分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の発展に資する研究(H30 -難治等(難)- 一般-017)
結果:障害者雇用のメリット
2019年度調査に限り、小慢患者を雇用するメリットを対象者に尋ねたところ、全対象者のうち 3分の1以上が「該当する」と回答した項目は多い順に、「多様性に対する社員の理解促進」「働き 手の確保」「職場環境改善」「企業イメージの向上」でした。
企業規模別の比較では、大企業で「多様性に対する社員の理解促進」「職場環境改善」「企業イ メージの向上」「法定雇用率の遵守」との回答が多く、中小企業では「助成金(特定求職者雇用開 発助成金など)」「特になし」との回答が多い傾向でした。
結 論
本調査から、以下の4点が示唆されました:
1.多くの企業が小児期発症疾患を有する方の雇用経験を持たないが、4割が雇用に興味を持って いる。
2.雇用にあたり企業が知りたいことは、「どのような配慮が必要か」「労働意欲があるか」「パソ コンや語学などのスキルがあるか」「能力的に貢献できるか」「突然の欠勤や長期休業の可能性 があるか」「一般的マナーを身につけているか」「本人が体調悪化前に相談できるか」などであ る。
3.雇用にあたり企業が心配なことは「適当な仕事があるか」「勤務時間を配慮できるか」「バリア フリー対応できるか」「公平に給与・昇給昇格などを検討できるか」などである。
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分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
4.小児慢性特定疾病児童等自立支援員は、小慢患者と雇用に興味を持つ企業との橋渡しに加え、
企業が知りたいこと、心配なことに関して、患者本人やご家族と話し合い、対応方法を検討す ることが必要である。
就労に向けて当事者・支援者が確認・検討していくべき項目に関する調査 目 的
企業対象調査の結果をもとに、患者本人、家族、小児慢性特定疾病児童等自立支援員、小児慢性 特定疾病児童等自立支援事業や移行期医療に従事する医療・福祉専門職を対象としたアンケート調 査を実施しました。本調査の目的は、小児慢性特定疾病等を有する方の就労に向けて、ご本人やご 家族が、小児慢性特定疾病児童等自立支援員をはじめとした支援者と共に、確認・検討していくべ き項目を選定することです。
方 法
複数回のアンケートからなるデルファイ法という手法を用いました。デルファイ法は専門的知識 や経験を有する方(以下、有識者)にアンケート調査を行い、その結果をフィードバックしつつ回 答を繰り返すことで、有識者の意見をまとめていく方法です。本調査では、有識者として、小児慢 性特定疾病を有し就職しているご本人、ご家族、小児慢性特定疾病児童等自立支援員、小児慢性特 定疾病児童等自立支援事業や移行期医療に従事する医療・福祉専門職を対象としました。デルファ イ法におけるアンケート調査回数は3回としました。
アンケートでは、「病状と就労」「社会福祉制度の利用状況」「労働意欲」「希望する就労形態」
「アピールポイント」「必要な配慮」「周囲への説明」の計6トピック、全55項目について、「小児 慢性特定疾病等を有する患者さんご本人やご家族が、必要に応じて小児慢性特定疾病児童等自立支 援員をはじめとした支援者と共に、就労に向けて以下の情報を確認・検討していくこと」の重要 性を尋ねました。回答の選択肢は「とても重要である」「まあ重要である」「どちらとも言えない」
「あまり重要でない」「全く重要でない」の5段階方式とし、「とても重要である」または「まあ重 要である」と回答した対象者の割合を「同意率」とし、同意率80%以上の項目を「確認・検討し ていくべき項目」としました。同意率60%未満の項目は次回以降のアンケートでは削除しました。
分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の発展に資する研究(H30 -難治等(難)- 一般-017)
結果:対象者の概要
2020年12月現在で、1回目のアンケート調査が終了しています。1回目のアンケートでは全 29名の対象者のうち、28名の方から回答を得ました。対象者の内訳は、ご本人9名、ご家族3名、
教育研究職3名、看護師3名、ソーシャルワーカー2名、医師2名など、多様でした。
結果:同意率
1回目のアンケート調査時点では、全55項目中、41項目において同意率が80%以上でした。
同意率が100%だった項目は「労働意欲があるか」「自分自身では行うことが難しく、周囲から支 援を要する業務や動作は何か」「どのような業務量や作業内容を希望するか」「困った時、周囲に相 談し解決できるか」でした。一方、同意率60%未満だったのは「仕事を通してどのような社会貢 献をしたいか」「入社したら、いずれリーダーや責任者になりたいか」「どのような規模の企業に就 職したいのか」の3項目でした。
分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
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小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の発展に資する研究(H30 -難治等(難)- 一般-017)
これからの展開
今後、2回目、3回目のアンケート調査を行い、「確認・検討していくべき項目」の選定を行う 予定です。さらに、企業対象調査の結果も踏まえて、小児慢性特定疾病を有する方、ご家族、小児 慢性特定疾病児童等自立支援員をはじめとした支援者が共に利用できる「情報共有シート」の完成 を目指しています。
分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
年 月 日 作成
フリガナ
お名前 記入者
〒 連絡先
緊急連絡先 続柄
通院先 主治医 連絡先
疾患の正式な名称 通院頻度
服薬
服薬による生活への影響
障害者雇用枠利用の意向
医師から勧められている仕事の内容
仕事を通してやりたいこと 就労にあたって不安なこと
これまでに頑張ってきたこと 仕事上のアピールポイント
周囲から支援を得たい業務や動作 ストレス・疲労を感じやすい場面や対処方法
どのような時に体調を崩しやすいか 安心して仕事をするために必要なこと あり・なし
身体障害者( 級)・ 精神( 級)・ 療育( 度)
無 → 取得の確認をしたことが ある ・ なし
就職支援に関する情報共有シート 試作版
注住 所
男・女 生年月日 ( 歳)
障害者手帳など 小慢 ・ 難病 ・ その他( ) 本人 ・ ご家族(お名前 続柄 )
分担研究「小慢児童の就職支援、就労支援に関する情報収集・分析」
小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の発展に資する研究(H30 -難治等(難)- 一般-017)
希望する会社・業種・職種
正規職員 ・ 非正規職員 ・ 短時間労働者 就労移行支援 ・ 就労継続支援A型 ・ 就労継続支援B型
希望する勤務時間 週 日 ・ 1日 時間 時間外勤務 可 ・ 不可 希望する業務量や作業内容
希望する通勤方法や時間帯 電車 ・ バス ・ 自家用車 ・ 徒歩 ・ その他( ) 希望する勤務地
必要なバリアフリー対応
今までに働いた経験(アルバイト含む) Officeの使用経験
仕事に役立つ特技 持っている資格・検定
自分の病気の特徴や必要な配慮について普段周りの人にどのように説明していますか
困った時に相談できる人・医療機関以外の患者会やNPO法人などの相談場所はありますか
仕事をするにあたり、自分の病気について何をどこまで誰に伝えたいですか
仕事をするにあたり、周りの人に理解してもらいたいことはありますか
注:2021年1月時点までの調査結果に基づく試作版です。
最新版は研究班HP(https://www.m.ehime-u.ac.jp/shouman/)に公開予定です。
その他( ) 希望する勤務形態