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体積含水率の変動挙動

ドキュメント内 卒業論文 (ページ 85-88)

第 6 章 原位置計測結果

6.2 体積含水率及び間隙圧の挙動

6.2.1 体積含水率の変動挙動

(a) 中腹部

(b) 法尻部

6-6 体積含水率の変動挙動(キャリブレーション A)

(a) 中腹部

6-7 体積含水率の変動挙動(キャリブレーション B)

次に,キャリブレーションの違いによる体積含水率の変動挙動の違いを検討する .体積 含水率が約 25%以下の領域はキャリブレーション A,Bともに式(4.18)による校正なので変 動挙動は同じである.4.3 で述べた通り,本研究で用いた土壌水分計では体積含水率が約 25%以下で推移する場合には,その土中水分量変化を正確に計測できない可能性があった.

しかしながら,図 6-6,図 6-7 に示すように,体積含水率 25%以下の領域において,体積 含水率の変動は降雨との相関が見られる.このことから,体積含水率 25%以下の領域にお いても土中水分量の変化を計測できていると考えられる.ただし,図4-21に示す室内試験 結果からもわかるように,体積含水率 25%以上の領域に比べてその計測精度は低下すると 推察される.

一方,体積含水率が 25%~35%の領域において,中腹部・法尻部ともにキャリブレーシ ョン Aを用いた場合に比べ,キャリブレーション Bによる結果の方が全体的な分布範囲は 高くなるが,体積含水率の変動幅は小さくなる.これは 室内試験結果を線形近似している キャリブレーション Aに対し,キャリブレーションBは6次式による校正であり,曲線の 傾きが高電圧領域において緩やかになっていることによるものである.このため,土壌水 分計の出力電圧が異なっていても,体積含水率がほぼ一定の結果となるため,降雨に起因 する土中水分量変化を適切にとらえられていない可能性があると考えられる.

次に2011年 9月 5日 11:50~2012 年1月11日 13:40の期間における体積含水率の変動 範囲に着目する.中腹部における体積含水率はキャリブレーション A,BともにGL-0.1~

GL-0.4m では体積含水率が 15~20%,GL-0.6m~GL-1.0m では 30~35%であり,GL-0.4m

と GL-0.6m の間を境に大きく変動範囲が異なる.ここで,図 4-7(d)の測線 3.5 上の比抵抗

値分布に示されるように,土壌水分計およびテンシオメータの設置箇所である測線 Bと測 線Cの間の深度0.5m付近を境に抵抗値が変化している(図中の緑色および黄緑色の部分).

また,図 4-9(q)に示す貫入試験結果でも,GL-0.4mとGL-0.6m を境に地盤状況が変化して

(b) 法尻部

6-7 体積含水率の変動挙動(キャリブレーション B)

いることがわかる.これらの結果より,中腹部の計測機器設置地点では深度 0.4m~0.6m 付近を境に地質状況が異なっていると推察される.

一方,法尻部における体積含水率の分布範囲は,深部へいくほど大きくなっている.こ れは,図 3-21に示す風化度の違いにより解釈できる.すなわち,浅層部ほど風化度が高く なり,粒度が高くなる.よって,浅層部ほど間隙率が小さくなり,体積含水率も低くなる.

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