• 検索結果がありません。

会員アンケートの分析

ドキュメント内 石川県立看護大学 大学院 看護学研究科 (ページ 110-156)

第Ⅱ章 本論

第2節 会員アンケートの分析

会員アンケートの取り組みとその結果について以下に示す.当初の研究計画段階では,会員アンケート は予定されておらず,第 4 回の活動会議の話し合いをきっかけとして,メンバーと他メンバーが協働し て作成し実施した.具体的には,第 4 回活動会議で〔健康課題は会員みんなの意見を聴くところから〕の メンバーの意見を受けて計画し,実施に至ったものである(第 1 節活動会議の内容;第 6 回活動会議の 内容参照).

1) 目的

メンバーが会員の健康実態に即した健康づくり活動を計画・実施・評価できることを期待し,会員全体 の健康課題を明らかにする.

2) 方法

(1) 対象:ZSCに平成 28 年度登録会員 293 人全員

(2) 調査期間:2018 年 5 月 16 日~5 月 31 日

(3) 質問項目決定の経緯:

本調査内で第 1 回から第 6 回の活動会議で出された健康に関する全ての健康課題について会員全員を 対象にしたアンケート調査によって全体像を把握することとなった.活動会議で質問紙及び研究協力依 頼書を作成し完成させた(平成 29 年 3 月).毎年開催される総会資料の配布とともに質問紙を配布する ことを活動会議で決定し,理事長の承認を得た.この調査結果を基に今後,メンバーが会員の健康に関す る催しを計画し,開催することとなった.

103

(4) 調査項目:(付録4調査用紙;会員アンケート参照)

①対象の属性(性別,年齢,同居の家族人数, SC会員歴, SCでの就業日数,主な仕事内容,通院 歴とその内容(生活習慣病・整形外科・その他),健診・がん検診受診状況)

②SCの就業以外での行事への参加状況

③就業への思い(働くことが楽しい,仕事を通じて交流ができる,仕事中にイライラする等(14 項目)

④将来何歳くらいまで働きたいと考えているか

⑤心配事と備えの有無

⑥ヒヤリ経験の有無(9 項目)

⑦日頃の物忘れに起因するような経験の有無(25 項目)および認知症へのイメージ

⑧自動車運転の状況(運転頻度,運転技術自己評価,過去 1 年以内の事故経験の有無,運転しない生活 を想像できるか)

⑨安全運転チェックリスト(運転時認知障害早期発見チェックリスト 30;特定非営利法人高齢者安全 運転支援研究会)のチェックの数

(5) 調査方法:

無記名自記式質問紙調査をZSC地域担当者が個別に配布し,調査票の回収は郵送法により実施した.

(6) 分析方法:

記述統計の後,活動会議で話し合われた健康に関する以下 4 点の検証を行った.

①SCでの就業は楽しい

②自動車の運転に不安がある会員が多いのではないか

③SCの就業中に物忘れに起因するようなうっかりや体力低下に起因するヒヤリとした経験を持つ会 員が多いのではないか.

④現在就業できているため 10 年先を見越した介護や病気の対策はとられていないのではないか.

就業への思い(14 項目),日頃の物忘れに起因する経験に対して,性別,75 歳未満と 75 歳以上の 2 群 に分け,χ2 検定にて関連をみた.10 年後の「もしもの自分」に備えているかについては,常に備えてい

104

る,ときどき備えているは「備えている群」,たまに備えている,備えてはいないを「備え無し群」とし てχ2 検定にて関連をみた.

なお,統計処理には統計解析ソフトSPSS version 25 for Windows(IBM社製)を使用し,統計学的 有意水準は5%とした.

3) 倫理的配慮

対象にZSC地域担当者が質問紙を手渡しにて配布し,添付文章により調査目的および方法,参加の自 由に関する事項を説明した上で,調査協力を得た.同意書はとらないが,研究の目的を含む研究の実施に ついての情報を公開し,また,対象となることを拒否できるようにした.調査票の返信をもって調査同意 を得ると明記し同意を得たと判断した.なお,石川県立看護大学倫理審査委員会(看大第 135 号)の承 認を得て実施した.

4) 結果

(1)対象の基本属性:(表 29)

平成 28 年度登録の 293 人全員に配布した結果,回答は 143 人(回収率 48.8%),記載不備の見られた 2 人を除く 141 人を有効回答とした(有効回答率 98.6%).

性別は男性 74 人(53.2%),女性 65 人(46.8%)であった.平均年齢は 71.7±5.6 歳で前期高齢者(75 歳未満)が 99 人(70.2%),後期高齢者 42 人(29.8%)であった.

家族構成員の人数は 1 人が 13 人(9.3%)で他は複数であった.

SC会員歴は 5 年未満が 45 人(34.1%)と最も多く,次いで 5 年以上 10 年未満 39 人(29.5%)であ った.年間の就業日数は 120 日未満(月 10 日程度)が 79 人(61.7%)と最も多かった.

SCでの主な仕事内容は屋内外作業(草刈り,樹木の消毒,屋内外片付け,清掃作業など)が 96 人

(54.0%)と半数を占めた.

現在の通院状況では,通院中が 95 人(68.8%)で,通院している場合の病気は,生活習慣病(高血圧,

糖尿病,高脂血症)64 人(56.2%)であった.過去 1 年以内の特定健診・基本健診等の受診状況は,73 人(59.8%)が未受診であった.過去 1 年 1 内のがん検診の受診状況は 77 人(56.6%)が受診していた.

105

表 29 対象の基本属性

    人数(%)

質問項目 全体(n=141)

年代 60~64歳 11 ( 7.8 )

65~69歳 49 ( 34.8 )

70~74歳 39 ( 27.7 )

75~79歳 30 ( 21.3 )

80歳代以上 12 ( 8.5 )

性別 男性 74 ( 53.2 )

女性 65 ( 46.8 )

家族構成 1人 13 ( 9.3 )

2人 46 ( 32.9 )

3人 29 ( 20.7 )

4人 9 ( 6.4 )

5人以上 43 ( 30.7 )

会員歴 5年未満 45 ( 34.1 )

5年以上10年未満 39 ( 29.5 )

10年以上15年未満 30 ( 22.7 )

15年以上20年未満 9 ( 6.8 )

20年以上 9 ( 6.8 )

年間就業日数 120日未満 79 ( 61.7 )

120日以上240日未満 44 ( 34.4 )

240日以上 5 ( 3.9 )

主な仕事内容(複数回答)

19 ( 10.7 ) 96 ( 54.0 ) 20 ( 11.2 ) 3 ( 1.7 ) 12 ( 6.7 )

その他 28 ( 15.7 )

通院状況 通院有り 95 ( 68.8 )

通院なし 38 ( 27.5 )

わからない 5 ( 3.6 )

通院の病名 生活習慣病 64 ( 56.2 )

整形外科的病気 23 ( 20.1 )

その他 27 ( 23.7 )

特定健診・基本健診受診の有無

受診あり 44 ( 36.1 )

未受診 73 ( 59.8 )

わからない 5 ( 4.1 )

がん検診受診の有無

受診あり 77 ( 56.6 )

未受診 56 ( 41.2 )

わからない 3 ( 2.2 )

各項目とも欠落を除外

技術・技能を要する仕事(剪定・樹木の伐採・ふすまの張替えなど)

屋内外作業(草刈り・樹木の消毒・屋内外片付け・清掃作業など)

管理的な仕事(受付・電話対応・施設見回り・施設夜警など)

事務的な仕事(一般事務・宛名書き・表彰状書きなど)

サービス分野(家事・福祉サービスなど)

106

(2) SCの就業以外の行事への参加状況(表 30)

年 1 回開催される交流会への参加状況は 84 人(60.0%)が不参加で,その理由には仕事 29 人(33.4%), 他の用事 36 人(41.5%)で内容に興味がないは 9 人(10.3%)と少数であった.

表 30 SCの行事参加状況

(3) 就業への思い

日頃,SCで働いていて思うこととして,仕事を通じて人と交流できる 86 人(61.0%),働いて賃金を 得るのが嬉しい 81 人(57.4%),働くことで自然と体を動かすことができる 80 人(56.7%)が高率であ った.75 歳未満と 75 歳以上を 2 群にわけて χ2 検定を用いて比較したところ,好きなことを仕事とし てできるのが嬉しい,人から感謝されるのが嬉しい,働き続けられるよう体調管理には気を遣うが 75 歳 以上の群で高く群間で有意差が認められた(p<.01)(表 31).

    人数(%)

質問項目 全体(n=141)

行事の参加 参加した 54 ( 38.6 )

欠席した 84 ( 60.0 )

欠席の理由(複数回答)

仕事 29 ( 33.4 )

ほかの用事 36 ( 41.5 )

体調不良 9 ( 10.3 )

会場まで行けない 1 ( 1.1 )

内容に興味がない

9 ( 10.3 )

その他

3 ( 3.4 )

各項目とも欠落を除外

107

表 31 SCで就業していて思うこと(年代別)

全体(n=141)     人数(%)     人数(%)     人数(%)

質問項目

好きなことを仕事としてできるのが 楽しい

43 ( 30.5 )

**

高齢になっても働けることがうれし い

91 ( 64.5 )

NS

人から感謝されるのがうれしい 53 ( 37.6 ) **

仲間と働くことが楽しい 70 ( 49.6 ) NS

SCに入って友達ができた 70 ( 49.6 ) NS

仕事を通じて人と交流ができる 86 ( 61.0 ) NS

働いて賃金を得るのがうれしい 81 ( 57.4 ) NS

働くことで自然と体を動かすことが できる

80 ( 56.7 )

NS

SCに入って健康になった 19 ( 13.5 ) *

働くことで地元のことがわかる 52 ( 39.7 ) NS

働くことで地域貢献ができる 42 ( 29.8 ) NS

働き続けられるように体調管理には 気を遣う

67 ( 46.8 )

**

仕事中に人間関係でイライラしたり カッとなることがある

15 ( 11.3 )

**

1-2年前の自分と比べて年をとった と感じることがある

59 ( 41.8 )

NS

*

p

<.05,**

p

<.01,N,S: not significant

47(47.5)

全数 75歳未満 75歳以上

23(23.2) 59(59.6) 30(30.3)

25(25.3) 40(40.4) 5(5.1) 38(38.8)

20(47.6) 32(76.2) 23(54.8) 23(54.8) 24(57.1) 26(61.9) 46(46.5)

60(60.6) 60(60.6) 55(55.6) 9(9.1) 32(32.3)

10(23.8) 20(47.6)

 

P

21(50.0) 25(59.5) 10(23.8) 20(47.6) 17(40.5) 27(64.3)

また,性別では,人から感謝されるのが嬉しい,好きなことを仕事として働けるのが嬉しい,高齢にな っても働けることが嬉しい,仲間と働くことが嬉しいは女性に高率で群間で有意差が認められた(p<.05)

(表 32).

108

表 32 SCで就業していて思うこと(性別)

全体(n=141)性別不明を除く 全数 男性 女性

    人数(%)  人数(%)  人数(%)

質問項目

好きなことを仕事としてできるのが 楽しい

43 ( 30.5 ) 16(21.6) 26(40.0)

* 高齢になっても働けることがうれし

91 ( 64.5 ) 42(56.8) 48(73.8)

* 人から感謝されるのがうれしい 53 ( 37.6 ) 20(27.0) 33(50.8) **

仲間と働くことが楽しい 70 ( 49.6 ) 30(40.5) 40(61.5) *

SCに入って友達ができた 70 ( 49.6 ) 32(43.2) 37(56.9) NS

仕事を通じて人と交流ができる 86 ( 61.0 ) 44(59.5) 42(64.6) NS 働いて賃金を得るのがうれしい 81 ( 57.4 ) 43(58.1) 38 (58.5) NS 働くことで自然と体を動かすことが

できる

80 ( 56.7 ) 38(51.4) 42(64.6)

NS

SC入って健康になった 19 ( 13.5 ) 8(10.8) 11(16.9) NS

働くことで地元のことがわかる 52 ( 39.7 ) 31(41.9) 21(32.3) NS

働くことで地域貢献ができる 42 ( 29.8 ) 24(32.4) 18(27.7) NS

働き続けられるように体調管理には 気を遣う

67 ( 46.8 ) 32(43.2) 35(53.8)

NS 仕事中に人間関係でイライラしたり

カッとなることがある

15 ( 11.3 ) 7(9.5) 8(12.5)

NS 1-2年前の自分と比べて年をとった

と感じることがある

59 ( 41.8 ) 27(36.5) 31(48.4)

NS

*p<.05, **p<.01,N,S: not significant

 P値

(4) 将来何歳くらいまで働きたいと考えているか(表 33)

働けるうちはいつまでもが 64 人(46.0%)と最も高かった.

表 33 何歳まで働きたいか

    人数(%)

質問項目 全体(n=138)

年代 働けるうちはいつまでも 64 ( 46.0 )

70歳未満 17 ( 12.2 )

74歳未満 15 ( 10.8 )

80歳未満 22 ( 15.8 )

85歳未満 20 ( 14.4 )

85歳以上 1 ( 0.7 )

欠落を除外

109

(5) 心配事と備えの有無

10 年先の「もしもの自分に備えているか」について備えていないは 60 人(43.5%)と最も多く,常に 備えている 36 人(26.1%)であった(表 34).

表 34 10 年後の「もしもの自分」に備えているか

    人数(%)     人数(%)     人数(%)

質問項目 全体(n=138) 全体(n=138) 全体(n=138)

常に備えている 36 ( 26.1 ) 21 ( 21.6 ) 15 ( 36.6 )

ときどき 29 ( 21.0 ) 18 ( 18.6 ) 2 ( 26.8 )

たまに 13 ( 9.4 ) 11 ( 11.3 ) 2 ( 4.9 )

備えてはいない 60 ( 43.5 ) 47 ( 48.5 ) 13 ( 31.7 ) 欠落を除外

75歳未満 75歳以上

全数

特に 75 歳未満が備え無しは 47 人で備えていないと回答した中の 78.3%を占めていた.常に,時々を

「備えている群」たまに,備えていないを「備え無し群」とした.その結果,前期高齢者に備え無し群が 有意に多かった(p<.05)(表 35).

表 35 10 年後の「もしもの自分」に備えているか;2 群間の比較

    人数(%)     人数(%)     人数(%)

質問項目 全体(n=138) 全体(n=138) 全体(n=138)

備えている群 65 ( 47.1 ) 39 ( 36.6 ) 26 ( 63.4 ) 備え無し群 73 ( 52.9 ) 58 ( 59.8 ) 15 ( 36.6 ) 欠落を除外

*p

<.05

全数 75歳未満 75歳以上

 

P

*

現在と 10 年後の心配事については,現在では体力低下や筋力低下 64 人(45.4%)と最も高く,将来 では病気(物忘れ・認知症)が最も高くなっていた(表 36).

ドキュメント内 石川県立看護大学 大学院 看護学研究科 (ページ 110-156)

関連したドキュメント