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6 結果

6.1 基本分析

5 章で示した条件に基づいて実施した基本分析の結果について記載する。まず臨床イベントに ついて表 13に示す。各群25,000例のシミュレーションを行った結果,標準治療群に比較してエ プレレノン群で心血管死,心不全悪化による入院等の発生回数が減少し,EMPHASIS-HF 試験で 検証された有効性が,本モデルでも再現できたことが確認された。また,QALYおよびLYについ ては,エプレレノン群,標準治療群でそれぞれ,7.16および8.98年,5.61および7.04年であった

(表 14)。QALY およびLYのそれぞれについて,エプレレノン群で1.55および1.92年増加し,

QOLの向上を伴った生存期間の延長が示された。

続いて,両群における費用について表 15 に示す。エプレレノン群の費用総額は7,992,261 円,

標準治療群では7,110,536円となり,エプレレノン群で881,725円,より多くの費用がかかること が示された。治療継続に係る費用や併用薬の投薬費用,デバイスの費用においてエプレレノン群 で多くの費用が多くかかっており,生存期間の延長に伴ってこれらの増加が生じたと推察される。

以上の結果からICER増分費用効果比を示したのが表 16である。1QALY増加させるために必 要な費用は 570,270 円となり,標準治療を受けている日本人慢性心不全患者に対して,エプレレ ノンを上乗せ投与することは費用対効果に優れるという結果が得られた。また,生存期間を1 年 延長するために必要な費用は455,095円であった。

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表 13 臨床イベント

エプレレノン群 12345年 合計 イベント数

心疾患イベントによ る入院

0.16 0.19 0.20 0.17 0.13 1.27

心不全悪化による入 院

0.15 0.21 0.22 0.18 0.13 1.32

心房細動の新規発症 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.09 心血管イベントによ

る死亡

0.05 0.05 0.08 0.09 0.08 0.71

その他の死亡 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.08 有害事象 0.18 0.12 0.09 0.06 0.04 0.67

ICD/CRT留置 0.03 0.03 0.02 0.02 0.02 0.59

治療中止 0.08 0.07 0.06 0.05 0.03 0.42

標準治療群 1年 2年 3年 4年 5年 合計 イベント数

心疾患イベントによ る入院

0.18 0.22 0.22 0.18 0.13 1.23

心不全悪化による入 院

0.25 0.29 0.28 0.23 0.16 1.60

心房細動の新規発症 0.02 0.02 0.02 0.01 0.01 0.12 心血管イベントによ

る死亡

0.06 0.08 0.10 0.10 0.10 0.77

その他の死亡 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.06 有害事象 0.13 0.08 0.06 0.04 0.03 0.43

ICD/CRT留置 0.03 0.03 0.02 0.02 0.02 0.46

表 14 質調整生存年(QALY)および生存年(Life Year)

エプレレノン群 標準治療群 差

QALY 7.16 5.61 1.55

Life Year 8.98 7.04 1.94

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表 15 費用(割引率2.0%)

エプレレノン群 標準治療群 心血管イベントによる入院費用 ¥1,831,387 ¥1,813,133 心不全による入院費用 ¥1,187,190 ¥1,464,970 エプレレノン継続投与にかかる費用 ¥231,905 ¥0 併用薬投与にかかる費用 ¥1,459,275 ¥1,144,350 デバイス留置にかかる費用 ¥2,703,756 ¥2,218,903 疾患管理費用 ¥517,578 ¥405,880 その他のイベント費用(有害事象) ¥61,171 ¥63,299 費用総額 ¥7,992,261 ¥7,110,536

表 16 増分費用効果比(ICER)

Cost per QALY ¥570,270

Cost per LY ¥455,095

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