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光情報記録

ドキュメント内 Quantum interference effects (ページ 40-44)

第 3 章 光情報記録 33

3.2 光情報記録

前節のEITを応用することで,光情報記録を行なうことができる.具体的にはprobe光と coupling光をパルスにしてΛ 型3準位系を持つ原子に入射する.ここで重要なのはprobe光 とcoupling光の周波数を2光子共鳴条件 ωp−ωc =ω21 を満たすように固定していることで ある.光情報記録には書き込み,保存,読み出しの3つの段階がある.ここでパルスを役割に 応じて,Writeパルス,Dataパルス,Readパルスと呼ぶことにする.

Coupling Probe

Coupling

Probe

Signal

ω

c

ω

p

ω

p

Write Read

Data

ω

21

Λဳ3Ḱ૏♽

∆t

ᦠ䈐ㄟ䉂

଻ሽ

⺒䉂಴䈚

1㪕

2㪕 3㪕

3.3 Λ3準位系とパルスタイミング

3.2.1 書き込み

Coupling Probe

ρ

12

Λဳ3Ḱ૏♽

1㪕

2㪕 3㪕

3.4 書き込み

probe光と coupling光は2 光子共鳴条件を満た しているので,図3.4のように基底準位間にサブレ ベルコヒーレンスρ12 が作られる.ここで2つの光 の情報がサブレベルコヒーレンスとして原子に書き 込まれたことになる.2つの光を入射して十分時間 が経過すると,原子は Dark stateにトラップされ て光と相互作用しなくなる.このDark stateは

|DS= 1 q

2p+ Ω2c

(Ωc|1〉 −p|2) (3.21)

と表される.この時,サブレベルコヒーレンスは ρ12 =cp

2p+ Ω2c (3.22)

で与えられ,Ωp = Ωc の時に最大値 ρ12 =1/2 をとる.

3.2.2 保存

ρ

12

Λဳ3Ḱ૏♽

1㪕

2㪕 3㪕

3.5 保存

probe光とcoupling光を同時に切った時刻から保 存が始まる.2つの光を切ってもサブレベルコヒー レンスはしばらくの間保持される.そして,Read パルスを入れるまでの時間 ∆t が保存時間になる.

probe 光とcoupling光は 2光子共鳴条件を満た しており,保存の段階では光は入射していないので,

δp −δc = 0,Ωp = 0,Ωc = 0 である.式より,

˙

ρ12 =−γsρ12

となる.ρ12(∆t = 0) =ρ0 とすると,

ρ12(∆t) =ρ0eγs∆t =ρ0eτsub1 ∆t (3.23)

が得られる.ここで,τsub はサブレベルコヒーレンスの寿命である.

3.2.3 読み出し

Coupling Signal

ρ

12

Λဳ3Ḱ૏♽

1㪕

2㪕 3㪕

3.6 読み出し サ ブ レ ベ ル コ ヒ ー レ ン ス が 残 っ て い る 状 態 で

Read パルスとして coupling 光を入射すると,保 存したDataパルスをSignalパルスとして得ること ができる.読み出されるSignal パルスの時間変化 を調べるためにはρ13(t)を求めればよい.ここでは t= 0 がReadパルスを入れた時刻を表している.

では,実際にLiouville方程式を解いて ρ13(t) を 求めていく.読み出しの段階では,probe光と cou-pling光は 2光子共鳴条件を満たしており,probe 光は入射していないので,δp −δc = 0,Ωp = 0, δp = 0である.また,読み出し期間に対して,サブ レベルコヒーレンスの寿命は十分に長いと仮定する と,γs = 0なので,

˙

ρ13 =−ic

2 ρ12−γρ13 (3.24)

˙

ρ12 =−ic

2 ρ13 (3.25)

となる. の両辺を微分すると,

¨

ρ13 =−ic

2 ρ˙12 −γρ˙13

=2c

4 ρ13−γρ˙13 (3.26)

となる.ここからは微分方程式

¨

ρ13+γρ˙13+ Ω2c

4 ρ13 = 0 (3.27)

を解いていく.解を求めるために ρ13 =Ceλt とおくと,

λ2+γλ+ Ω2c 4 = 0 が得られる.解の公式を用いると,

λ = −γ±p

γ22c 2

= −γ±β 2

³

β p

γ22c

´

となる.ただし,ここでは γ >c つまり β >0 とすると,微分方程式(3.27)の解は

ρ13(t) =C1eγ+β2 t+C2eγ2β t (3.28) とおくことができる.ここで,C1C2 は定数である.初期条件として ρ13(t = 0) = 0, ρ12(t = 0) =ρ12(∆t) を考える.すると,(3.28)より,

ρ13(t = 0) =C1+C2 = 0 となり,

C2 =−C1 (3.29)

が得られる.一方,(3.28)の両辺を微分し,(3.24)を用いると,

˙

ρ13 = −γ+β

2 C1eγ+β2 t −γ −β

2 C2eγ2βt =−ic

2 ρ12−γρ13 (3.30) となる.t = 0 の時,(3.30)は

−γ+β

2 C1+ −γ−β

2 C2 =−ic

2 ρ12(t = 0) +γρ13(t = 0)

=−ic

2 ρ12(∆t)

となり,(3.29)を用いると,

C1 =−iΩc

ρ12(∆t) (3.31)

C2 = iΩc

ρ12(∆t) (3.32)

が得られる.よって,

ρ13(t) =−iΩc

ρ12(∆t)eγ2 t

³

eβ2 t−eβ2t

´

=−iΩc

ρ0eτsub1 ∆teγ2tsinh µβ

2 t

(3.33)

となる.実際に観測されるSignal光の強度 Isigρ13 の絶対値の2乗に比例するので,

Isig(t)∝ |ρ13(t)|2

= Ω2c

2 ρ20eτsub2 ∆teγtsinh2 µβ

2 t

(3.34) となる.Isig(t) をプロットすると,図3.7のようにReadパルスを入射した瞬間に急に立ち上 がり,その後減衰していくような信号が得られると予想される.

0 t

Coupling Write

∆ t

Read

I

sig

( t )

3.7 読み出される信号

パルスの減衰時間 S を実験から求めることによって,サブレベルコヒーレンスの寿 命を見積もることができる.Isig は保存時間 ∆t の関数として次のように書ける.

Isig(∆t) =I0eTS1 ∆t ∝eτsub2 ∆t (3.35) したがって,サブレベルコヒーレンスの寿命は

τsub= 2TS (3.36)

である.

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