第4章 健康・医療情報の分析と課題の把握
4. 医療費の分析
(2) 生活習慣病等医療費
加古川市国民健康保険における生活習慣病 13 疾病と慢性腎不全(以下「生活習慣病等」という。)を 母数とした医療費の割合を兵庫県市町国民健康保険、全国市町村国民健康保険と比較すると、糖尿 病、高血圧症、脂質異常症、脳梗塞の割合について兵庫県、全国よりも高くなっている。慢性腎不全
(人工透析有)については全国を下回っているものの、兵庫県を上回っている。なお、医療費割合の構 成については兵庫県、全国と同様の傾向となっている。
【生活習慣病等医療費を母数とした医療費の割合(平成 26 年度)】
23.4
23.9
23.1
15.3
15.8
15.0
14.9
15.8
17.2
11.6
11.0
9.8
11.3
10.5
10.2
7.2
7.1
9.6 6.4
6.1
5.5 9.9
9.8
9.6%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
加古川市
兵庫県
全国
がん 筋・骨格 精神 糖尿病 高血圧症 慢性腎不全(人工透析有) 脂質異常症 その他
(資料:KDB システム)
【生活習慣病等医療費を母数とした医療費の割合(平成 26 年度)】
医療費(円) 割合(%) 医療費(円) 割合(%) 医療費(円) 割合(%)
がん 2,737,400,380 23.4 27,544,497,790 23.9 1,097,747,693,560 23.1 筋・骨格 1,789,822,850 15.3 18,129,806,310 15.8 714,877,767,040 15.0 精神 1,747,435,410 14.9 18,106,578,270 15.8 815,057,436,400 17.2 糖尿病 1,356,027,580 11.6 12,627,209,350 11.0 467,764,827,990 9.8 高血圧症 1,318,555,640 11.3 12,069,105,650 10.5 487,104,164,890 10.2 慢性腎不全(人工透析有) 844,281,720 7.2 8,120,191,160 7.1 455,104,776,870 9.6 脂質異常症 744,075,520 6.4 6,996,592,810 6.1 259,927,073,030 5.5 脳梗塞 572,692,760 4.9 4,215,521,710 3.7 159,996,958,680 3.4 狭心症 311,936,530 2.7 3,937,238,590 3.4 163,925,147,840 3.5
脳出血 122,565,600 1.0 1,236,034,490 1.1 62,646,221,880 1.3
心筋梗塞 69,466,910 0.6 878,755,030 0.8 31,549,450,130 0.7
動脈硬化症 50,765,270 0.4 582,573,650 0.5 20,619,297,220 0.4
脂肪肝 21,805,530 0.2 264,728,090 0.2 9,792,496,650 0.2
高尿酸血症 10,406,850 0.1 89,238,930 0.1 3,611,675,010 0.1
計 11,697,238,550 100.0 114,798,071,830 100.0 4,749,724,987,190 100.0
生活習慣病等 加古川市 兵庫県 全国
(資料:KDB システム)
(3) 疾病分類別(ICD-10 中分類別)医療費の状況
加古川市国民健康保険の疾病分類別医療費をレセプトデータより分析した。
① 内分泌、栄養及び代謝疾患
医療費、患者割合ともに糖尿病と脂質異常症が上位2位を占めている。
患者割合では、糖尿病(44.8%)、脂質異常症(43.5%)となっており、ほぼ同様であるが、
医療費割合では、糖尿病(58.3%)、脂質異常症(27.8%)となっており、糖尿病の方が医療費 割合に占める率がより高くなっている。
【内分泌、栄養及び代謝疾患に関する患者割合(平成 26 年度)】
2,512人
(44.8%)
2,438人
(43.5%)
348人
(6.2%)
312人
(5.6%)
総患者数
5,610人 糖尿病
脂質異常症
甲状腺障害
その他の内分泌,栄養及び代謝疾患
(資料:レセプトデータ)
【内分泌、栄養及び代謝疾患に関する医療費割合(平成 26 年度)】
392,209,610円
(58.3%)
186,863,800円
(27.8%)
21,454,560円
(3.2%)
71,938,490円
(10.7%)
医療費の総額
672,466,460円 糖尿病
脂質異常症
甲状腺障害
その他の内分泌,栄養及び代謝疾患
(資料:レセプトデータ)
② 循環器系の疾患
患者割合では、高血圧性疾患(44.2%)、脳血管疾患(31.2%)、心疾患(12.2%)の順に高くなってい る。
医療費割合では、脳血管疾患(48.3%)、高血圧性疾患(25.9%)、心疾患(13.0%)の順に高くなっ ており、生活習慣に起因すると思われる疾患が上位を占めている。
【循環器系の疾患に関する患者割合(平成 26 年度)】
3,701人
(31.2%)
5,240人
(44.2%)
1,450人
(12.2%)
405人
(3.4%)
1,059人
(8.9%)
総患者数 11,855人
48.3%
25.9%4.0%8.9%13.0%
脳血管疾患
高血圧性疾患
心疾患
動脈硬化
その他の循環器系の疾患
(資料:レセプトデータ)
【循環器系の疾患に関する医療費割合(平成 26 年度)】
760,859,610円
(48.3%)
407,436,160円
(25.9%)
204,053,790円
(13.0%)
62,376,300円
(4.0%)
140,028,850円
(8.9%)
医療費の総額 1,574,754,710円
48.3%
25.9%4.0%8.9%13.0%
脳血管疾患
高血圧性疾患
心疾患
動脈硬化
その他の循環器系の疾患
(資料:レセプトデータ)
③ 尿路性器系の疾患
腎不全(人工透析有)について、患者数の割合では 6.3%と少ないが、尿路性器系の医療費全体の 79.0%を占めている。
【尿路性器系の疾患に関する患者割合(平成 26 年度)】
200人
(6.3%)
773人
(24.5%)
336人
(10.6%)
1,852人
(58.6%)
総患者数 3,161人
79.0%
2.2%6.0%
12.7%
腎不全(人工透析有)
前立腺肥大(症)
尿路結石症
その他の腎尿路生殖器系の疾患
(資料:レセプトデータ)
【尿路性器系の疾患に関する医療費割合(平成 26 年度)】
346,522,340円
(79.0%)
26,346,650円
(6.0%)
9,750,120円
(2.2%)
55,901,460円
(12.7%)
医療費の総額 438,520,570円
79.0%
6.0%2.2%
12.7%
腎不全(人工透析有)
前立腺肥大(症)
尿路結石症
その他の腎尿路生殖器系の疾患
(資料:レセプトデータ)
④ 悪性新生物
患者割合では、大腸の悪性新生物(10.1%)、乳房の悪性新生物(9.6%)、気管、気管支及び肺の 悪性新生物(9.2%)の順に高くなっている。
医療費割合では、大腸の悪性新生物(15.0%)、気管、気管支及び肺の悪性新生物(12.0%)、乳房 の悪性新生物(11.2%)の順に高くなっている。
その他の悪性新生物の内訳は、入院医療費では、膀胱がん(0.8%)、食道がん(0.8%)、膵臓がん
(0.8%)の順に高くなっており、外来医療費では、前立腺がん(1.0%)、腎臓がん(0.4%)、膀胱がん
(0.2%)の順に高くなっている。
【悪性新生物に関する患者割合(平成 26 年度)】
474人
(10.1%)
432人(9.2%)
450人(9.6%)
144人(3.1%)
327人(7.0%)
149人(3.2%)
179人(3.8%)
2,546人
(54.2%)
総患者数 4,701人
15.0%
12.0%
11.2%2.7%3.2%44.4%5.5%6.0%
大腸の悪性新生物
気管,気管支及び肺の悪性新生物 乳房の悪性新生物
血液の悪性新生物 胃の悪性新生物
肝及び肝内胆管の悪性新生物 子宮の悪性新生物
その他の悪性新生物
(資料:レセプトデータ)
【悪性新生物に関する医療費割合(平成 26 年度)】
167,491,100円
(15.0%)
134,170,430円
(12.0%)
125,028,830円
(11.2%)
66,627,500円
(6.0%)
60,752,270円
(5.5%) 35,557,940円
(3.2%)
29,743,440円
(2.7%)
495,166,680円
(44.4%)
医療費の総額 1,114,538,190円
15.0%
12.0%
11.2%2.7%3.2%44.4%5.5%6.0%
大腸の悪性新生物
気管,気管支及び肺の悪性新生物 乳房の悪性新生物
血液の悪性新生物 胃の悪性新生物
肝及び肝内胆管の悪性新生物 子宮の悪性新生物
その他の悪性新生物
(資料:レセプトデータ)
⑤ 精神及び行動の障害
患者割合では統合失調症(33.2%)、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)(28.4%)、神経症性障害
(24.0%)が上位3位を占めているが、医療費割合では、統合失調症が 69.4%を占めている。
【精神及び行動の障害に関する患者割合(平成 26 年度)】
1,030人
(33.2%)
882人
(28.4%)
745人
(24.0%)
449人
(14.5%)
総患者数
3,106人 14.8%10.5%5.4%69.4%
統合失調症
気分(感情)障害(躁うつ病を含む)
神経症性障害
その他の精神及び行動の障害
(資料:レセプトデータ)
【精神及び行動の障害に関する医療費割合(平成 26 年度)】
878,352,490円
(69.4%)
132,523,440円
(10.5%)
67,921,000円
(5.4%)
186,878,830円
(14.8%) 医療費の総額
1,265,675,760円
69.4%
10.5%5.4%
14.8%
統合失調症
気分(感情)障害(躁うつ病を含む)
神経症性障害
その他の精神及び行動の障害
(資料:レセプトデータ)
(4) 高額医療費の状況
加古川市国民健康保険における高額医療費(レセプト1件当たり 30 万円以上、平成 26 年度累 計)を疾病分類別(ICD-10 中分類)に分析したところ、1人当たり医療費について、入院では、
腎不全(人工透析有)、脳内出血、脳梗塞が上位となっており、入院外では、腎不全(人工透析 有)、糖尿病、脳内出血、脳梗塞が上位となっている。これらの疾患は生活習慣が大きく影響す る疾患であるため、生活習慣を改善することによって、重症化予防の取り組みが可能な疾病であ る。
【高額医療(入院)疾病分類別1人当たり医療費(平成 26 年度)】
医療費 高額レセプト(入院)
順位 中分類名 1人当たり
医療費(円) 実人数(人) 医療費(円)
1 脳性麻痺及びその他の麻痺性症候群 6,361,116 17 108,138,970
2 脳内出血 3,512,410 44 154,546,040
3 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害 3,043,664 232 706,130,020
4 脳梗塞 2,881,878 81 233,432,150
5 腎不全(人工透析有) 1,471,696 16 23,547,140
*黄色部は生活習慣が影響する疾患 (資料:レセプトデータ)
【高額医療(入院外)疾病分類別1人当たり医療費(平成 26 年度)】
医療費 高額レセプト(入院外)
順位 中分類名 1人当たり
医療費(円) 実人数(人) 医療費(円)
1 腎不全(人工透析有) 3,297,885 92 303,405,380
2 糖尿病 2,144,518 40 85,780,710
3 脳内出血 1,752,980 4 7,011,920
4 脳梗塞 1,709,162 5 8,545,810
5 骨折 1,116,543 4 4,466,170
*黄色部は生活習慣が影響する疾患 (資料:レセプトデータ)
(5) 人工透析患者の状況
① 人工透析患者数と人工透析患者における医療費合計(年間)の推移
加古川市国民健康保険における人工透析患者数と医療費について、患者数は平成 25 年度をピ ークに近年は 160 人前後で推移しているが、医療費は上昇傾向にある。
【人工透析患者数と人工透析患者における医療費合計(年間)の推移】
628,626 711,761
844,282 151
164 163
140 145 150 155 160 165
100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 900,000
平成24年度 平成25年度 平成26年度
患 者数
(人
) 患
者医 療 費( 千円
)
患者医療費 患者数
(資料:KDB システム[市町村別データおよび地域の全体像の把握])
② 人工透析新規導入患者数の推移
加古川市国民健康保険の人工透析の新規導入患者数は平成 22 年度よりここ数年は減少傾向に あるが、年間 20 名以上の新規導入患者がいる状況である。
【人工透析新規導入患者数の推移】
34 34
30
24 24
0人 10人 20人 30人 40人
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
新規導入患者数
(資料:加古川市国民健康保険課)
*人工透析新規導入患者数は加古川市国民健康保険加入以前に人工透析を開始しているものは除く
③ 人工透析患者の原因疾患(全国)
全国の人工透析の原因疾患割合については、糖尿病性腎症が最も多く、平成 26 年は 43.5%の 患者が糖尿病性腎症を原因疾患とした導入である。
【透析導入患者の主要原疾患割合の推移】
19.6
26.2
31.9
36.6
42.0 43.6 43.5
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成26年
糖尿病性腎症 慢性糸球体腎炎 腎硬化症
(資料:日本透析医学会 わが国の慢性透析療法の概況 2014)
(6) 歯科医療費の状況
① 歯肉炎及び歯周疾患における1人当たり医療費
加古川市国民健康保険の歯肉炎及び歯周疾患における1人当たり医療費は、兵庫県市町国民健康 保険よりも各年齢層において高く、特に9歳以下の被保険者において、高い傾向が見られる。
【歯肉炎及び歯周疾患における年齢別1人当たり医療費(平成 26 年 10 月)】
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000
0
~ 4 歳
5
~ 9 歳
1 0
~ 1 4 歳
1 5
~ 1 9 歳
2 0
~ 2 4 歳
2 5
~ 2 9 歳
3 0
~ 3 4 歳
3 5
~ 3 9 歳
4 0
~ 4 4 歳
4 5
~ 4 9 歳
5 0
~ 5 4 歳
5 5
~ 5 9 歳
6 0
~ 6 4 歳
6 5
~ 6 9 歳
7 0
~ 7 4 歳
加古川市 兵庫県 円
(資料:疾病分類統計[兵庫県国民健康保険団体連合会])
② う蝕における1人当たり医療費
加古川市国民健康保険のう蝕における1人当たり医療費は、兵庫県市町国民健康保険よりも高く、特 に9歳以下の被保険者において、高い傾向が見られる。
【う蝕における年齢別1人当たり医療費(平成 26 年 10 月)】
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
0
~ 4 歳
5
~ 9 歳
1 0
~ 1 4 歳
1 5
~ 1 9 歳
2 0
~ 2 4 歳
2 5
~ 2 9 歳
3 0
~ 3 4 歳
3 5
~ 3 9 歳
4 0
~ 4 4 歳
4 5
~ 4 9 歳
5 0
~ 5 4 歳
5 5
~ 5 9 歳
6 0
~ 6 4 歳
6 5
~ 6 9 歳
7 0
~ 7 4 歳
加古川市 兵庫県 円
(資料:疾病分類統計[兵庫県国民健康保険団体連合会])
(7) 後発医薬品の状況
加古川市の平成 27 年3月末時点での後発医薬品使用率は、61.7%となっており、兵庫県市町 平均値を上回っている。(兵庫県内 41 市町中第7位)
【兵庫県の市町別後発医薬品使用率(平成 27 年3月末)】
58.4 60.3
61.0 58.3 52.4
55.7 54.5
55.1 61.1 54.8
61.7 72.3 57.4
53.4 51.1
56.2 59.0 57.9
59.6 52.2
54.2 61.2
67.2 60.5 60.3 57.3 52.9 50.4
58.1 61.0
68.1 57.2
64.7 61.1 56.9 47.7
65.2 53.6
64.2 59.8 52.2
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0
神戸市 姫路市 尼崎市 明石市 西宮市 洲本市 芦屋市 伊丹市 相生市 豊岡市 加古川市 赤穂市 西脇市 宝塚市 三木市 高砂市 川西市 小野市 三田市 加西市 篠山市 養父市 丹波市 南あわじ市 朝来市 淡路市 宍粟市 加東市 たつの市 猪名川町 多可町 稲美町 播磨町 市川町 福崎町 神河町 太子町 上郡町 佐用町 香美町 新温泉町
(資料:厚生労働省 調剤医療費[電算処理分]の動向~平成 26 年度版~)
(%) 兵庫県市町平均値
58.1%