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2. 地域課題解決に向けた産学官連携の質的変化

2.3 地域課題解決に向けた産学官連携の課題

37 図2.5

従来から多くおこなわれてきた産学官連携モデルの概念図

⼀⽅で,地域課題解決に向けての理想的な産学官連携の体制は,産学官がそれぞれ内発的 に歩み寄り,三巴になって課題を解決していく体制である.地域課題を解決してくために は,⼤学で⽣み出した新しい技術を企業に技術をインプットする従来の流れから,地域課題 解決に向けて⼤学における課題解決策の発案とそれを具体化するために企業の保有する技 術を⼤学が有効に利⽤する流れに変わる必要がある.⼤学発の新しいアイデアや新しい⼿

法と企業の技術を合わせ迅速に地域課題に利⽤していくことが求められる.

これまで,⽇本の多くの企業では,「クローズドイノベーション」といわれる研究から製 品開発までを⼀貫して社内の経営資源だけを⽤いておこなう開発⼿法が主流であった.「ク ローズドイノベーション」は,⾃社における研究開発予算/期間の積み上げや,知的財産の 蓄積においては⼀定の有効性があることが⽰されているが,グローバル化が進み,企業間の 競争が激化している今⽇,新興国の経済成⻑による市場の拡⼤は,製品に求められる市場ニ ーズの多様化を⽣んでおり,そのニーズに対応するだけでなく,他社にはない新たな発想に 基づく製品開発などに対応した,これまでとは異なる新しい開発⼿法が求められている.

2.6

地域課題解決に向けて産学官連携に求められる良好な体制の概念図

「オープンイノベーション」[2.9][2.10][2.11]とは,上記で述べた問題の解決を⽬指し,⾃

社だけでなく他社や⼤学,地⽅⾃治体,社会起業家など異業種,異分野が持つ技術やアイデ ア,サービス,ノウハウ,データ,知識などを組み合わせ,⾰新的なビジネスモデル,研究 成果,製品開発,サービス開発,組織改⾰,⾏政改⾰,地域活性化,ソーシャルイノベーシ ョン等につなげるイノベーションの⽅法論である.そのために企業は,⾃社の保有する技術 をオープンに提供してくことが新しい挑戦となる.現在,多くの⽇本企業がオープンイノベ ーションの有効性やオープンイノベーションへの舵取りをおこなおうと模索を始めている.

地域課題解決において,産学官の連携では,オープンイノベーションの考えに基づき,企業 の技術をオープンに誰もが簡単に利⽤できる形での提供が求められる.

図 2.6 は,地域課題解決に向けて産学官連携に求められる体制を概念図として表してい る.この図では,産学官の各メンバーはそれぞれの強みを⽣かして連携している構図となっ ている.中⼼に位置付けたのは「共創による持続的な地域課題解決,ビジネス展開」である.

従来の役割に加えて,⼤学による新しい発想に基づく課題解決策(仮説)の創出,企業によ る課題解決に必要なオープンな技術提供,⾃治体による内発的な場と機会の提供,これらを お互いに認識した上で地域課題に取り組む良好な体制であり,地域課題解決にはこのよう な産学官連携が望まれる.

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