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では、南大阪地域の市街地にある大型都市公園や大学構内、および河 川敷、水田、里山林において調査を行い、地表性甲虫類の生息場所としての都

市緑地の重要性を明らかにした。この調査では、郊外の里山林や水田、あるい は河川敷のように広がりのある緑地(r広域緑地J ) の方が、市街地内に孤立し た緑地(r孤立緑地J ) より多くの種が記録された。また、全地点に共通する「生 息場所ジェネラリスト J( N i e r n e l a  e t  a 1 . ,   1 9 9 2 ) 的な種がし、る一方で、河川敷、

水田、里山林のいずれかのみで捕獲される森林や草原の「スペシャリスト」的 な種の存在も確認された。とくに、里山林ではオサムシ E 科の大型種・日本固 有種であるヤコンオサムシやマイマイカブリが含まれるなど、特徴的で、あった。

また、水田のみでアオグロヒラタゴミムシのような「草地性スペシャリスト J と考えられる種が認められた。

一方、第 2 章では都市域を流れる大和川河川敷において調査を行い、大きな 河川の河川敷も地表性甲虫類の重要な生息場所であることを明らかにした。大 和川河川敷の優占種は、農耕地や里山林、都市公園などでも見られる「生息場 所ジェネラリスト J ( N i e r n e l a   et a 1 . ,   1 9 9 2 ) 的な種であった。しかし、地点ご とに種構成が少しずつ異なり、とくに山間部の河川敷では、オオアオミズギワ ゴミムシやカワチマルクピゴミムシのような砂磯河原の水辺を特徴づける種が 認められた。また、オオクロツヤヒラタゴミムシのような「森林性

j

のツヤヒ

ラタゴミムシ類(石谷, 1 9 9 6 ; 松本, 2 0 0 5 ,  2 0 0 8 a など)が多く確認された地点 もあった。第 2 章の結果は、大和川河川敷には、生息、場所ジェネラリストを主 体に水辺の種や森林性の種などからなる、多様な地表性甲虫群集が成立してい

ることを示している。

このように大阪のような都市化の進んだ地域において、さまざまなタイプの 都市緑地は地表性甲虫類の重要な生息場所であり、とくに里山林や水田、河川 敷といった「広域緑地」では、それぞれに特徴的な群集が認められた。これに 対して、市街地の中にある「孤立緑地」の地表性甲虫群集は、種数が少なく、

生息場所ジェネラリスト的な種を主体とし、大型種や日本固有種が乏しいなど の傾向が認められた。これらの結果は、市街化が進み、緑地が孤立することに より森林性や草地性のスペシャリスト、大型種、日本固有種などが衰退し、全 体として地表性甲虫類の群集構造が貧弱になることを示すと考えられる。

そこで本章では、南大阪地域の市街地に散在する大小の都市緑地に成立する 地表性甲虫群集の性質を明らかにするために、面積や造成後の年数、公園内・

外の環境などが異なる 1 2ヶ所の都市公園で、無餌のピットフォールトラップ法を

用いた捕獲調査を行った。

調査地および方法

調査は、 2007 年 4

.....

1 2月に南大阪地域の「海とのふれあい広場J (地点 1 2 ) 、

「大浜公園 J (地点 1 3 ) 、「高砂公園 J (地点 1 4 ) 、「浜寺公園 J (地点 1 5 ) 、「鈴の 宮公園 J (地点 1 6 ) 、「白鷺公園 J (地点 1 7)、「黒鳥山公園 J (地点 1 8 ) 、「荒山公 園 J (地点 1 9 ) 、「泉ヶ丘緑地 J (地点 2 0 ) 、「茶山公園 J (地点 2 1)、「庭代公園」

(地点 2 2 ) 、「光明池公園 J (地点 2 3 ) の合計 1 2 地点において、ピットフォール トラップ法により行った ( F i g . 3 ‑ 1 ) 。 トラップにはプラスティック製のカップ (口径 7cm ,深さ 1 0 c m ) を用い、誘引物は入れず、雨水を抜くために底に小さ な穴を開けた。 トラップは、地点ごとに 2ヶ所の異なる環境を選び、 20個を 5 m 間隔で l列に、開口部を地面と同じ高さにして埋設した。 トラップの設置期 間は 1 週間とし、各地点において 1 8 回ずつ行った。実際に回収したのべトラッ プ数は、それぞれ 345 、348 、357 、332 、3 4 6 、304 、342 、3 0 7 、3 3 3 、3 2 1 、297 、 297 個であった。各地点の概要は以下のとおりである。

地点 1 2 (海とのふれあい広場):堺市境区築港八幡町の埋立地に位置し、面積 は約 15.8haで 2000 年に造成された。この公園は大和川の河口に近くに位置す る。トラップは、トベラ Pit  t o s p o r u m  t o b i r a 群落に 1 0 個、シロツメクサ T r i f o l i u m r θ

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e n s やメヒシパなどの草本が優占する草地に 1 0 個設置した。

地点 1 3 (大浜公園):堺市境区大浜北町に位置し、面積は約 1 6 .3ha で 1976 年 に造成された。公園内には野球場、プール、体育館などがある。 トラップは、

数本のエノキ C e l t i ss i n e n s i s  v a r .   j a p o n i c a とヤマザクラの樹下のメヒシパ などの草本が優占する地表に 1 0 個、エノコログサとメヒシパなどの草本が優占 する草地に 1 0 個設置した。

地点 1 4 (高砂公園) :高石市の埋立地に位置し、面積は約 4.8ha で 1979 年に

造成された。海に固まれており、 2 つの橋で陸地と連結されている。トラップは、

シャリンパイ肋 a p h i o l

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i si n d i c a   v a r .   u m b

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l l a t a などの落葉樹が植栽されて おり、セイタカアワダチソウ S o l i d a g oc a n a d e n s i s   v a r .   s c a b r a などの草本が 優占する草地に 1 0個、アレチマスピトハギル s m o d i u mp a n i c u l a t u m やブタナ H y p o c h a e r i s  r a d i c a t a などの草本が優占する草地に 1 0 個設置した。

地点 1 5(浜寺公園):堺市西区および高石市の臨海地域にまたがる府営の都市 公園である。面積は約 48.4haで 1 8 7 3年に造成された。 トラップは、キョウチ ク ト ウ 胎 ' r i u mi n d i c u m の植え込み近くの芝生に 1 0 個、シラカシの植え込み近 くの芝生に 1 0 個設置した。

地点 1 6 (鈴の宮公園) :堺市中区八田西町に位置し、面積は約 1.4haで 1976 年に造成された。八回大明神社と隣接している。 トラップは、エノキやネズミ モチ L i g u s t r u mj a p o n i c u m などの落葉樹が植栽された芝生に 1 0 個、植栽された アラカシの林床に 1 0 個設置した。

地点 1 7 (白鷺公園) :堺市東区白鷺町に位置し、面積は約 9ha で 1 9 8 6 年造成 された。野球場及び運動場が設置されている。ソメイヨシノ P r u n u sXy

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n s i s   並木の樹下のメヒシパなどのイネ科草本が優占する草地に 1 0 個、池の斜面の芝 生に 1 0 個設置した。

地点 1 8 (黒鳥山公園) :和泉市黒鳥町に位置し、面積は約 7.2ha で 1 9 6 0 年に 造成された。周辺には水田や作物畑、公園内には大きな非舗装の駐車場があっ た 。 トラップは、コナラとクヌギを主体とする二次林の林内に 1 0 トラップ、池 の隣の芝生に 1 0 個設置した。

地点 1 9 (荒山公園):堺市南区富山台に位置し、面積は約 17.4ha で 1 9 8 2 年に

造成された。元は多治速比売神社の社有地で約 1 , 400本のウメが植栽されてい

る 。 トラップは、ユリノキ L i r i o d e n d r o nt u l i p i f e r a やネズミモチ植栽されヒ

メジョオン E r i g e r o na n n u u s などの草本が優占する草地に 1 0 個 、 トウカエデが 植栽された林床に 1 0 個設置した。

地点 2 0 (泉ヶ正緑地) :堺市中区上之に位置し、面積は約 5 .3 h a で 1 9 8 2 年に 造成された。周辺は住宅に固まれているが、公圏内には二次林が残されていた。

トラップは、セイタカアワダチソウやクサイ Juncust e n u i s などが優占する草 地に 1 0 個、コナラとクヌギを主体とする二次林の林内に 1 0 個設置した。

地点 2 1 (茶山公園):堺市南区茶山台に位置し、面積は 4.4ha で 1 9 8 2 年に造 成された。公園内には野球場があり、周辺は住宅地に固まれていた。ユリノキ やナンキンハゼ、行 i a d i c as e b i f e r a などの落葉樹が植栽された芝生に 1 0 個、ア

ラカシ林の林床に 1 0 個設置した。

地点 2 2 (庭代公園) :堺市南区庭代台に位置し、面積は 6.9ha で 1 9 8 2 年に造 成された。公園内には野球場があり、周辺は住宅地に固まれている。ヤマモモ M y r i c a  rubra やアラカシなどの落葉樹が植栽された地面に 1 0個、ネムノキ A l b i z i a  J u l i b r i s s i n やアキニレなどの植栽された芝生に 1 0 個設置した。

地点 2 3 (光明池公園):和泉市光明台、和田町及び堺市南区域山台にまたがり、

面積は 33.4haで 1 9 8 7 年に造成された。公圏内には濯瓶用の大きな人工池があ った。 トラップは、ヨモギやクズ P u e r a r i al o b a t a などの草本が優占する草地 に 1 0 個、コナラとクヌギを主体とする二次林の林縁で 1 0 個設置した。

各地点の地表性甲虫類群集の構造を比較するために、種数、捕獲個体数、密 度(1 0 トラップ当たりの捕獲個体数)、種構成に加え、 Simpson ( 1 9 4 9 ) の多様 度指数(1‑ 1) 、 Shannonand Weaver ( 1 9 4 9 ) の多様度指数 ( H ' ) 、 Pielou( 1 9 6 9 )   の種均衡度指数 ( J ' ) 、S ゆ rensen ( 1 9 4 8 ) の類似度指数 ( Q s ) による解析を行 った。 1‑ 1 、 H¥f 、 Qs は次式により算出した。

1  ‑ 1 

~

( n  

i ‑

1 )   /  N ( N  ‑ 1 )  

u '   ‑

~

((n 

j  ‑

1 )   l o g s   ( n  

i ‑

1 ) )   J '   =  ‑

~

(  ( n  

j  ‑

1 )   l o g 2   ( n  

i ‑

1 ) )  

ただし、 n

j

は i番目の種の個体数、 N は全種の合計個体数を、 S は種数を示す

o

Q s   =  2  c  / (a  +  b  ) 

a 、 b : 両地点の種数 c : その共通種数

また、各地点で捕獲された各種のサイズと分布型別の種数の割合について、