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保健・医療の充実

第6節 安心して健康で暮らせる明るい社会づくり

4 保健・医療の充実

現状と課題

わが国の平均寿命は、医学の進歩や生活水準の向上により急速に伸びてきましたが、その 反面、運動不足や食生活の変化などにより生活習慣病が増加し、特に、内臓脂肪症候群(メ タボリックシンドローム)の予防対策が急務となっています。

成人・老人保健は、これまで、老人保健法に基づいた健康診査や健康教育などを推進して きましたが、平成 18 年からは介護保険制度改革に伴い、65 歳以上の高齢者については、介 護保険法に基づく介護予防事業を中心に保健施策を展開しています。さらに、平成20年4 月からは老人保健法に代わる「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、医療保険の保 険者(町)が被保険者やその被扶養者を対象に内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)

対策に主眼を置いた特定健康診査、特定保健指導を実施していくことになっています。こう した成人・老人の保健事業をめぐる急激な制度改革に対応し、町民一人ひとりが自らの健康 は自らつくるという意識を持ち、主体的に取り組むことが求められます。

一方、母子保健・育児支援については、出産・育児期の親子の疾病予防・健康増進と育児 不安の解消、障害等の早期発見などにむけ、母子健康記録を活用し、検診による疾病などの 早期発見に努めるとともに、保健指導・育児相談の充実に努めています。今後も、学校や地 域との連携を深めながら、子どもの健全な発達・発育を支援していくことが求められます。

当町の医療については、総合医療機関である県立木曽病院の他、ひよし・みたけ 2 箇所の 町営診療所を運営しており、民間では内科医や歯科医も開業しています。現在の木曽病院に は、医師の欠員している診療科があるため、県に対し医師確保の具体的な対策を要望してい く必要があります。

町営の「みたけ診療所」と「ひよし診療所」は、医師の確保・定住により、地域医療の中 核として機能できるよう介護保険施設等の各機関と密接な連携をとり、地域医療活動の推進 を図っていく必要があります。

救急患者輸送体制は、木曽広域連合にて高規格救急車の配備や救急救命士の養成が行なわ れ充実が図られてきています。しかし、担当地域が広範囲にわたり、交通事故などによる出 動も多いため、より安定した配備による迅速な対応を目指す必要があります。

課題の整理

・主体的な健康づくりの促進 ・食育の推進

・特定健康診査・特定保健指導の円滑な導入 ・母子保健サービスの充実

・感染症予防の推進

地域まちづくり計画で掲げられた主な事業

・自分の健康は自分で作る運動の実践 ・保健指導員等との連携

・健康散歩コースづくり ・健康づくり勉強会

・診療所を中心とした地域医療体制の整備(要望)

内 臓脂肪 症候群( メタボ リック シンド ローム ):メ タボリ ック( Metabolic)「代謝」を意味 し、シン ドロー ム( Syndrome)

は 「症候 群」を 意味す る。直 訳する と「代 謝異常 症候群 」とい う意味 。

状 態と して は、 内臓 脂肪に よる 「肥 満」 の人 が、「高 血糖 」「 高脂 血 」「 高血 圧」 とい った 生活習 慣 病の危 険因子 を二つ 以上持 ってい る状態 。

基本方針

乳児から高齢者までの町民一人ひとりの健康づくりや生活習慣病予防に対する意識の高 揚を図り、町民の自主的な健康管理や健康づくり活動を促進し、食育の推進と栄養・運動指 導等の充実を図ります。

住民が安心して医療サービスを受けられるよう、町営診療所の充実を図り、県立木曽病院 との連携を強化し、地域医療体制と緊急医療体制の強化を図ります。

施 策

①主体的な健康づくりの促進

健康づくり施策を計画的に推進するため、成果指標やそれを実現するための町民・事業 者・行政の役割、さらには医療費適正化指針などを具体的に定めた健康増進計画や特定健診 等実施計画、食育基本計画を策定し、その適切な実施に努めます。

健康づくりの各種パンフレットの配布などを通じて、健康づくりの意識高揚を図るととも に、保健分野と生涯学習・生涯スポーツ分野が連携し、健康づくりや生涯スポーツの教室の 充実と自主グループ活動の活性化を図ります。さらに、当町の農産物の地産地消を図りなが ら、学校や保育園などでの食育の推進など、食を通じた健康づくりにも取り組みます。

主な事業

◆食育基本計画の策定 ◆食育推進事業

◆健康増進計画・特定検診等実施計画の策定

◆年代別健康づくりプログラムの開発・実施支援

②成人保健サービスの充実

特定健康診査、がん検診など各種健(検)診については、効果的な実施に向け、職域保険 による事業者健診と連携しながら、内容、実施方法などを随時検討していくとともに、受診 後のフォローの充実に努めます。

特定保健指導や各種健康教育・相談事業においては、生活習慣の改善に重点を置き、運動 面、栄養面についてきめ細かな支援を行います。高齢者については、包括支援センターと連 携し、生活機能低下の防止や認知症予防、閉じこもり予防など、介護予防の取り組みを進め ます。

主な事業

◆各種がん検診事業 ◆健康教室・健康相談事業

◆健康増進事業

③母子・思春期保健サービス

母と子の健康の増進と、疾病や障害の早期発見に向け、妊婦・乳幼児健康診査の充実と受 診率の向上に努めます。また、各種相談事業や家庭訪問により、妊産婦・乳幼児に関する保 健の正しい知識の普及と育児不安の軽減を図ります。

発育や発達に心配のある子については、関係機関と連携し、支援・指導の充実に努めます。

また、思春期の子どもたちに対して、各学校と連携をはかりながら、生命、栄養、性、薬 物などについての啓発や保健指導を推進します。

主な事業

◆母子保健事業 ◆育児支援事業

◆思春期保健推進事業

④感染症予防の推進

予防接種法、結核予防法に基づく定期予防接種の実施、さらにはエイズ、O-157、ノロウ ィルス、SARSなど、各種感染症に関する広報活動の強化などにより、関係機関と連携し ながら、感染症予防に努めます。

主な事業

◆予防接種事業 ◆結核検診事業

◆感染予防推進事業

⑤地域医療体制の充実

医師会・医療機関との連携を密にし、いつでも、どこでも適切な医療が受けられるような システムの実現に努め、開業医・診療所・県立木曽病院が連携した広域医療体制を強化すると ともに、医師の安定的な確保に努めます。また、移送サービスを含めた通院手段の充実を図 ります。さらに、地域医療の中核として診療所を位置付け、医師・看護師等の資質向上を図 るとともに、往診車の更新を行い、在宅医療機能の強化を図ります。

主な事業

◆医療サービス網の整備 ◆地域医療の充実

◆町立診療所の充実

⑥救急医療体制の充実

木曽広域連合での高規格救急車などの装備の充実を促進するとともに、老朽化している町 患者輸送車の更新等により、多面的な患者輸送の強化を図ります。

また、AED(自動体外式除細動器)など、救命器具の公共施設への設置に努めるととも に、救急救命講座などを開催し、救急・救命に関する知識の普及を図ります。

主な事業

◆町患者輸送車の更新 ◆救命救急講座の開催

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