2.7 臨床概要
2.7.3 臨床的有効性の概要
2.7.3.3 全試験を通しての結果の比較と解析
比較対照試験4試験の対象集団は第2.7.4.1.3項に示した。
2.7.3.3.2 全有効性試験の結果の比較検討
比較対照試験4試験における有効性の成績を表2.7.3.18に示す。
最も直近の試験は1996~1999年に実施された(試験TRRT-04)。感作患者での有効性
(血清クレアチニン値、移植片不全、移植片機能及び総死亡)について、サイモグロブリ ン群とOKT3群で差はみられなかった。また、治療前後でのT細胞数の測定では、治療 後の血清中T細胞数はOKT3群と比べてサイモグロブリン群で有意に少なかった
(p<0.05)。Mariatの試験(TRRT-03)は同様の試験デザインであったが、試験時期は早 期(1992~1995年)であった。
米国での試験TRRT-01(19 ~19 年)では、OKT3ではなく、Atgamとサイモグロブ リンを比較した。この試験では、移植片生着率について、治療前の拒絶反応の重症度(グ レード Iのみがステロイド抵抗性)別に層別解析を行った。各重症度カテゴリーにおいて、
サイモグロブリン群でより改善傾向がみられた。
1989~1991年に実施された最も古い試験(TRRT-02)では、サイモグロブリンの移植片 生着率はOKT3よりも劣っていた(p=0.05)。サイモグロブリン群での移植片生着率(試 験TRRT-02)は、最近の試験(TRRT-03)のものよりも低い。なお、1992年以前の試験 で使用されたサイモグロブリンはウイルス対策のための加熱処理を施されていない。
表2.7.3.18 全有効性試験成績の比較検討:比較対照試験
パラメータ TRRT-01 (19 -19 実施) TRRT-02 (1989-1991実施) TRRT-03 (1992-1995実施) TRRT-04 (1996-1999実施) 投与群 サイモグロブリン Atgam p サイモグロブリン OKT3 p サイモグロブリン OKT3 p サイモグロブリン OKT3 p 投与量(mg/kg/日) 1.5 15 1.5 5 2 → 1 5 →2.5
投与期間(日) 7~14 7~14 10 10 10 10
併用療法 Triple* Triple* Triple Triple * Triple Triple Triple* Triple*
症例数 82 80** 32 27 31 29 27 28
血 清 ク レ ア チ ニ ン (µmol/L [mg/dL]):
投与前 625±294
[7.06±3.32]
541±318 [6.11±3.59]
NS 308±125
[3.48±1.41]
330±94 [3.73±1.06]
NS
投与終了後 417±273
[4.71±3.08]
334±271 [3.77±3.06]
NS 306+253 [3.46±2.86]
237+166 [2.68±1.88]
- 254±122 [2.87±1.38]
246±144 [2.78±1.63]
NS
1週間 218±77
[2.46±0.87]
224±116 [2.53±1.31]
NS
1ヵ月 X X 245+181
[2.77±2.05]†
242+134 [2.73±1.51]†
-
3ヵ月 259±194
[2.93±2.19]‡
230±105‡ [2.60±1.19]‡
169+45
[1.91±0.51]
193+106 [2.18±1.20]
NS
移植片生着率 (%):
1~3ヵ月 94 90 *** 96 90 NS
6ヵ月 93 90 NS
1年 83 75 p=0.19 67 93 89 81 NS
2年 63 88 p=0.05
拒絶反応数 1.5+0.7 1.6+0.8 NS 2 3
3ヵ月以内の再発(%) 28 38 NS 44 50 NS
拒絶反応抑制率 (%) 84 96 NS
移植片機能喪失 (%) - - - - - -
3ヵ月時点 16 4 NS
表2.7.3.18 全有効性試験成績の比較検討:比較対照試験
パラメータ TRRT-01 (19 -19 実施) TRRT-02 (1989-1991実施) TRRT-03 (1992-1995実施) TRRT-04 (1996-1999実施) 投与群 サイモグロブリン Atgam p サイモグロブリン OKT3 p サイモグロブリン OKT3 p サイモグロブリン OKT3 p 移植片機能喪失: - - 11 (34%) 4 (15%) 4 (13%) 6 (21%) NS 4 (15%) 4 (14%)
拒絶反応 7 3 1 4 2 3
感染/敗血症 2
死亡 3 1 2 1
その他 2 1 1
Triple = 3剤併用免疫抑制療法(ステロイド + タクロリムス/シクロスポリン + ミコフェノール酸モフェチル/アザチオプリン)
* 初回投与効果を最小限に抑えるために、初回投与前にメチルプレドニゾロン、アセトアミノフェン又はジフェニルヒドラミンを追加投与。
** Atgam群から1例脱落によりn=80。
*** 拒絶反応の重症度による層別解析で有意差あり † 1ヵ月ではなく45日間時点で評価
‡ 3ヵ月ではなく投与終了後数ヶ月時点(at months、詳細時期不明)で評価
2.7.3.3.3 部分集団における結果の比較 部分集団での検討は行っていない。