ここまでの先行研究レビューを通じ、サービス科学と知識科学、製造業のサービス化、
開発手法の三つの研究分野の先行研究についての調査の結果、明らかになった点を以下
41 にまとめる。
(1)サービス科学と知識科学
・サービス・ドミナント・ロジックによれば、サービス価値は提供者と顧客の共創 により生まれる。
・サービスとはモノのように静的ではなく、行為、活動その結果までが含まれる ・サービス・ドミナント・ロジックによれば、製品や顧客もサービスの構成要素で
ある。
・サービスの価値を高めるためには、顧客の状況を理解することが必要である。
・知識創造プロセスには、価値創造プロセスと統合が可能である。
・サービス価値創出や知識創造を促進するためには、良い場を整える必要がある。
・実際のビジネスにおけるサービス価値創出プロセスは、知識創造プロセスである。
(2)製造業のサービス化
・製造業のサービス化には、ICT 技術が非常に大きな影響を及ぼす。
・製造業企業がサービス化することは、顧客企業と価値共創を行うことである。
・製造業企業がサービス化は、モノとサービスの関係性でとらえることができる。
・製造業のサービス化についてプロダクト・サービス・システムなどで議論が行われ ているが、具体的な手法については明らかにされていない。
(3)開発手法
・顧客の意見を取り入れるには非ウォーターフォール型開発が有効である。
・サービスデザインは、サービス業だけでなく製造業企業にとっても有効な考え方 である。
・デザイン思考などのアイデア発想法は、提供者と顧客の関係性の構築とアイデアの 質の向上に寄与する。
・デザイン思考プロセスは、知識創造プロセスと類似している。
これらの調査結果から、製造業企業がコモディティ化への対抗手段としてサービス化を 推進するためには、サービス・製品の開発過程に顧客が参加することが必要と考えられ
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る。また、製造業企業と顧客との価値共創は、製造業企業が顧客を理解し適切な場を作 ることでサービス・製品の開発の場面で実現が可能と考えられる。一方でこれを実現す る具体的な方法は明らかにされていない。
以降では、製造業のサービス化における課題である顧客との価値共創のための方法論 の開発のために、3章で実際の開発現場の事例を分析することで製造業のサービス化の 促進要因とサービス化のプロセスについて分析を行った後、4章では本章で得られた結 果に基づいて具体的な方法論を提案し、5章でアクションリサーチによって提案した方 法論の有効性を検証する。
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