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このような検討を行う場合は、調査場所、時期、頻度、努力量等が均等に行われ ていることが理想ではあるが、実際には、調査員のデータ、地元同好会誌、官公庁 公式データなど様々なデータを用いたため、ある特定の地区や種類及び調査方法に 偏りなども一部見受けられる。しかしながら、全体の記録例を多く扱うことにより、

全体像を明らかにするという方針でこのように行った。実際のところ、タイワンツバ メシジミのように種類を絞っての調査が実施されたために、実態よりも記録例数割合 が過大な傾向を示している事例も見受けられた。

○○

○○極極極極めてめてめて稀めて稀稀稀ななななチョウチョウチョウチョウ

現在までの記録例が非常に少なく、記録例が 例以下の極めて稀にしか見られない

5

種を該当種とした (表 参照)。

2

キバネセセリ(

1965

)、スジグロチャバネセセリ(

1988

)、ヘリグロチャバネセセリ

1988

)、ヒサマツミドリシジミ(

1984

)、クロシジミ(

1981

)、オオウラギンスジヒョウ モン(

1972

)、キマダラモドキ(

1965

)

このうち、ヘリグロチャバネセセリ及びクロシジミを除く 種は、 例のみの記録

5 1

(複数個体の記録もある)で産地も ヶ所であり、今回の現地調査でも確認できなか

1

った。種名後ろのカッコ内に記録年を示した (ヘリグロチャバネセセリ及びクロシ。 ジミについては最終記録年を示した )また、これらの種は、全て県。

RDB

掲載種で ある。

9

○○

○○稀稀稀稀なななチョウなチョウチョウチョウ

、 。

記録例が少ない種で 記録例が ~

6 20

例の稀にしか見られない種を該当種とした

( ~

6 10

件の記録例種)

シータテハ、オオウラギンヒョウモン

( ~

11 20

件の記録例種)

ミスジチョウ、フジミドリシジミ、ヒメキマダラヒカゲ、ジャノメチョウ、ウラキ ンシジミ、カラスシジミ、クモガタヒョウモン、アイノミドリシジミ

これに続くのはエゾミドリシジミの

21

件及びオオミドリシジミの

22

件である。ま た、これらの種も全て県

RDB

掲載種である。

、 、 、 、 、

今回の調査で シータテハ ミスジチョウ ヒメキマダラヒカゲ ジャノメチョウ ウラキンシジミ、カラスシジミ、クモガタヒョウモン、アイノミドリシジミが確認で きた。

○本市本市本市本市ではではではでは絶滅絶滅絶滅絶滅したとしたとしたとしたと思思思われる思われるわれるわれるチョウチョウチョウチョウ

クロシジミ、オオウラギンヒョウモンの 種が絶滅したと思われる。両種共に県

2

絶滅危惧 類である。

RDB IB

前者は

1959

年行縢山及び

1981

年北浦町古江飯塚山の記録があるが、それ以後の記 録はない。当時の採集地を明確に特定はできていないが、 つの産地共に環境がかな

2

り変化しており、絶滅した可能性が高い。

後者は、本市では稀ながら広い地域に生息していたと思われるが、

1980

年を最後 に記録がない。よく目立ち注目度も高いチョウでありながら、約

30

年も記録がない ことを考えると絶滅した可能性が高い。本種は、過去に個体数が多かった宮崎市や須 木村等の多くの県内産地でも絶滅したと思われ、また、全国的にも多数の産地から絶 滅の報告がある。

No. 区分 種名 県RDB 国RDB記録例数合計記録例数合計記録例数合計記録例数合計 ~'79年例数 80~'89例数 90~'99例数 00~'09例数

1 キバネセセリ VU-r 1111 1 0 0 0

2 スジグロチャバネセセリ NT-r NT 1111 0 1 0 0

3 ヒサマツミドリシジミ VU-r 1111 0 1 0 0

4 オオウラギンスジヒョウモンNT-g 1111 1 0 0 0

5 キマダラモドキ NT-r NT 1111 1 0 0 0

6 クロシジミ EN-r CR+EN 5555 1 4 0 0 7 ヘリグロチャバネセセリ NT-r 5555 1 4 0 0

8 シータテハ NT-g 6666 1 4 0 1

9 オオウラギンヒョウモン EN-g CR+EN 7777 6 1 0 0 10 ミスジチョウ VU-r 13131313 7 1 2 3 11 フジミドリシジミ NT-g 13131313 0 12 1 0 12 ヒメキマダラヒカゲ NT-r 15151515 9 3 0 3 13 ジャノメチョウ NT-g 15151515 7 2 2 4 14 ウラキンシジミ NT-g 17171717 3 5 6 3 15 カラスシジミ NT-g 17171717 1 13 0 3 16 クモガタヒョウモン NT-g 19191919 7 6 5 1 17 アイノミドリシジミ NT-g 20202020 1 17 1 1 18 エゾミドリシジミ NT-g 21212121 8 11 0 2 19 オオミドリシジミ NT-g 22222222 7 9 5 1 20 **ヤマキマダラヒカゲ 24242424 4 2 9 9 21 ミズイロオナガシジミ 24242424 12 4 1 7 22 スギタニルリシジミ NT-g 25252525 0 5 5 15 23 ヤマトスジグロシロチョウ NT-r 28282828 0 5 0 23 24 メスアカミドリシジミ NT-g 29292929 7 14 6 2

25 アカシジミ 30303030 7 7 6 10

26 ウラギンスジヒョウモン EN-g NT 32323232 6 9 13 4 27 ミドリヒョウモン 33333333 11 7 8 7 28 ウラクロシジミ NT-r 37373737 1 19 10 7 29 オオムラサキ NT-g NT 38383838 9 18 8 3 30 ゴイシシジミ NT-g 41414141 15 9 13 4 31 コチャバネセセリ 45454545 17 2 10 16 32 ウラギンヒョウモン サト:EN-g

ヤマ:NT-g 45454545 19 5 12 9 33 ミヤマチャバネセセリ NT-g 46464646 9 2 27 8 34 ヒメキマダラセセリ 47474747 9 5 16 17 35 キマダラセセリ 48484848 14 2 9 23

**ヤマキマダラヒカゲは「キマダラヒカゲ」、「Neope sp. 」等サトキマダラヒカゲと区別のつかない記録は 除いている。

表 表 表

表2 2 2  2      稀少種等 稀少種等 稀少種等 稀少種等の の の の記録例数一覧表 記録例数一覧表 記録例数一覧表 記録例数一覧表

稀 めて極

10

11

3 3

3 3)- )- )-3 )- 3 3 3- - - -② ② ② ② 年代別 年代別の 年代別 年代別 の の の増減 増減 増減 増減 について について について について

前述した年代別記録例数割合を年代別に比較することにより、主に

1990

年を境に 増減を検討した。

ここでいう

1980

年代以前は

1938

年~

1989

年までの記録

4,425

例が対象、

1990

年以 降は、

1990

年~

2009

年までの記録

12,123

例が対象である。

記録例数割合=

1,000

(ある種のその年代における記録例数)/(その年代における総記録例数)*

(ウラギンヒョウモンの計算例)

1950

年代以前

1

例 総記録例数

221

記録列数割合

4.5 1960

年代

10

例 総記録例数

1,776

記録列数割合

5.6 1970

年代

8

例 総記録例数

986

記録列数割合

8.1 1980

年代

5

例 総記録例数

1,442

記録列数割合

3.5 1990

年代

12

例 総記録例数

6,758

記録列数割合

1.8 2000

年代

9

例 総記録例数

5,365

記録列数割合

1.7

1960

年代の記録例数割合

10

1,776

1,000

5.6

1980

年代以前と

1990

年以降(

1990

2009

年)の記録例数割合比較(%)

12+9 6,758+5,365 1+10+8+5 221+1,776+986+1,442 100

{( )/( )}/{( )/( )}*

31.9

*上記の値が

100

より小さいと減少傾向、大きいと増加傾向を示している。

例に示したウラギンヒョウモンの

31.9

は、

'80

年代以前に比べ

'90

年代以降の出現 率が 割程度に減少したことを意味する。

3

「極めて稀なチョウ」及び「稀なチョウ」はデータ総数が

20

以下と少なく、解析が 難しいのでそれ以外の種を対象とした (クモガタヒョウモンは典型的な近年減少傾。 向が見られたのでこれに加えた )。

表 に

3 1990

年を境に、減少が大きい順(表 の⑤列)に記載した。

3

○ ○

○ ○ 県 県 県 県 RDB 種 種 種 種

年代以前と 年以降の比較)

☆☆

☆☆減少減少減少減少ががが著が著著著しいしいしいしい県県県県

RDB

種種種種

1980 1990

50% 3

記録列数割合が 以下に減少しているものとして以下の種があげられる (表。 参照)

、 、 、 、

①エゾミドリシジミ オオミドリシジミ メスアカミドリシジミ ウラクロシジミ キリシマミドリシジミ、ウラキンシジミのミドリシジミ類

②クモガタヒョウモン、ウラギンヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンのヒョウモ ンチョウ類

③タイワンツバメシジミ、

④オナガアゲハ、ゴイシシジミ、オオムラサキ

12

①エゾミドリシジミ等のミドリシジミ類

本市に生息するミドリシジミ類は、アカシジミ、ミズイロオナガシジミの 種を

2

除き、他は県

RDB

掲載種である。そのいくつかは、極めて稀、又は稀な種である ため データが少なく増減の検討は困難であるが エゾミドリシジミ等の前述、 、 (

P11

①) 種は記録列数割合が大きく減少している。これらの種は、主に越冬卵で確認

6

されているため、調査時点で対象種が絞られるなど、この方法では表しにくい状況 もあるが、感覚的にも全体的に減少し、特にエゾミドリシジミでは減少傾向が著し く感じられる。いずれも、ブナ帯、ミズナラ帯及びその下のアカガシを主とした照 葉樹林に生息するため、これらの環境が保全が重要である。

②クモガタヒョウモン、ウラギンヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン等のヒョウ モンチョウ類

唯一多化性のツマグロヒョウモンを除くと、ヒョウモンチョウ類全ての種が減少 傾向にある。記録が1例のみのオオウラギンスジヒョウモンは別として、オオウラ ギンヒョウモンは絶滅したと考えられるし、クモガタヒョウモンはデータが少ない ものの、

'90

年代に入って激減し、

2000

年以降は 例のみの記録である。

1

ウラギンヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンの 種は、草原的環境を好む傾向

2

が強く、ヒョウモンチョウ類の中でも特に減少が著しい。ウラギンヒョウモンは、

記録列数割合の減少に伴い、産地数も激減している。ウラギンスジヒョウモンは、

もともと産地が限定的で少ないが、現在の確実な生息地は ヶ所である。その生息

2

地も、放牧の撤退や公園化などで良好な草原が衰退し、生息環境は年々悪化し、絶 滅が危惧される。

③タイワンツバメシジミ

本市だけでなく、宮崎県をはじめとする各産地で衰退が著しい種である。本市で も、

'80

年代前半までは、市内各地に産地があり個体数も多かった記録が残ってい

'90 '89 '90

る。 年代以降 旧市内では極端に産地が減少した 記録列数割合は、 。 年以前と

'09

年を比較すると約

20%

(約

80%

減)に大きく減少している。記録された産地 数も半減し、特に

'80

年代と

'90

年代の産地数を比較すると、後者が 割程度に大き

1

く減少している。

2000

年以降、産地数や記録列数割合が

'90

年代より上がっている のは、本種に的を絞った調査が実施され、北浦町などに新産地が発見されるなど人 為的な影響もあり、現実として近年の減少は憂慮すべき状況である。

年頃まで多産していた隣接の門川町遠見山は、 年以降ほとんど見られ

1995 1996

なくなった。現在の県北の産地は、小さなスポットで大きな多産地はなく ヶ所の

1

生息数も少ない。

④オナガアゲハ、ゴイシシジミ、オオムラサキ

これらは、里山及びそれより少し山地に入ったところで見られる種である。

オナガアゲハは、以前は市街地に近い記録地もあったが、近年はこれらの産地は 消滅していると考えられる。

'90

年代に入って減少したが、

2000

年以降はほぼ現状 維持の感があり、桧山などの産地は健在である。

ゴイシシジミはアブラムシ類と特異な関係の生態を持っている種であるが、以前 市街地にあった産地を中心に減少している。

オオムラサキはもともと本市においては個体数が少ない種であり、稀に成虫が記

'90 1981 1978

録されるに過ぎず、これは 年代以前も同様であった。岩﨑郁雄( )が

1981

年にかけて旧3北を含む延岡市でかなり綿密な越冬幼虫の調査を行って、

多くの産地を明らかにした。その後は大規模な調査が実施されていないので明確な ことは言えないが、越冬幼虫の確認も少なく減少傾向を感じる。