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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 66-70)

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図4-2-12. 電流源分布.

Fig. 4-2-12 Current source distribution.

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第4ì;1. SPにうえる地形及び地下物性分布の�:.�枠

4.2.5.

考察

地形によって発生する流動電位だけでは、 理論的には標高が高い山頂 付近 でSPの負 異常のピークと なるはず であるが、 涌葦山で観測されたSPでは中腹 に負のピークが見

られた。 火山の中腹部で負のSP異常が見られる現象は、 これま では中腹部の地表付近 に浸透率の高い流入域があるためと考えられていた。 し かし 、 図4-2-6に示される 実測 値と均質モデルに対する計算値と を比較すると、 中腹部にSPの負異常の原因があると 考えるよりも、 より 山頂寄り の地下の水理構造に原因があると考える方が妥当と思われ る。

涌蓋山の場合、 比抵抗分布図(図4-2-2)を見ても、 中腹部では高比抵抗層が地表付近 にあり、 全体的には 地表水の浸透が少ないと考えられる。 従来考えられていた ように、

中腹部に負異常の原因が存在すると仮定すると、 図4-2-3のSPプロファイルに見られる ような波長の短い負異常が出現するため には、 非常に浅い部分に負の電流源が局所的に 発生している必要がある。 つまり高比抵抗層内に、 局所的に浸透率の異なる部分が存在 すること に なるが、 そのような 地下物性モデルは余り現実的と は言え ない。 一方、 前節 に述べたモデル計算の結果、 比抵抗分布による岩相区分に対応して山頂 に近い部分の地 下に高浸透率部分を設定すると、 中腹でのSPの負異常及び山頂で の回復を説明できる

ことが示された。 流体が岩相境界を通過する際に発生する負の電流源の深 度が、 山頂 に 比べて中腹 では浅いため、 負異常が大きくなるの である。 涌葦山に関して は比抵抗以外 の物性に関 する情報が殆ど存在せ ず、 モデリングから一意的に 物性 分布 を求めること は できないが、 比抵抗やカップリング係数だけをどのように変化さ せても、 山頂の電位が 中腹より高くなる現象 を再現でき なかっ たことから、 山頂付近 の地下における高浸透率 部の存在は 必要不可欠と思われる。 また高 浸透率部底部の温度が周辺より高く、 カップ リング係数が高い場合 に、 より測定値に近い プロファイルが得られた。 従って 、 モデル の底面より下の地下深部から上昇した高 温の流体によってこの部分が暖められている可 能性が考えられる。

SPで得られた 浅部の高浸透率部は山頂の西側に位置しているが、 Widarto (1993)や

前4";'(. SPにワ-える地Jf�Jえび地下物性分布の;;:.��!.�

Mo gi et aI. (1995) による涌蓋山深部の比抵抗構造によると、 より深部に延びる低 比抵抗 部は山頂の南東側に位置し ている。 図4-2-10では、 山体中 の流動は山頂 より東側におい ても西向きに流れているので、 モデルに表わされ た範囲より深部の熱源からの高温流体 の上昇域が山頂直下またはさらに東側にあると仮定しでも、 地表水と混 合した高温流体 が西側の山麓から流出する可能性 は十分あると考えられる。

今回のモデリング結果からの類推により、 他の 火山において も中腹でSPの負異常が 見られるのは、 中腹 に流入域が存在するためでは なく、 山頂の直下に浸透率 の高い流体 の通路が存在するため とい う可能性が考えられる。涌蓋火山の溶岩の噴出年代は0.4---O.5Ma (鎌田, 1985) と報告されており、 現在では山頂 及び山腹部の地表には 地熱徴候は 見られない。 しかし 、 Widarto (1993 )、 Mogi et al. (1995)では、 山頂直下から 深部に延び る10D-m以下の低比抵抗構造が火山活動時の火道ではない かと考 えられているので、

その部分が現在 も流体の通路として残っており、 そこを下降した地表水が、 地下深部 か ら上昇した高温流体 と火山体中で混合して 熱水貯留層を形成し、 流下することにより山 麓の 地熱地域を作っていると考えられる。

図4-2-13に、 涌葦山山頂から北部に向かうルートの SPプロファイルを示すが、 ここで も中腹部に強い負の異常が見られ、 山頂よりも電 位が低くなっている。 このこ とは、 山 頂の西側及 び北側の中腹部にそれぞれ局所的な流入域が 存在して電位が低くなっている と考えるよ りも、 山頂付近 に高浸透率部が 存在し、 相対的に中 腹部の負が大きくなって いると考える方が適当であることを裏付けている。 この高浸透率部は火 道 の上にあった 埋められた旧火口に相当す るのではないかとも考 えられる。

岳湯から涌菱山に至る地域には、 ほぼ今回の解析断面 と平行な走向を もっ岳湯断層が ある。以前は、その断層内を深部から熱水が上昇してくるモデルが考えられていたが (湯 原ほか, 1983)、 今回の解析では、 熱水の上昇域 は涌蓋山付近にあり、 解析断面に沿って 水平流動が発達しているモデルが 示された。 この ことは、 岳湯断層に伴う断裂は、 上弁

してきた熱 水の水平方向の流動 の通路となっていることを示唆している。

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図4-2-13. 北ルートについて観測されたSPプロファイル. 横軸は、 山頂からの距離.

Fig. 4-2-13 SP profile observed for the northern route. Horizontal axis is the distance from the summit along the route.

本研究のモデリングでは、 地下の流動系 に関しては山体中の 地表水の行方を追った に過ぎず、 地下深部からの熱水上昇域を深度的にカバーしていないが、 この深度までの 流動系は正しく再現されていると考えている。 このモデルより 深部の流動は地表SPプ

ロファイルに殆ど影響しないことを確認するため に、 図4-2-14に示すような二種類の電 流源分布を 考えた。 いずれも図4-2-12に示された電流源分布の深部 に電流源を付加した もので、 その影響を より明確にするため、 左右双極の電流源とした。 電流源の強度は、

本モデリングで現われた最も大き い値である 1. ONm3とし 、 旧火口の幅とほぼ同じ500m

に渡って水平に分布させた。 実際に深部で発生し得る電流源 よりもかなり大きな値であ

る。 この電流源強度は、 例えばカップリング係数が100%変化し(この部分はrock type5

或いは6なのでカップリング係数は最高で2

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106mAβec-m3)、 5

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10-7m/sの流速で、流体が

鉛直方向に流動 している ことに相当する。 このモデルに対して、 計算に よって得られた

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