本市が有する豊かな自然資源を最大限に活用するとともに、地球環境に配慮 した環境にやさしいまちづくりを推進し、地球温暖化防止に貢献することを目 的として、以下に示すプロジェクト事業を実施することとします。
第3編ビジョン
重 侉 プロジェクト
推 進 プロジェクト
再生可能エネルギー の導入、地球温暖化 の防止のため、特に 重侉的に取り組むプ ロジェクト
地域の特性を活かし たエネルギー種別ご と に 取 り 組 む プ ロ ジェクト
重 点 プ ロ ジ ェ ク ト 推 進 プ ロ ジ ェ ク ト
1. 太陽エネルギー導入事業 2. 小水力発電導入事業
3. 温度差エネルギー導入事業 4. 雪氷熱エネルギー導入事業 5. 廃棄物エネルギー導入事業 6. バイオマス導入事業
1. エネルギー・環境教育推進事業 2. 再生可能エネルギー等導入支援事業 3. 省エネルギー活動推進事業
4. 再生可能エネルギー導入課題解決事業 5. エネルギー地産地消推進事業
再生可能エネルギー導入プロジェクト体系図
重点プロジェクト1 エネルギー・環境教育推進事業
■ 事業の内容
(1) 小・中学生を対象としたエネルギー・環境教育等の実施
・ 市内の小・中学校では、各教科や道徳、特別活動、総合的な学習の時間な ど教育活動全体を通して、環境に対する意識の高揚を図っており、各学校の 創意工夫により、更なる充実に努めます。
・ 福島県などが主催している地球温暖化防止のための「福島議定書」事業に 参加するなど、小・中学校においてエコ活動に取り組みます。
・ 本市の豊かな森林資源を財産として守り育てていくため、市の独自性を発 揮して創意工夫を凝らした「きたかた豊かな森林づくり」を積極的に展開し ていきます。
・ エネルギーや環境問題に対する学習の場として、再生可能エネルギー施設
(ふれあいパーク喜多の郷における小水力発電、太陽光発電、風力発電)や浄 水場及び民間事業者等の施設見学会を積極的に実施するとともに、出前講座 などを活用し、小・中学生等の再生可能エネルギーや環境に対する意識啓発 を実施します。
・ 再生可能エネルギーへの理解促進を図るため、小・中学生を対象とした工 作体験学習会などを開催します。
(2) 市民・事業者を対象としたエネルギー・環境講演会等の実施
再生可能エネルギーや環境問題等に対する理解促進を図るため、再生可能 エネルギーの基礎知識に加え、導入の費用対効果の情報を提供するなど、市 民・事業者を対象とした講演会等を実施します。
第3編ビジョン
重点プロジェクト2 再生可能エネルギー等導入支援事業
■ 事業の内容
(1) 住宅用再生可能エネルギー設備設置に対する支援
再生可能エネルギー導入支援策として実施している設備等設置費補助金につ いて、設備の導入価格・売電価格・買電価格、県補助金等を考慮し、補助単価 の見直しや助成メニューの追加・削除等を行います。
喜多方市住宅用再生可能エネルギー設備等設置費補助金(H29年度)
種 別 対象経費 補助単価
太 陽 光 発 電 パネル、架台、パワコン、
附属機器及び設置工事費
20,000 円 /kW
(上限 80,000 円)
ペレットストーブ 薪 ス ト ー ブ
ストーブ本体、煙突 及び設置工事費
対象経費の 1/5
(上限 50,000 円)
地 中 熱 利 用 シ ス テ ム
パイプ、ヒートポンプ、循環ポ ンプ、配管、配線・配線器具等
対象経費の 1/10
(上限 100,000 円)
(2) 蓄電池の導入及び支援
再生可能エネルギーの導入に寄与するとともに、防災対策の面からも災害時 に蓄えた電気を使用できるという大きなメリットを有する「蓄電池」等の導入 及び導入支援について検討します。
(3) 地域コミュニティ活動(エネルギー、環境)等への支援
エネルギーや環境分野における地域コミュニティ活動を継続して行っていく 組織等に対する支援策について検討します。
重点プロジェクト3 省エネルギー活動推進事業
■ 事業の内容
(1) LED街路灯の導入支援
既存の照明設備に比べてLED照明は消費電力、環境面、交換サイクル、
衛生面などにおいてメリットがあることから、行政区や商店街の街路灯をL ED街路灯へ切り替える取り組みに対して支援を行います。
LEDの特徴及びメリット
項 目 特 徴 メリット
消 費 電 力 白熱灯や蛍光灯に比べて少な い
ランニングコストの低減化に より初期投資の早期回収 環 境 面 省エネによる CO₂ 削減
有害物質を含まない
環境保護
廃棄処理が容易 交 換 サ イ ク ル 既存照明の 3 倍~ 6 倍 交換作業回数が軽減
メンテナンスコストの削減 衛 生 面 紫外線をほとんど含まない
放熱量が少ない 虫が付きにくく清掃負担軽減
(2) オフセット・クレジット(J-VER)制度の実施
市内の二酸化炭素の排出削減量で他の場所の排出量を埋め合わせて相殺す るオフセット・クレジットに取り組むことにより、省エネルギー活動の推進 や地球温暖化の防止を図ります。
(3) 輸送用エネルギーの削減
本市におけるエネルギー使用量のうち、ガソリン及び軽油が占める割合は 25.3%(ガソリン14.2%、軽油11.1%)と高いことから、省エネルギー及びCO₂ の削減を図るため、クリーンエネルギー自動車の導入を図るとともに、公共 交通機関の積極的利用、自動車の相乗り、近距離における自転車の利用を図 ります。
第3編ビジョン
重点プロジェクト4 再生可能エネルギー導入課題解決事業
■ 事業の内容
(1) 送電網などのインフラ整備
会津地域においては、地域送電網の容量不足、送配電線や変電所の熱容量 の限度超過、電力会社の系統設備の容量や管内全体の需給調整力の限界など から一定以上の再生可能エネルギー設備の接続が保留され、再生可能エネル ギー導入の障害となっていることから、国や県などに対して送電網の充実な どについて要望を行っていきます。
市内変電所の空容量(平成29年7月末現在)
変電所名 電 圧 空容量
喜 多 方 変 電 所 66 kV 0 MW
岩 月 変 電 所 66 kV 0 MW
山 郷 変 電 所 154 kV 0 MW
22 kV 0 MW
(2) 再生可能エネルギー導入拡大に向けた制度・仕組みづくり
平成24年7月1日に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関 する特別措置法」が施行され、電力を利用する消費者も設備投資に必要なコ ストを負担し、社会全体で再生可能エネルギーを普及・推進させていくため の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」が始まりました。
買取価格が年々減少傾向にあり、再生可能エネルギーを導入しようとして いる市民・事業者にとっての不安要素となっていることから、再生可能エネ ルギー導入拡大に向けた制度や仕組みづくりなどについて、国や県などに対 して働きかけを行っていきます。
固定価格買取制度(FIT)における買取価格の推移(太陽光発電)
調達区分\年度 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 10kW 未満 38円 37円 35円 33円 30円 28円 26円 10kW ~ 2,000kW 36円
+税 32円
+税 27円
+税 24円
+税
21円+税 未定 未定
2,000kW 以上 入札制度
重点プロジェクト5 エネルギー地産地消推進事業
■ 事業の内容
エネルギーの地産地消
本市におけるエネルギー使用額は推計で年間約 168 億円と多く、再生可能 エネルギーについてもその大部分を大規模水力発電に頼ってきたところです が、地域に必要なエネルギーを地域のエネルギー資源で賄う地産地消を目指 し、地域特性を活かした自然エネルギーを有効に活用していきます。
また、地域単位で統合的にエネルギーを管理し、地域で賢く(スマートに)
電力を使うスマートコミュニティーの構築を目指します。
スマートコミュニティー概要図
第3編ビジョン
推進プロジェクト1 太陽エネルギー導入事業
■ 事業の内容
(1) 太陽光発電システムの導入
・ 一般家庭や事業所への太陽光発電システムの導入を促進するため、市や県 の導入補助制度を広く周知し、普及啓発に努めます。
・ 太陽光発電の導入コストは年々減少しているものの、固定価格買取制度
(FIT)における買取価格も年々低下していることから、自家消費も含めた 地産地消への誘導策及び支援策を検討します。
・ 本市における太陽光発電導入の可能性を広く周知するため、市民・事業者 向けの講演会等を開催します。
・ 水田や畑などを有効に活用するため、農地における空間を活用したソー ラーシェアリングについて、導入の可能性を検討します。
市及び県の導入補助制度(H29年度)
区 分 補助金額
住宅用再生可能エネルギー設備等設置費補助金(市) 20,000円/kW
(上限4kWで 80,000円)
住宅用太陽光発電設備導入支援補助金(県) 40,000円/kW
(上限4kWで160,000円)
合 計 60,000円/kW
(上限4kWで240,000円)
(2) 太陽熱利用システムの導入
・ 太陽熱システムは、導入コストが比較的安価で、導入進展が見込まれるこ とから、福祉施設や温泉施設などの公共施設への導入について検討します。
・ 太陽熱システムは、太陽光発電に比べて導入コストが比較的安価であるこ とから、一般家庭や事業所への導入を促進します。