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日本語圏の乳幼児

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 43-52)

第 4 章 日本語圏と英語圏との乳幼児の音声の音響的特徴

4.5 結果と考察

4.5.1 日本語圏の乳幼児

月齢3ヶ月の乳幼児3名,月齢8ヶ月の乳幼児3名,月齢15ヶ月の乳幼児5 名,月齢20ヶ月の乳幼児5名,月齢24ヶ月の乳幼児5名の音声データをまと

めて第 2, 3 因子までにバリマックス回転をかけた結果を,図 4.1-10 にそれぞ

れ示す。横軸は,臨界帯域フィルターの中心周波数(center frequency)を示す。

縦軸は,因子負荷量(factor loading)を示す。各音声データについての因子分 析の累積寄与率を,表4.3 に示す。第2因子までの累積寄与率は,23-27%,第 3因子までの因子寄与率は,31-34% であった。

月齢 3ヶ月から 24ヶ月の全ての図において,1600 Hz 付近にまとまりのあ るピークをもった,中帯域の因子が得られた。 第 3 主成分まで抽出した図

4.6-10 を見ると,月齢20ヶ月,24ヶ月において,第1因子を囲む二峰性の因

子が得られたが,月齢 3ヶ月,8 ヶ月,15 ヶ月においては,安定していなかっ た。これは,乳幼児の音声は基本周波数が高く,低周波数帯域では臨界帯域フ ィルターひとつひとつに成分音が入っていないためと推測される。また,高周 波数帯域に関連のある因子は,月齢 15ヶ月,20ヶ月,24ヶ月において得られ たが,月齢3ヶ月,8ヶ月においては,安定していなかった。

表 4.3 日本語圏の乳幼児の音声データについての因子分析の累積寄与率

Months of age 3 8 15 20 24

2 factors (%) 27.5 25.4 26.6 23.7 25.7

3 factors (%) 34.5 32 32.8 34.6 31.5

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3 months of age

Japanese-learning infants (N=3)

図 4.1 月齢3ヶ月の日本語圏の乳幼児3名の音声の因子分析の結果。第2主成 分まで抽出した。累積寄与率は,27.5% であった。中帯域の因子が得られた。

8 months of age

Japanese-learning infants (N=3)

図 4.2 月齢8ヶ月の日本語圏の乳幼児3名の音声の因子分析の結果。第2主成 分まで抽出した。累積寄与率は,25.4% であった。中帯域の因子が得られた。

二峰性の因子も得られた。

43

15 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.3 月齢15ヶ月の日本語圏の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第2主

成分まで抽出した。累積寄与率は,26.9% であった。中帯域の因子が現れた。

20 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.4 月齢20ヶ月の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第2主成分まで抽

出した。累積寄与率は,23.7% であった。中帯域の因子が現れた。

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24 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.5 月齢24ヶ月の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第2主成分まで抽

出した。累積寄与率は,25.7% であった。中帯域の因子が現れた。二峰性の因 子も得られた。

45

3 months of age

Japanese-learning infants (N=3)

図4.6 月齢3ヶ月の乳幼児3名の音声の因子分析の結果。第3主成分まで抽出

した。累積寄与率は,34.5% であった。中帯域の因子が得られた

8 months of age

Japanese-learning infants (N=3)

図4.7 月齢8ヶ月の乳幼児3名の音声の因子分析の結果。第3主成分まで抽出

した。累積寄与率は,32% であった。中帯域の因子が得られた。

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15 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.8 月齢15ヶ月の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第3主成分まで抽

出した。累積寄与率は,32.9% であった。中帯域の因子が得られた。

20 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.9 月齢20ヶ月の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第3主成分まで抽

出した。累積寄与率は,34.7% であった。中帯域の因子,二峰性の因子, 高周 波数帯域に関連のある因子が得られた。

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24 months of age

Japanese-learning infants (N=5)

図4.10 月齢24ヶ月の乳幼児5名の音声の因子分析の結果。第3主成分まで抽

出した。累積寄与率は,31.6% であった。中帯域の因子,二峰性の因子, 高周 波数帯域に関連のある因子が得られた。

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それぞれの因子が描く因子得点係数のグラフが互いに交差する周波数に注目 した。 表4.4-5 に第2および第3主成分までにバリマックス回転をかけた日 本語圏の乳幼児の音声の結果における,帯域の境界周波数を示す。第1境界周 波数は,第1因子が上昇し,第2因子が下降する交差点,第2境界周波数は,

第1因子が下降し,第2因子が上昇する交差点,第3境界周波数は,第2因子 が下降し,第3因子が上昇する交差点とした。

第2因子まで抽出した結果において,第1境界周波数は,月齢3, 8 ヶ月では,

1000 Hz 以上であったが,月齢15, 20, 24 ヶ月では,約700 Hz 付近へと低下

している。一方,第2境界周波数は,月齢3, 8, 15 ヶ月では,約3000 Hz 付近 であったが,月齢20, 24 ヶ月では,5000 Hz 付近へと上昇している。

第3因子まで抽出した結果において,第1境界周波数は,月齢3, 8 ヶ月では,

1000 Hz 以上であったが,月齢15, 20, 24 ヶ月では,約900 Hz 付近へと低下

している。第2境界周波数は,月齢3, 8 ヶ月では,約3500 Hz 以上であった

が,月齢15, 20, 24 ヶ月では,約 2700 Hz 付近へと低下している。第3境界

周波数は,月齢3, 8 ヶ月では,安定していなかったが,月齢15, 20, 24 ヶ月で

は,約6000 Hz 付近であった。

表 4.4 第2主成分までにバリマックス回転をかけた日本語圏の乳幼児の音声 の結果における,帯域の境界周波数の比較

Language Months of age

Boundaries (Hz)

1st 2nd

Japanese 3

8 15 20 24

1184 1143 580 685 835

3706 3540 3039 5830 5322

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表 4.5 第3主成分までにバリマックス回転をかけた日本語圏の乳幼児の音声の 結果における,帯域の境界周波数の比較

Language Months of age

Boundaries (Hz)

1st 2nd 3rd

Japanese 3

8 15 20 24

1189 1136 932 861 908

3665 3593 2698 3141 2759

unclear unclear 5781 6247 6827

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