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■ COE 若手奨励研究費助成

若手研究者への支援として毎年総額 500 万円の奨励研究費を助成しています。この研 究費は、研究を支援するとともに、終了後研究機関において、国の助成金等が採択さ れることを考慮し、その助成金等を正しく執行するための教育的な意味も含んでいます。

平成 15 年度は 9 名、16 年度は 19 名に、奨励金が支給されました。

助成された研究テーマは、本 COE プログラムの多様性を反映し、多岐にわたっていま す(表 1)。 

表 1 平成 16 年度若手奨励研究一覧(博士後期課程 2 年および 3 年抜粋) 

関連プロジェクト名 助成研究課題

日常生活看護 慢性期意識障害患者に対する背面開放座位の効果と意識変化の 様相の分析

日本型高齢者ケア 入院高齢者のせん妄リスク・アセスメント・ツール開発に関する 基礎的研究

看護サービスの活用と評価 脳血管障害者の身体の知覚統合感を獲得するプロセスとケア方

健康教育実践プログラム開発 日本における前期高齢女性の家族以外の身近な他者との交流関 係に関する理論モデルの開発

子どもと家族中心のケア 日帰り手術に向けての幼児の自立性を親と協働して支援する介護 介入プログラムが親と子どもに与える影響についての探求 日本型がん看護 化学療法を受ける造血器腫瘍患者が継続していく感染対処行動

のプロセス、マイクロエスノグラフィーによるアプローチを通して 日本型高齢者ケア 痴呆性高齢者に関わる看護上の困難と看護行為の構造‐医療施

設に勤務する看護師に焦点をあてて Women-centered Care ガイド

ラインの創出 女性が楽な気持ちで不妊治療に臨むためのイメージ法プログラム の評価 : ランダム化比較試験

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市民および専門職者とのコラボレーションの推進

るかなび : 聖路加健康ナビスポット

自分の健康は自分で守る時代といわれています が、病気とその治療法を学び、自ら選択し、そ して生活を整えるのは難しいことです。医療は、

人々を病から守り、病からの回復を支えること を目的としていますが、市民と医療者の情報量 の差は、医療を市民のものからあたかも医療者 のもののように思える状況を作り出してきまし た。それへの反省が、「インフォームド・コンセ ント」という考え方を生み出したといえます。市 民が治療法を選択し、健康生活を創っていくと き、断片的な情報ではなく、身体全体を見通せ る情報、質の高い情報が必要となります。看護 学の教育研究機関において、その役割を果たす ために、「健康情報サービスコーナー」を設置し て、さらに「ナースクリニック」と連携して、市 民とのパートナーシップによる拠点づくりを開始 しました。

「健康情報サービスコーナー」は、親しみやすく 呼びやすいことを考え「るかなび : 聖路加健康 ナビスポット」と名づけました。PR は、町内会 等近隣への挨拶、飲食店にはポスターの貼り出

した。9 店舗の協力を得ており、1ヶ月に 1 回 程度、各店舗を回って、ポスターの張り替え、カー ドの補充を行っています。足を運ぶきっかけとし て、ランチタイムにハーブティーやお茶の無料 サービス、またミニ健康講座(コンサートつき)

を行いました。

今年 2 月には地域の中学生 2 名が職場体験とし て訪れ、看護師、図書館員の仕事と、「るかなび」

の役割を知ってもらう機会となりました。

1 月末までに 193 件の相談ケースがあり各相談 時間の幅は 5 分〜 60 分でした。内容は、医師 には聞けなかったこと、医療用語や検査値など 説明されたが理解できなかったという相談が多 かったようです。

サービス時間は、平日 10:00~16:00 とし、ヘル スコーディネーターまたはヘルスボランティア 1

〜 2 名が常在して、相談に応じています。コー ディネーター、ボランティアはいずれも看護師・

保健師・助産師で、企業や学校で健康相談を行っ ていた経験があります。相談時は、スタッフが 書籍を用いながら、相談者といっしょに調べ、

相談者が理解できるように努めています。また、

相談者の話を傾聴する時間に多く費やし、個 別的な対応に取り組んでいます。資料は、図書 152 冊、無料配布のパンフレット210 種を備え ています。インターネットが使えるパソコンも用 意しています。図書の配置は、通常の図書館で 使用している分類にとらわれず、市民にとって関 心がある情報の項目ごとにまとめました。パン フレットは、医療機器メーカー、医薬品会社な どから無償で提供を受けていますが、本学で作 成した独自のパンフレットの配布も計画してい ます。パンフレットによっては 5 ヶ月で 100 部

るかなび

聖路加健康ナビスポット

ナースクリニック

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がなくなってしまったものもあります。

2004 年 4 月 27 日〜 2005 年 1 月 31 日までの サービス時間内の来訪者は延べ 755 名でした。

利用目的は、「健康相談」、「立ち寄り」が多く 25% という結果でした(図 1)。健康相談に訪れ た人の利用時間帯は、近隣病院の受診後や仕 事の合間に立ち寄るということから、昼休みの 時間から午後が多くなります。アンケートに答え てくださった方は 104 名でしたが、年齢は 50 歳代が 31%、次いで 60 歳代が 21% で、性別 では、女性が多く69% という結果でした。

ナースクリニック

「ナースクリニック」は、大学における新しい形 態の看護サービスです。個人相談・ケア、サポー トグループ、クラスと多様な試みがなされていま す。これらは研究センターの研究員が開発に関 わった看護ケアやプログラムが基盤になってい ます。現在、7 つのサービスが実施されていま すが、21 世紀 COE プログラムとしてすすめられ ているのは 3 サービスです(表 1)。

 このうち、「乳がん女性のためのサポートプログ ラム」は、がん患者が主体的・効果的に治療を 継続し、治療を受けながら充実した生活が送れ るよう個々の体験を分かち合う場を提供するこ

とを目的としています。「誰かと病気のことを分 かち合えていますか」「病気とどのように付き合っ ていますか」がテーマとなっています。基本的 に自由に話し合う形式で、1 回のプログラムは、

約 90 分、ファシリテーターは本学成人看護領 域スタッフ、研究センタースタッフおよび聖路加 国際病院外来点滴センター、外科外来スタッフ がつとめています。

今年度は 11 月から 3 月まで 4 回開催、延べ 31 人が参加しました。各会の参加者の関心により テーマは違いますが、治療による副作用症状と 個々の対処法、ライフスタイルを変えるというこ と、自分が変わったと思うこと、上手に医療を 受けるということについてなど、それぞれの工夫 や気持ちの持ちようなどが自由に表していまし たアンケートでは「同じような状況にある人の話 が聞けてよかった」とするものが多く、プログラ ムの継続や様々な情報交換の場としての期待が 記されていました。

このように「ナースクリニック」ではニーズは高く、

既存の施設では難しいサービスを実施していま す。同時にサービスを評価し、その成果を示す ことによって、社会の中に新しい看護サービス の形として普及することを目指しています。

さらに看護教育との連携という側面では、学部 学生の臨地実習、そして大学院生の研究フィー ルドとして貢献しています。学部学生の臨地実 習の場としては、生涯発達看護論および家族発 達看護論の実習生を半年間に渡って受け入れて きました。大学院生は研究フィールドの開拓の ため、または興味を持っている現象や人々の体 験の理解を深めるためにナースクリニックを活用 しています。また、学部学生および大学院生の 中には、ボランティアとして参加する者も多くい ます。

表 1 ナースクリニック事業の概要         

形態 名称 目的 対象 実施回数 実施者

個人相談・ケア 末期がん在宅ケア相談 末期がん患者および家族が、病院から在宅への移行や

在宅でのケアに関する問題を解決できる。 末期がん患者 / 家族 2 回 / 月 午前中

大 学 教 員 3 名、 大 学 院 生 1 名

個人相談・ケア 在宅高齢者の

看 護・介 護 相

看護・介護相談や季節に応じた生活情報の発信により、

慢性疾患や老化によって生活が困難となった高齢者お

よび家族が、共に安心して在宅生活が継続できる。 在宅高齢者 / 家族 4 回 / 月  午前中

大 学 教 員 3 名、 博 士 研 究員 1 名

集団 乳がんサポート

プログラム

乳がんを持つ女性が主体的・効果的に治療を継続し、

治療を受けながら充実した生活が送れるよう、個々の 体験を分かち合う場となる。

乳がんの治療を継続 しているまたは治療

を受けた女性 1 回 / 月 大 学 教 員 2 名、 看 護 師 2 名 健康相談25%

立ち寄り25%

■身長・体重測定3%

■センター事業申し込み  問いあわせ3%

■図書検索・

 問い合わせ4%

■血圧測定4%

■その他8%

■ハーブティー12%

■パンフレット入手16%

図 1 るかなび 来場者内訳 (2004.4.27 〜 2005.1.31)

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