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kb的 帥 40 20 0 20 40

1     2     3     4  Hb

K・12 (M G1655) chromosome position lxl 1幽株特異的配列の分布

0157とK‑12の各々に特其的に存在する配列(蔚株特異的/レ‑プ) a)分 布とサイズをK‑12 (MG1655)染色体を甚準として示した。

01 57ll00P (17574181181 5593)

tFMAs     ラムタフ7 ‑ジ+E列

01 57・loop f347596985001 65) ラムダファージ…

・+      プロ77‑ジCP4J7 int

K‑1 2lbl叩(2753976‑2776006)

図2 蘭株特異的ループの構造

実際のループの構造の例として2‑)の韻域を示したo Aと13の領域の染 色体卜の位間は図1のAとfiに対応するo

カ所にもなる。

ループの内容をみてみると,大きなループの大部分はプロファージであ る。明らかにファージと判定できるものだけでも18種類が存在し,0157特 異的な配列の半分近くを占める。ただし,大部分のものは種々の欠損など によって欠陥ファージとなっている。この18種類以外にも,インテグラ‑

ゼ以外にはファージ遺伝子らしきものは存在しないものの,全体として ファージ的な構造を持つものが6種類存在する。これらをファージと言い 切ることはできないが,少なくともファージ様の可動性遺伝因子ではあろ う。それらを加えると, 0157特異的な配列の約3分の2がファージあるい はファージ様エレメントということになる。 0157特異的な配列の塩基組 成,あるいはそこにコードされている遺伝子のコドン使用頻度を解析して みても,保存されている基本骨格のものとはかなり違っており,ファージ

病原件大腸蔚ゲノムの多様性一病原性大腸菌0157のゲノム解析から‑ 67

に関係したものだけでなく,0157特異的な配列の多くが外来性のDNAで あることが示唆される。こういった事情はK‑12特異的な領域をみても同 様であり,大腸菌の遺伝的多様性は4.1Mbの基本骨格にどのような外来 性遺伝子を獲得したかで規定されているといえる。この外来性遺伝子の獲 得において,ファージないしはファージ様の遺伝因子が驚くほど大きな役 割を果たしていることは明らかである。

ファージに関してもう少し詳しくみてみると,18個のファージのうち13 個は互いによく似たラムダ様ファージであり,これらはDNA塩基配列の レベルでもかなり高い相同性を示す。1つのゲノム上に,どうしてこれほど よく似たファージが集積し,しかもある程度安定に保持されているのかは 大変興味深い点である。ファージあるいはファージ様ループに関連したも うひとつの重要な知見は,これらがtRNA(またはtmRNA),とくに単独 で存在するtRNA遺伝子をattachment siteとして使用する頻度が非常に 高いことである。 0157染色体上に存在する25ヶ所の単独tRNA遺伝子座 のうち, 10カ所にはファージないしはファージ様ループが挿入されてお り, 1つのtRNAに異なるファージがタンデムに挿入されているケースち 2カ所で見られる。様々な可動性遺伝因子がtRNAへ挿入されを例は数多

く報告されているが15),その実態が1つのゲノムレベルで明らかになった のはこれが初めてであろう。少なくとも大腸菌においては,単独で存在す るtRNA遺伝子はファージにとって最も都合のよいattachmentsiteであ るといえる。なお, IS配列などに関しても,興味深い知見が得られている が,その詳細については割愛する。

4. 0157の病原遺伝子′

医学細菌学の立場からみると,やはりどのような病原遺伝子が存在する かが最大の興味である。この点に関しても,我々が期待した以上に多様な 病原遺伝子(正確に言えばその候補遺伝子)が新たに兄いだされている。主 だったものだけでも, LEEとは別の新しいtypeIII分泌システム(サルモ ネラの細胞内侵入に関わるシステムとよく似ている) ・多数の線毛遺伝子・

複数の非線毛性定着因子・多数のl()m様遺伝子(プアゴゾ‑ム内での殺菌

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に抵抗性を付与する可能性がある) ・数種の血清耐性に関連した遺伝子や 活性酸素のスカベンジャジャー, RTX毒素様遺伝子や潜血毒素様遺伝子 などが挙げられる。鉄や‑ムの獲得システムと考えられる遺伝子群も複数 存在する。これらの遺伝子セットからどのような病原性メカニズムが考え られるかということが,今後の0157研究において非常に重要なポイント の1つになると思われる。もちろん,最終的な解答は個々の遺伝子の機能 解析を得たねばならないが,多数の線毛遺伝子や非線毛性定着因子の存在 からは,細胞など様々な部位への付着に関して,相当に高い潜在的能力を

もつことが示唆される。また現在のところ, 0157の感染の場は腸管上皮の 表面と考えられているが,新しいtypeIII分泌システム・多数のlom様遺 伝子・血清耐性遺伝子・活性酸素のスカベンジャーの存在は,感染成立の どこかの過程で細胞内あるいは組織内に移行するようなステップが存在す る可能性を示唆しているように思える。

一方,̲糖やアミノ酸などの取り込み・代謝系遺伝子に関しても, 0157に 特異的な遺伝子が数多く見つかっている。 sucrose operonなどを除くと, 遺伝子の相同解析からだけでは基質の同定が難しいケースも多いが,これ

らの遺伝子を利用して新しい0157特異的な選択培地を考案できる可能性 も考えられる。こういった意味でも,これらの代謝系遺伝子の機能解析は 今後重要であろう。なお, 0157染色体上にはK‑12には存在しないtRNA 遺伝子が20個存在する。これらのtRNAの役割についても非常に興味深 い解析結果が得られているが,本稿では割愛する。

5.まとめと今後の展望

これまで述べてきたように, K‑12と0157の全ゲノム配列の比較によ り,大腸菌のゲノム構造の予想以上の保存性が明らかになった一方で,鷲 くほどの遺伝情報の多様性も明らかになったといえる。基本的には,この 遺伝情報の多様性は,その大腸菌株がどのような外来性DNAを獲得した かによって規定され,その獲得にはファージまたはファージ様エレメント が中心的な役割を果たしたと考えられる。

それでは,こういった知見を基に今後どういった展開が可能であろうか。

病原性大腸繭ゲノムの多様性一病原性大腸節0157のゲノム解析から‑ 69

もちろん,新しく見つかった遺伝子の個別あるいは系統的な機能解析は重 要である。一方,比較ゲノム学的な観点からみると,もしも各菌株に特異 的な配列を全て知ることができれば, 0157の場合と同様に,それぞれの病 原性を解析するうえで極めて有用な情報が得られることは間違いない。し かし,いろいろな大腸菌のゲノム解析を片っ端から行うことができるかと いうと,コスト的にほとんど不可能である。そこで注目すべきは,大腸菌 に共通と考えられる4.1Mbの染色体基本骨格であろう。現在,我々はこの 基本骨格の配列の保存性を利用して,各種大腸菌株の全ゲノム領域をPCR で一度に解析し,短時間で菌株特異的領域を同定できる新しい解析法の確 立を試みている(wholegenomePCRscanning法と呼ぶ)。かなり大胆な 試みではあるが,配列の保存性の高さとlongPCR技術の進歩を考えると, それほど難しい解析ではない。こういった方法によって,種々の菌株に特 異的に存在する遺伝子の網羅的な検索を行い,それらをデータベースする ことが1つの目標であるが,これによって大腸菌の遺伝的多様性の全貌が 明らかになるだけではなく,各タイプの病原性大腸菌の病原性機構の解明, さらには分子疫学や診断法の確立といった実用的な面でも有用な情報基盤 が得られるものと考えている。

参考文献

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腸球菌プラスミドの接合伝達:

mating signalと受容菌の役割

谷本弘一

は じ め に

腸球菌はグラム陽性球菌で院内感染における日和見感染菌として重要に なってきている。特にバンコマイシン耐性(グリコペブタイド耐性)腸球 菌はすべての抗生物質に対して耐性になっているケースがあり医療現場で は大きな問題になっている1・2)。しかしながら腸球菌自体は元来目立った病 原性因子を持っておらず,どちらかといえばA群連鎖球菌であるStreptoI coccus 」抄ogenesの方が病原細菌としては強い菌として知られている。にも かかわらずStref,i()C()ccus I,yogenesがそれほど大きな問題にならないのは

薬剤耐性株がほとんど出てこないからであり,逆に腸球菌が問題になった のは薬剤耐性菌が出現しやすかったからである。これは腸球菌には効率の 良い遺伝子伝達のための系が存在していることに起因すると考えられる。

接合伝達性プラスミドや接合伝達性トランスポゾンがそれである。それゆ え腸球菌の接合伝達性プラスミドはグラム陽性菌の中では特異な存在であ ることが考えられる。その良い例として7‑8個のアミノ.酸よりなるsex pheromoneに反応して接合伝達を行うプラスミドが腸球菌の一種である Enterococcusfaecalisで知られていた3)。このタイプのプラスミドのみが液 体培地中で非常に高頻度で伝達するとされていたが我々は近年sex pher‑

omoneに反応しないにも関わらず液体培地中で高頻度で伝達するカナマ イシン,ゲンタミシン耐性プラスミドを臨床由来の腸球菌の一種である

群馬大学・医学部

ドキュメント内 遺伝情報のダイナミズムとその分子機構 (ページ 71-113)

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