm あり,巾 は0.5〜 2 cm,狭披針形で先は尖り,基部は 細い楔形で辺縁には粗い大きさの揃った鋸歯 があります。表面は深緑色です。植物に近づ くといやな臭いを感じます。

雌雄異株で雄花は長さ25cm に達する花序 に下向きに付き,黄緑色で 5 枚の花被と 5 本 の雄しべがあり,風媒花なので雄しべは多数 の花粉を飛ばします。雌花は茎上部の葉腋に 出る短い花序に付き,雌しべは 1 本でほぼ球 形の子房があり,子房に接して 1 枚の膜質で 小型の花被があり,その外面を緑色の苞が包 んでいます。

果実は 7 月ごろ熟し, 宿存した黄褐色の 苞に包まれ, やや扁平な卵球形で長さ 4 〜 5 mm,巾 3 〜 4 mm,果皮は灰緑色から灰 褐色で表面に網目模様があります。種皮は硬 く,暗緑色です。内部には痕跡の胚乳とよく 発達した 2 枚の子葉と幼根が見られます。

アサのうちインドなどに生育し,麻薬成分 の多い系統をインドタイマ(印度大麻)と言 います。

●クワ科とアサ科

前項でアサはクワ科またはアサ科に属する と,あいまいと思える書き方をしましたが,

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