5. 今後の課題と提言:3 年間の試行をふり返って 5.3 アドバイザーの育成と参加者との連携 5.3.3 提言 上述した課題を克服するための対策として、次の 6 点を提言し本項のまとめとする。 1) 参加者にとって適正なアドバイザーの条件 アドバイザーと参加者は、無理せずとも日常的に接触する範囲内の人間関係を基礎と して成立していることが、 活動を成功へと導くために重要な要素となっていた。 つまり、 活動を希望する青少年の日常生活圏内に既に存在している人たちにアドバイザーにな ってもらうことが重要であるということである。アドバイザーの募集は、万人に対して 広報を行うというよりは、教員や社会教育等の分野における指導者を対象に募集をした 方が、後々の活動が円滑であると考えられる。 2) 再確認されたアドバイザーの役割 アドバイザーは参加者と事務局の中間点に位置するので、双方との連携が必要である。 個別の活動については、アドバイザーが活動の実施を確認する必要はないが、その場合 は、活動確認者を別に定める必要がある。活動確認者は、アドバイザーからも参加者か らも信頼できる立場にある者に依頼する必要がある。また、活動確認者に対しても、青 少年体験活動奨励制度の趣旨と活動内容を理解してもらうように努める必要がある。 3) 活動確認者への期待とそのための方策 なお、活動確認者は参加者が活動をする場に、もともと立ち会っている人たちもいる ので、そうした方々に将来、アドバイザーになってもらうことも制度の拡大には必要で ある。こうした点を踏まえると、活動確認者に向けて、活動確認者の役割や青少年体験 活動奨励制度の趣旨、アドバイザー資格取得の奨め等を記載したリーフレットがあると 心強い。 4) アドバイザーの養成 日本全国でアドバイザー養成講座を開催するための方法としては、本年度試みられた 共通教材の活用が有効である。 共通のテキストを用いて収録された講義 DVD を視聴する ことによりアドバイザー養成講座の受講を認める形式を認めれば、より多くの方々にア ドバイザーを担ってもらうことができる。 また、養成講座の開催の回数と開催場所を増やす方策としては、日本各地に存在して いる社会教育関係等の機関に委託することも一案である。開発したテキストやカリキュ ラムに即して、また必要に応じて講義 DVD も活用すれば、実現可能である。公民館や児 童館、あるいは子ども若者系・社会教育系 NPO 組織等民間団体にノウハウを伝授し、各 地で開催できれば、より広範囲にわたってアドバイザーが誕生することとなり、日本各 地の青少年が体験活動に挑戦することが可能となる。 5) 既存の青少年社会教育団体への呼びかけ 通信教育のやり方を用いて、 DVD視聴によってアドバイザー資格が取れるとなると、受 講生の社会的信用を保証する信頼の担保が不可欠となる。そのための対応策としては、 青少年を対象とする既存の社会教育団体等の関係者であることを受講要件に加えるこ とを提案する。先行事例としてはボーイスカウトの団員や一般社団法人教育支援人材認 証協会が認める「こども支援士」などがアドバイザーを務めた事例がある。なお、アド バイザーに興味をもった時点で未だ社会的活動をしていなかったとしてもその段階で (後付けで)、こども支援士を取る、地元の公民館のボランティア活動に参加するなど 社会教育等の関係機関に属することが出来れば、要件を満たしたことを認める配慮が必 要である。 6) アドバイザーに対する支援 アドバイザーの負担軽減につながる手だてとして、アドバイザーのための (仮)フォロ ーアップ研修会等を開催し、研修内容の一部として設定することが解決できる一つの処 方と考えられる。アドバイザー同士の情報交換の場としても機能させたい。 また、活動申し込み時期に的確なアドバイスをすることができ、活動の内容や目標を 具体的に話し合いが進められ、きちんと設定ができれば、その後のアドバイザー活動の 明確化と容易化が可能となることが考えられる。そのためにも、アドバイザー養成講座 の中で、記録 Bookの意義や使い方をレクチャーすることも大切である。 [川野麻衣子 /中田周作/松田広] ドキュメント内 目次 はじめに 1 1. 青少年体験活動奨励制度について 3 2. 我が国における青少年の体験活動に関する現状 : 答申 及び実態調査の観点から 2.1 青少年の体験活動における現状と課題 : 答申 から考える 青少年の体験活動に関する調査研究 : 実態調査も交えて 高校生 (ページ 122-125)