第 4 章 災害対策本部の震災当日の検証
3 反省と検証
第 5 章 検証を踏まえての今後の防災まちづくり
1 尊い命とまちを守るために
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は、これまでに経験したことがない大きな 地震と津波により、かけがえのない尊い人命と財産、これまで築き上げてきた歴史的、文 化的財産をも奪い去るとともに、本市の中枢をなしてきた市街地や商業・観光施設、地場 産業施設、住宅、交通網、行政機能など広範多岐にわたる地域の社会的機能に壊滅的な被 害を与え、社会経済活動に甚大な被害をもたらした。今回のかつてない大震災の猛威や恐 ろしい経験と津波防災、減災への教訓を謙虚に受け止め、市民が安心して暮らしていける まちづくりに全力をあげて取り組まなければならない。
これを実現するために、平成 23 年 12 月に、本市の創生と活力向上に繋がる「陸前高田 市震災復興計画」を策定した。平成 23 年度から 30 年度までの 8 年を計画期間として定め、
6 つのまちづくりの基本方向の第一に、「災害に強い安全なまち※」を定めた。
同計画においては、このような甚大な被害に鑑み、防潮堤や水門など海岸保全施設等に よる防災対策はもとより、避難路の整備、コンパクトな市街地の形成、市街地のかさ上げ、
避難情報の速達性の確保、防災啓発、ハード、ソフトの施策を駆使し、子どもたちから高 齢者まで、誰もが安全と安心を実感できる多重防災型のまちづくりに向けた計画づくりを 基本とする。
※ 以下、陸前高田市震災復興計画(P11)の「災害に強い安全なまち」より抜粋
【基本方向】
防潮堤等の海岸保全施設や幹線道路、避難道路の整備を促進するとともに、防災計画 の再整備、救援・救護体制の整備など、防災体制の再整備による「津波防災」と「減災」
を組み合わせた多重防災型の災害に強い安全なまちづくりを進めます。
【重点目標】
・「海岸保全施設」、「まちづくり」、「ソフト対策」を組み合わせた複合対策を図ります。
・防潮堤、三陸縦貫自動車道、国道 45 号、国道 340 号、国道 343 号、主要地方道大 船渡・広田・陸前高田線、一般県道陸前高田停車場線、鉄道などの骨格となる社会 資本整備とまちづくりとの連動による総合的に災害に強いまちの再構築を図ります。
・市街地については、複数の南北方向の避難道路と東西方向の避難道路(アップルロ ードの延伸)の整備を促進します。
・海岸地域の低地部は、東日本大震災による津波浸水域や防潮堤等の整備を考慮し、
移転促進区域の設定を基本に非居住区域とするとともに、住居地域の高台への移転 等を計画します。
2 海岸保全施設の整備
東日本大震災の津波により、高田松原第 1 線提、第 2 線提をはじめとする防潮堤、河川 水門、河川堤防、海岸防災林がことごとく壊滅的な被害を受け、津波が河川を遡上するな どの形で、市街地が全域にわたり浸水し、市庁舎や消防庁舎等も全壊の被害を受け、行政 機能が麻痺状態に陥った。
このことから、震災復興計画にもとづき、まず市街地等の再生を図るための前提となる 防潮堤等の海岸保全施設の整備を図る。
震災前までは、チリ地震津波被害を基準として整備した防潮堤の高さは、T.P.(Tokyo Peil の略で、東京湾の平均海面からの標高をいう。)5.5m であった。今回の東日本大震災 の津波後にあっては、頻度の高い数十年から百数十年で発生する津波(L1)に対し、海岸 保全施設等で安全を確保すべきものとし、市内では最高値で T.P. 12.5m の防潮堤を建設 することになっており、加えて、新たに気仙川や長部川等への津波の遡上を防ぐため、河 口部において水門の整備を行う。
また、防潮堤施設の整備にあわせ、津波監視装置等の整備を推進していく。
図 5.2 気仙川水門イメージ図