再生可能エネルギーの導入にあたっての評価及び課題は以下のとおりです。
再生可能エネルギー導入の評価・課題
種別 評価・課題
発 電 分 野
中 小 水 力
発 電
・発電を行える落差のある候補地の情報収集や調査、導入事 業者への各種手続支援などが必要である。
・市内2箇所(大平沼小水力発電施設、喜多の郷発電所)にお いて導入されており、今後施設の老朽化に伴う施設更新な どが必要である。
・大平沼小水力発電施設については、平成28年度国営かんが い排水事業の採択を受け、平成30年度以降更新する計画で ある。
太 陽 光
発 電
・1日あたりの平均日照時間は4.8時間であり、市内ほぼ全域 において設置が可能と考えられる。
・太陽光発電設備は市民・事業所において導入が図られてお り、今後も導入拡大が見込まれる。
・導入コストについては、年々減少傾向にあるものの、導入 コストと売電価格を比較した場合の採算性という面では課 題が残る。
・固定価格買取制度(FIT)における売電価格が年々減少し ており、先行きが不透明である。
風 力 発 電
・本市の年間平均風速は1.6 m/sと小さく、風力発電事業の 採算性の分岐点となる風速6.0 m/sを超える地域は一部ある が、国立公園に指定されている地域に隣接しており、採算 性を考えた場合、事業の実施はかなり困難である。
熱 利 用 分 野
太 陽 熱
利 用
・1日あたりの平均日照時間は4.8時間であり、市内ほぼ全域 において設置が可能と考えられる。
・アンケート調査の結果から着実に導入は進んでいるものと 考えられる。
・太陽熱温水器は比較的安価で導入できるが、太陽光発電に 比べて認知度がかなり低い状況にある
雪 氷 熱
利 用
・山都、高郷地区においては既に農産物の貯蔵施設として活 用されており、エネルギー源となる雪は多く存在する。
・個人での導入は難しく、公共施設等への導入が考えられる。
第2編基礎調査
種別 評価・課題
熱 利 用 分 野
バイオマス 熱 利 用
・本市の約7割を森林が占めており、木質バイオマスとして のエネルギー源は豊富に存在する。
・木質バイオマスの熱利用や発電に取り組むにあたっては、
人員、コスト、取組企業等の課題があることから、中長期 的に検討していく必要がある。
・畜産バイオマスについては、家畜のふん尿は堆肥化され利 用されているが、供給過多の状況にあることから、有効利 用が求められている。しかしながら、収集、運搬、保管場 所などの課題がある。
・本市の農業は稲作中心であることから、もみ殻は多く存在 し、もみ殻ペレット等への活用が期待できるが、収集、運搬、
保管場所などの課題がある。
・環境センター山都工場において、ごみ処理の余熱を利用し、
いいで荘への熱供給が行われている。
・ごみ処理、し尿・浄化槽汚泥は広域事務組合で処理されて いることから、市単独での実施は困難であり、長期的に導 入等の検討を行っていく必要がある。
・バイオマス資源を活かすことにより、環境保全にも繋がる ことから、積極的な利活用が望まれる。
温 度 差 熱 利 用
・市では地下水を道路や駐車場の融雪用熱源として利用して おり、今後も積極的な導入の検討が必要である。
・入浴施設(第三セクター等)における温泉熱を利用した取組 みが考えられる。
そ の 他
・会津地域においては、50 kW以上の高圧連系ができない状 況であり、再生可能エネルギーの導入推進の障害となって いることから、送電網の充実が必要である。
・太陽光発電については、固定価格買取制度(FIT)における 電力の売電価格が通常の電力購入料金並になってくると見 込まれる。今後は蓄電・蓄熱といった蓄エネルギーの推進 が必要となってくる。