第3章 電線路
第3節 低圧及び高圧の架空電線路
【適用範囲】(省令第1条)
第64条 本節において規定する低圧架空電線路には、次の各号に掲げるものを含まないものとする。
一 低圧架空引込線
二 低圧連接引込線の架空部分
三 低圧屋側電線路に隣接する1径間の架空電線路
四 屋内に施設する低圧電線路に隣接する1径間の架空電線路
2 本節において規定する低圧架空電線には、第1項各号に掲げるものの電線を含まないものとする。
3 本節において規定する高圧架空電線路には、次の各号に掲げるものを含まないものとする。
一 高圧架空引込線
二 高圧屋側電線路に隣接する1径間の架空電線路
三 屋内に施設する高圧電線路に隣接する1径間の架空電線路
4 本節において規定する高圧架空電線には、第3項各号に掲げるものの電線を含まないものとする。
【低高圧架空電線路に使用する電線】(省令第21条第1項)
第65条 低圧架空電線路又は高圧架空電線路に使用する電線は、次の各号によること。
一 電線の種類は、使用電圧に応じ65-1表に規定するものであること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、
裸電線を使用することができる。(関連省令第5条第1項)
イ 低圧架空電線を、B種接地工事の施された中性線又は接地側電線として施設する場合
ロ 高圧架空電線を、海峡横断箇所、河川横断箇所、山岳地の傾斜が急な箇所又は谷越え箇所であって、人が 容易に立ち入るおそれがない場所に施設する場合
65-1表
使用電圧の区分 電線の種類
低圧 300V以下 絶縁電線、多心型電線又はケーブル
300V超過 引込用ビニル絶縁電線以外の絶縁電線又はケーブル
高圧 高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線又はケーブル
二 電線の太さ又は引張強さは、ケーブルである場合を除き、65-2表に規定する値以上であること。(関連省令 第6条)
65-2表
使用電圧の区分 施設場所の区分 電線の種類 電線の太さ又は引張強さ
300V以下 全て
絶縁電線 硬銅線 直径2.6mm その他 引張強さ2.3kN 絶縁電線以外 硬銅線 直径3.2mm
その他 引張強さ3.44kN
300V超過
市街地 硬銅線 直径5mm
その他 引張強さ8.01kN
市街地外 硬銅線 直径4mm
その他 引張強さ5.26kN
三 多心型電線を使用する場合において、その絶縁物で被覆していない導体は、B種接地工事の施された中性線若 しくは接地側電線、又はD種接地工事の施されたちょう架用線として使用すること。(関連省令第5条第1項)
2 第67条第一号ホの規定により施設する場合に使用する、半導電性外装ちょう架用高圧ケーブルは、次の各号に適 合する性能を有するものであること。(関連省令第5条第2項)
一 構造は、絶縁物で被覆した上を金属以外の外装で保護した電気導体であって、室温において測定した外装の 体積固有抵抗が10,000Ω-cm以下であること。
二 完成品は、次に適合するものであること。
イ 65-3表の左欄に掲げるケーブルの種類に応じて、それぞれ同表の右欄に掲げる試験方法で17,000Vの交流電 圧を連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
65-3表
ケーブルの種類 試験方法
単心のもの 導体と大地との間に試験電圧を加える。
多心のもの 導体相互間及び導体と大地との間に試験電圧を加える。
ロ イの試験の後において、導体と大地との間に100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵抗 が、第3条第3項第三号に規定する高圧の絶縁抵抗値以上であること。
3 前項に規定する性能を満足する半導電性外装ちょう架用高圧ケーブルの規格は、次の各号のとおりとする。(関 連省令第5条第2項、第6条)
一 導体は、次のいずれかであること。
イ 別表第1に規定する軟銅線又はこれを素線としたより線(絶縁体に天然ゴム混合物、ブチルゴム混合物又は エチレンプロピレンゴム混合物を使用するものにあっては、すず若しくは鉛又はこれらの合金のめっきを施 したものに限る。)
ロ 別表第2に規定するアルミ線若しくはこれを素線としたより線又はアルミ成形単線(引張強さが59N/mm2以 上98N/mm2未満、伸びが20%以上、導電率が61%以上のものに限る。)
二 絶縁体は、次に適合するものであること。
イ 材料は、ポリエチレン混合物、ブチルゴム混合物又はエチレンプロピレンゴム混合物であって、電気用品 の技術上の基準を定める省令の解釈別表第一附表第十四に規定する試験を行ったとき、これに適合するもの であること。
ロ 厚さは、別表第5に規定する値(導体に接する部分に半導電層を施す場合は、その厚さを減じた値)以上で あること。
三 外装は、次に適合するものであること。
イ 材料は、ビニル混合物又はポリエチレン混合物であって、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別
表第一附表第十四に規定する試験を行ったとき、これに適合するものであること。
ロ 厚さは、別表第10に規定する値以上であること。
ハ 室温において測定した体積固有抵抗値が10,000Ω-cm以下であること。
四 完成品は、次に適合するものであること。
イ 65-3表の左欄に掲げるケーブルの種類に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる試験方法で17,000Vの交流電圧 を連続して10分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
ロ イの試験の直後において、導体と大地との間に100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵 抗が、別表第7に規定する値以上であること。
【低高圧架空電線の引張強さに対する安全率】(省令第6条)
第66条 高圧架空電線は、ケーブルである場合を除き、次の各号に規定する荷重が加わる場合における引張強さに 対する安全率が、66-1表に規定する値以上となるような弛度により施設すること。
一 荷重は、電線を施設する地方の平均温度及び最低温度において計算すること。
二 荷重は、次に掲げるものの合成荷重であること。
イ 電線の重量
ロ 次により計算した風圧荷重
(イ) 電線路に直角な方向に加わるものとすること。
(ロ) 平均温度において計算する場合は高温季の風圧荷重とし、最低温度において計算する場合は低温季の 風圧荷重とすること。
ハ 乙種風圧荷重を適用する場合にあっては、被氷荷重 66-1表
電線の種類 安全率 硬銅線又は耐熱銅合金線 2.2
その他 2.5
2 低圧架空電線が次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定に準じて施設すること。
一 使用電圧が300Vを超える場合 二 多心型電線である場合
【低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設】(省令第6条、第21条第1項)
第67条 低圧架空電線又は高圧架空電線にケーブルを使用する場合は、次の各号によること。
一 次のいずれかの方法により施設すること。
イ ケーブルをハンガーによりちょう架用線に支持する方法
ロ ケーブルをちょう架用線に接触させ、その上に容易に腐食し難い金属テープ等を20cm以下の間隔でらせん 状に巻き付ける方法
ハ ちょう架用線をケーブルの外装に堅ろうに取り付けて施設する方法 ニ ちょう架用線とケーブルをより合わせて施設する方法
ホ 高圧架空電線において、ケーブルに半導電性外装ちょう架用高圧ケーブルを使用し、ケーブルを金属製の ちょう架用線に接触させ、その上に容易に腐食し難い金属テープ等を6cm以下の間隔でらせん状に巻き付ける 方法
二 高圧架空電線を前号イの方法により施設する場合は、ハンガーの間隔は50cm以下であること。
三 ちょう架用線は、引張強さ5.93kN以上のもの又は断面積22mm2以上の亜鉛めっき鉄より線であること。
四 ちょう架用線及びケーブルの被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すこと。ただし、低圧架空電線に ケーブルを使用する場合において、ちょう架用線に絶縁電線又はこれと同等以上の絶縁効力のあるものを使用 するときは、ちょう架用線にD種接地工事を施さないことができる。(関連省令第10条、第11条)
五 高圧架空電線のちょう架用線は、次に規定する荷重が加わる場合における引張強さに対する安全率が、67-1 表に規定する値以上となるような弛度により施設すること。
イ 荷重は、電線を施設する地方の平均温度及び最低温度において計算すること。
ロ 荷重は、次に掲げるものの合成荷重であること。
(イ) ちょう架用線及びケーブルの重量 (ロ) 次により計算した風圧荷重
(1) ちょう架用線及びケーブルには、電線路に直角な方向に風圧が加わるものとすること。
(2) 平均温度において計算する場合は高温季の風圧荷重とし、最低温度において計算する場合は低温季 の風圧荷重とすること。
(ハ) 乙種風圧荷重を適用する場合にあっては、被氷荷重 67-1表
ちょう架用線の種類 安全率 硬銅線又は耐熱銅合金線 2.2
その他 2.5
【低高圧架空電線の高さ】(省令第25条第1項)
第68条 低圧架空電線又は高圧架空電線の高さは、68-1表に規定する値以上であること。
68-1表
区分 高さ
道路(車両の往来がまれであるもの及び歩行の用にのみ供される部分を除く。)を横
断する場合 路面上6m
鉄道又は軌道を横断する場合 レール面上5.5m
低圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合 横断歩道橋の路面上3m
高圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合 横断歩道橋の路面上3.5m
上記以外
屋外照明用であって、絶縁電線又はケーブルを使用した対地電圧150V以
下のものを交通に支障のないように施設する場合 地表上4m
低圧架空電線を道路以外の場所に施設する場合 地表上4m
その他の場合 地表上5m
2 低圧架空電線又は高圧架空電線を水面上に施設する場合は、電線の水面上の高さを船舶の航行等に危険を及ぼさ ないように保持すること。
3 高圧架空電線を氷雪の多い地方に施設する場合は、電線の積雪上の高さを人又は車両の通行等に危険を及ぼさな いように保持すること。
【高圧架空電線路の架空地線】(省令第6条)
第69条 高圧架空電線路に使用する架空地線には、引張強さ5.26kN以上のもの又は直径4mm以上の裸硬銅線を使用す るとともに、これを第66条第1項の規定に準じて施設すること。
【低圧保安工事及び高圧保安工事】(省令第6条、第32条第1項)
第70条 低圧架空電線路の電線の断線、支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う、低圧保安工 事は、次の各号によること。
一 電線は、次のいずれかによること。
イ ケーブルを使用し、第67条の規定により施設すること。
ロ 引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線(使用電圧が300V以下の場合は、引張強さ5.26kN以上 のもの又は直径4mm以上の硬銅線)を使用し、第66条第1項の規定に準じて施設すること。
二 木柱は、次によること。
イ 風圧荷重に対する安全率は、1.5以上であること。
ロ 木柱の太さは、末口で直径12cm以上であること。
三 径間は、70-1表によること。