• 検索結果がありません。

蔀零

 図7−1.

(得点}

9 8 7 6 5 4

3 2

1

0

 図7−2.

3       6 lo

囲パス 閣連続ドリブル 團ワンドリブル

「自主性」因子の楽しさの変化

{時間}

〒マ『

33

F『

多多 髪多

z

3       6

「達成」因子の楽しさの変化        一一 51 一

10 〔時間)

{得点)

X

鱈諒

8   7

1

6 5

4一

3   2

多影

1

ノノ

0 〆〆

3 6 10 {時間

図7−3.「人間関係」因子の楽しさの変化

〔得点)

9 8 7 6 5 4

3 2 1 o

rtji

3

[,til:;iil

/i

[i 1

6 10 塒間)

 図7−1,2,3,4の各因子の3,6,10時間目の平均値の

差が検討された.

 その結果, 「自主性」因子は,パスゲームと連続ドリブルを用い たゲームの6時絹目と10時聖目において有意差が認められなかっ

た.

 「達成」因子は,パスゲームと連続ドリブルを用いたゲームの3 時間目と6時間目において有意差が認められなかった.

 「人間関係」因子は,パスゲームと連続ドリブルを用いたゲーム の3,6, 10時問目,パスゲームとワンドリブルを用いたゲーム の3時間目に有意差が認められなかった.

 「導入欲求充足」因子は,パスゲームと連続ドリブルを用いたゲ ームの3,6時間目,パスゲームと連続ドリブルを用いたゲームの

3時間目に有意差が認められなかった.

 変動係数は,パスゲームとワンドリブルを用いたゲームは同じよ うに少なく,それぞれのゲームにおいて同じ程度の楽しさを味わっ ているようすが伺えられる.しかし,楽しさ得点はワンドリブルを 用いたゲームの方が高い.このことは,ワンドリブルを用いること により,バスケットボールの特性により触れていると推察される.

連続ドリブルを用いたゲームの変動係数が多いのは,ワンマンプレ ーが時間経過と伴に多くなってきたものと推察される.

 これらの結果は,ワンドリブルを用いたゲームは他の2つのゲー ムと比較して,全ての因子にわたって高い得点を示し,楽しさもよ

り深まったことを表している.

 バスケットボールにおいてボールを運ぶ方法はパスとドリブルの 2つである.バスケットボールはパスやドリブルを使って攻め,シ

・一@53 一

ユートをして得点を競い合って楽しむものである。このパスやドリ ブルを組み合わせてこそバスケットボールの特性によりふれさせる

ことができる.

 パスゲームの発想の根拠は,連続的なドリブルを習得することの 難しさに起因している。この連続的なドリブルは,ボールをみない ですることにより効果があるものである.しかし,ボールを見ない で連続ドリブルを使えるようになるには膨大な時問を費やさなけれ ばならない.連続ドリブルが難しいからドリブルを禁止し,現在持 っている能力(パス)を活用したパスゲームの有効性は一部認める ことはできる.しかし,ホルマン2弔は, 「ドリブルの多くの使用 は確かに望ましくはないけれども,若いプレーヤーに攻撃の時に勢 いを与えるために,そしてゲーム中に予期せざるものがおこるいろ いろな場面において彼らが対応することができるためには, ドリブ ルは絶対に必要である」と強調している.また,ニューウェル24Jは

「ドリブルをどのような場面で使用するかの判断の正しさの方がよ り大切である」,とドリブルの必要性と有効性について述べている ことからも, ドリブルを禁止したゲームは,バスケットボールの特 性を十分に触れさせ得るとは言えない.確かに連続ドリブルの習得 は難しい.難しいから扱わないのではなく,初歩的な技能段階にお けるドリブルの扱い方,ゲームへの生かし方を積極的に試み,ゲー ムに活用し,よりバスケットボールの特性にふれさせることも必要

である.

 仁安究で用いたワンドりブルは,ドリブルそのものの機能を果た すことも可能であり,ボールを見ないでドリブルをすることも難し

とにより,ゲーム中に使えるような技能の向上は可能である.また 習得することにより,敵を抜くことができ味方に良い位置からのパ スが可能になり,作戦の遂行がより容易になり作戦も・拡大し,楽し さ体験も広く深くなると推察される.

一55一

第4節 要 約

 本章は,第2童においてたてた3つの仮説を実証することを目的

とした.

 この目的を達成するために,実証授業を実施し,ワンドリブルを 導入することにより,作戦の遂行がスムースになり,楽しさが広ま

り深まるかを検討した.

 仮説1の実証

  ドリブル技能段階表で3段階以上になると成功率は90.3%

 となり,ゲームの中で十分に使用することができた.

 仮説2の実証

  ワンドリブルを使用することにより作戦が容易になり多様化が  可能になった.

 仮説3の実証

  ワンドリブルを使用し作戦が成功した冤童は,ワンドリブルを  使用する前より, 「自主性」, 「達成」,の2因子が高くなり楽  しさの深まりの可能性が認められた.

以上, 3つの仮説を実証した.

 また,ワンドリブルを用いたゲームは,パスを用いたゲーム,連 続ドリブルを用いたゲームに比べ,楽しさ体験がより広く,深くな ることが認められた.

第4章 総 括

 本研究では,小学校5,6年生を対象にバスケットボールを教材 として,ゲーム中にワンドリブルを導入することによって作戦の遂 行がスムースになり,楽しさが広まり深まるかを授業結果から仮説 を導きだし,この仮説を実証することを目的とした。また,仮説の 設定や実証のために,ワンドリブル技能段階表の作成を試みた.

 得られた結果の大要を次に示した.

1.バスケットボールにおけるドリブル技能段階表の作成と仮説の   設定

  ミニバスケットボールチームを含む小学校5,6年生263名

 を対象に,平成5年1月にドリブル技能段階表作成のための測定

種目の選定技能テスト3種目を実施した.また,平成5年1月に  小学校5年生1学級を対象に10時閤,仮説を導き出すための授

業を実施した.

2.バスケットボールにおける楽しさ体験の仮説の実証授業実施

  小学校5年生1学級を対象に10時間,平成5年10月に仮説

 を実証するための授業を実施した.

3.パスを用いたゲーム,連続ドリブルを用いたゲーム,ワンドリ  ブルを用いたゲームにおける楽しさ体験の検討

  小学校5,6年生81名を対象に,平成5年10月に各学級1

 0時間,パスを用いたゲーム,連続ドリブルを用いたゲーム,ワ

一57一

ンドリブルを用いたゲームを実施し,パスを用いたゲームと連続 ドリブルを用いたゲームの短所の共通の問題点からワンドリブル の有効性について検討をした.また,3つのゲームの楽しさの深 まり,広がりについて比較検討をした.

4.研究結果の概要

1)ドリブル技能段階表と仮説

  ドリブル技能の測定種目を,3種目間において相関の高かった  ワンドリブルのタイムとした.どの程度のドリブルであればゲー  ムで使えるのか, ドリブル技能の段階を明確にした.また,ドリ  ブル技能と作戦の成功,作戦の遂行,楽しさとの関連から次の3  つの仮説を設定した.

〈仮説1>

 ワンドリブル技能段階表で3段階以上であれば,ゲームで使用す

ることができる.

<仮説2>

 ワンドリブルを使うことにより作戦の遂行が容易になり作戦が多

様化する.

<仮説3>

 ワンドリブルを使用し作戦が成功することによって,楽しさの深 まりが可能になる.

2)バスケットボールにおける楽しさ体験の仮説の実証.

 ワンドリブル技能段階表で3段階以上になると,ワンドリブルの 成功率は90.3%となった.

〈仮説2の実証〉

 ワンドリブルを使用することにより作戦の内容が容易になり多様 化が可能になった.

〈仮説3の実証〉

 ワンドリブルを使用し作戦が成功した児童は, 「自主性」, 「達 成」の2因子がたかくなり,楽しさの高まりの可能性が認められた.

3)各ゲームでの楽しさ体験の検討  パスを用いたゲームの主な問題点は,

 (1)敵が前にいないときフロントコートへの進行が不可能になる.

 (2)良い位置に移動してパスやシュートができない.

 (3)ディフェンスをふりきってボール保持者からボールをもらっ   ても,まわりに敵がいると抜くことができず,すぐに攻撃に移

  れない.

 連続ドリブルを用いたゲームの主な問題点は,

 (1)ドリブルの上手な児童がゲームを支配し,ワンマンプレーが

  増加する.

 (2)ドリブルを必要以上に使うことにより,容易にボールカット   されたり,速攻チャンスを失ったりする.

 (3)ボールをみながらドリブルをしているため,状況判断しなが   らプレーすることが困難である.

(4)ボールを見ないでドリブルできるような技術を身につけるの

  は難しい.

一59一

 以上のことが,授業場面で見られた.

 この2つのゲームの共通の問題点は,連続的なドリブル技術の 習得の困難さにある.このことを解消させるために,ワンドリブ ルを用いたゲームを実施した.

 ワンドリブルを用いたゲームでは,他の2つのゲームに比べ,

楽しさの深まり,体験率とも,高い得点で維持,増加した.

 以上のように,仮説1,仮説2は実証され,仮説3については一

部実証された.

 また,ワンドリブルはほぼ全員の学習者がゲームの中で体験され

た.

5.今後の課題

(1)ワンドリブルを用いたゲーム,パスを用いたゲーム,連続  ドリブルを用いたゲームの作戦内容(プレー)の相違を調査  し,どのような作戦が楽しさに影響しているかを検討する.

(2)個人の楽しさの変化が,同じチームのメンバーにどのよう  に影響するかを調査し,個人と集団の関わりを検討する.

関連したドキュメント