2 RFID に関する動向の調査
2.6 データ活用及びコスト
2.6.3 個品単位の電子タグの情報をサプライチェーンで共有する場合のコスト(消
52
53
① 事業所数
電子タグの読取りに関するイベントが発生する事業所数については、表 2.7 に示す平成
28
年度経済センサス(総務省・経済産業省)による食料品製造業、卸売業、小売業の事業 所数を適用する。表 2.7 業種・産業の事業所数
業種 産業 事業所数 業種別計 業種別計に
占める割合(%)
メーカー 食料品製造業 28,239 217,601 13.0
卸 食料・飲料卸売業 35,672 364,814 9.8
小売 その他の飲食料品小売業 132,479 990,246 13.4
計 196,390 1,572,661 12.5
(出所) 平成 28 年度経済センサス(総務省・経済産業省)より抜粋
② 業種におけるイベントの発生数
サプライチェーンを構成する業種におけるイベントの発生数を表 2.8のように置く。
表 2.8 業種におけるイベントの発生数
# 業種 イベント イベントの発生数
(A) メーカー 製造、製造検品、出荷検品、出荷 4
(B) 卸 入荷、入荷検品、保管、仕分け、出荷検品、出荷 6
(C) 小売 入荷、入荷検品、棚卸、販売 4
③ イベントの発生元となる電子タグの個数
イベントの発生元となる電子タグの個数は、「コンビニ電子タグ
1000
億枚宣言」を踏ま えて表 2.9のように置く。表 2.9 イベントの発生元となる電子タグの個数
# 根拠 電子タグの個数
(D) コンビニ電子タグ 1000 億枚宣言 100,000,000,000
④ 事業者種別毎のイベントの発生回数
事業者種別毎のイベントの発生回数は表 2.10のようになる。
表 2.10 事業者種別毎のイベントの発生回数
# 業種 イベントの発生数 計算 (E) メーカー 400,000,000,000 (E)=(A)×(D) (F) 卸 600,000,000,000 (F)=(B)×(D) (G) 小売 400,000,000,000 (G)=(C)×(D)
計 1,400,000,000,000
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⑤ 事業者種別毎のイベントの発生箇所数
事種別毎のイベントの発生箇所数は表 2.11のようになる(表 2.7に示す業種・産業の事 業所数と同一とする)。
表 2.11 事種別毎のイベントの発生箇所数
# 業種 イベントの発生箇所数 (H) メーカー 28,239
(I) 卸 35,672
(J) 小売 132,479
計 196,390
⑥ 1事業所当たりのイベントの発生回数
1事業所当たりのイベントの発生回数は表 2.12のようになる。
表 2.12 1事業所当たりのイベントの発生回数
# 業種 イベントの発生回数 計算 (K) メーカー 14,164,808 (K)=(E)/(H) (K) 卸 16,819,915 (L)=(F)/(I) (M) 小売 3,019,346 (M)=(G)/(J)
計 34,004,069
⑦ 1事業所当たり・1日当たりのイベントの発生回数
1事業所当たり・1日当たりのイベントの発生回数は表 2.13のようになる。
表 2.13 1事業所当たり・1日当たりのイベントの発生回数
# 業種 1事業所当たりの
1日当たりのイベントの発生回数 計算 (N) メーカー 38,808 (N)=(K)/365 (O) 卸 46,082 (O)=(L)/365 (P) 小売 8,272 (P)=(M)/365
計 93,162
上記の①~⑦の簡易試算に拠れば、業種毎に差異はあるが、1事業者当たり・1日当た
り
50,000
件程度のイベント≒トランザクションが発生すると見れば良いと考えられる。これは昨今の情報システムとしては大きな情報処理量ではなく、故に一般的なクラウドサー ビスの適用で対応可能なものと見ることができる。大手クラウドコンピューティングサー ビスの仮想サーバーの年間使用量は数百万円と見れば、(もちろん中小事業者にとっては、
そして大手事業者にとっても決して安価ではないが)全く非現実的な費用感でもない。