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電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性 HBC 誘導体単成分

第四章 電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性 HBC 誘導体

第4節 電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性 HBC 誘導体単成分

Figure 4-7には、電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性HBC誘導体の単成分単分

子膜の光電流発生量を示す。なお、HBC-TEG-monoC60単分子膜の移行圧は30 mN/mとし た。また、参考として30 mN/mで移行したHBC-TEG単分子膜の光電流発生を示す。な お、これらの光電流値は、分子密度が30 mN/mにおけるHBC-TEG単分子膜と等しくな るように規格化した値である。電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性HBC誘導体 は、電子ドナーとアクセプターが共存しているため、単分子膜内で電荷分離がスムーズ に行われる、ひいては増大した光電流値が得られることが期待された。しかし、実際に

はHBC-TEG単分子膜よりもかなり小さな電流値が観測された。これは、電子アクセプ

ター部位がHBC間に入り込んだことに起因すると考えられる。本来であれば、HBC同 士が相互作用して形成する構造体がキャリアパスとして機能するはずであるが、HBC 層へのアクセプター部位の侵入によって、HBC の構造体形成が妨げられ、キャリアパ スの機能を果たさなくなったと推察する。したがって、電子ドナーとアクセプターの共 存によって電荷分離が促進されても、発生したキャリアを効率よく取り出すパスを確保 できなかったことから、電流値の増大には至らなかったと考えられる。

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Figure 4-7 各化合物の固体基板上単分子膜の光電流値。

HBC-TEG-monoTNFとHBC-TEG-bisTNF単分子膜に関しては移行圧を20 mN/m とした。また、HBC-TEG-monoC60、HBC-TEG単分子膜に関しては、移行圧は30 mN/mとした。なお、ここで示した光電流値は、分子密度が同じになるよう規格 化した。

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第5節 結論

本章では、電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性HBC誘導体の単分子膜を作製 し、水面上・固体基板上移行膜の構造解析を行い、また、固体基板上移行膜の光電流発 生量を、電子アクセプター部位を持たないHBC-TEGのそれと比較した。電子ドナー/

アクセプター結合型両親媒性HBC誘導体は、電子アクセプター部位を持たない化合物

HBC-TEGよりも崩壊圧が低いことから、不安定な膜を形成することが分かった。水面

上単分子膜においては、電子アクセプター部位の疎水性やあるいはHBC間との相互作 用によって、電子アクセプターはHBC層と親水基層に侵入していると考えられる。ま た、そのような構造は、表面圧が高い領域でも解消されることはなかった。アクセプタ ーの侵入により、HBC部位の相互作用が阻害され、それがUV-visスペクトルのピーク 位置に反映されたと予想される。Figure 4-8に、電子ドナー/アクセプター結合型両親 媒性HBC誘導体単成分単分子膜の分子充填の模式図を示す。本来、キャリアパスとし て機能するはずのHBC構造体の秩序性が低下し、効率よくキャリアを輸送出来なかっ たために、電子ドナーとアクセプターが共存しているにも関わらず、電子アクセプター を持たない HBC-TEG よりも小さい光電流値を示したものと思われる。本章の検討よ り、電子ドナーとアクセプターの共存と合わせて、キャリアパスを確保する必要性が示 された。

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Figure 4-8 電子ドナー/アクセプター結合型両親媒性HBC誘導体分子の

単分子膜内での充填の様子。(a)HBC-TEG-monoC60

(b)HBC-TEG-monoTNF、(c)HBC-TEG-bisTNF

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