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これまでの警察庁登録組織窃盗事件の検挙事例をみると、窃盗組織は、いずれも来日外国人や暴力団 組員等を主要なメンバーとして、数十人単位の多数の者で構成され、首魁の指揮の下、実行犯を入れ替 えながら、連続して広域にわたる侵入盗や自動車盗等を敢行するとともに、実行犯以外のメンバーが、

窃取した預貯金通帳を用いて不正に現金を引き下ろしたり、窃取した自動車を解体したり車台番号等を 改ざんして不正に輸出するなどしている。 

注1:「組織窃盗事件」とは、多数の被疑者が、首魁による指揮統制の下に、下見、窃取、盗品の運搬、処分などの各行為を分 担又は共同して行う窃盗犯罪をいう。

 

注2:平成9年 10 月、警察庁では、組織窃盗事件登録要領を制定し、各都道府県警察が認定した組織窃盗事件のうち、特に重要 な事件を「警察庁登録組織窃盗事件」として、全国警察に情報提供を求めるなど、組織の壊滅を主眼とする捜査を推進し ている。

 

 

図表2−3−(1)  組織窃盗事件(登録・認定)数の推移 

注1:本表は、実務統計による集計数値である。

 

注2:(  )内は、警察庁登録組織窃盗事件の登録事件数を内数で示した。

 

注3: 組織窃盗事件数、終結事件数及び現在捜査中の事件数は、平成 24 年 12 月末現在のものである。 

 

【事例1】中国人グループによる一般住宅等を対象とした広域組織窃盗事件(警察庁登録組織窃盗第 100 号 事件)(警視庁、神奈川、兵庫、愛知、京都、滋賀、奈良、埼玉、千葉) 

    平成 19 年3月から 22 年 12 月までの間、密入国した福建省出身の中国人が、日本国内に不法残留する 同省出身の中国人からなる窃盗組織を構成した上で、その首魁となり、複数の犯行グループを関東以西の 西日本一帯に分散させ、広域にわたり空き巣等の侵入盗を敢行していた。関係都府県警察で合・共同捜査 体制を構築して捜査を推進した結果、首魁を含む被疑者 66 名を検挙し、24 年2月までに1都2府 22 県 下における空き巣等 1,594 件(約 10 億 4,400 万円相当)を解決するとともに、旅券偽造グループに係る 犯罪インフラ事犯も検挙して同組織を壊滅した。 

平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24

件数

率(%)

64 58 49 45 30 30 21 29 11 14 3 27.3

(9) (9) (9) (6) (1) (2) (2) (6) (3) (2) -1

-33.3

64 58 49 45 30 30 21 27 8 4

(9) (9) (9) (6) (1) (2) (2) (6) (3) (0)

0 0 0 0 0 0 0 2 3 10

(0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (2)           年次

  区分

増減

都道府県警察が認 定した組織窃盗事 件数(件)

終結事件数

(件)

現在捜査中 の事件数

(件)

【事例2】アフリカ系外国人を首魁とする広域組織窃盗(自動車盗)事件(警察庁登録組織窃盗第 102 号事 件)(千葉、山形、茨城、警視庁、神奈川) 

    平成 19 年4月から 22 年9月までの間、在日ウガンダ人が、暴力団組員等を含む複数の日本人窃盗グル ープとヤードを経営する複数のアフリカ系外国人で構成する窃盗組織の首魁となり、広域にわたりトラッ ク等を対象とした自動車盗等を敢行し、複数のヤードにおいて窃取した自動車を解体の上、アフリカへと 不正輸出していた。関係都県警察で合・共同捜査体制を構築して捜査を推進した結果、首魁を含む被疑者 58 名を検挙し、24 年1月までに1都5県下における自動車盗等 1,601 件(被害総額約 19 億 6,000 万円相 当)を解決するとともに、犯行に利用されていたヤードを閉鎖し、同組織を壊滅した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)  車上ねらい 

車上ねらいの認知件数、検挙件数及び検挙人員は、前年に比べ、認知件数は 8,973 件(8.0%)、検 挙人員は 149 人(7.0%)それぞれ減少しているが、検挙件数は 848 件(3.6%)増加している。 

また、検挙人員に占める少年の割合は、検挙人員全体の 20.3%と、前年に比べ 2.7 ポイント低下し ており、検挙率は 23.8%で 2.6 ポイント上昇している(図表2−3−(2)−1)。 

認知した事件をみると、被害時の状況は施錠なしで被害に遭っているものの割合は全体の 41.1%で、

前年に比べ 0.1 ポイント上昇している(図表2−3−(2)−2)。 

検挙した事件をみると、被疑者の年齢別では 40 歳代の増加率が最も高くなっている(図表2−3−

(2)−3)。 

図表2−3−(2)−1  車上ねらいの認知・検挙状況の推移 

 

   

図表2−3−(2)−2  車上ねらいの施錠の有無別認知件数の推移 

 

500  1,000  1,500  2,000  2,500  3,000  3,500  4,000 

50,000  100,000  150,000  200,000  250,000  300,000  350,000  400,000  450,000 

平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24

認知件数 検挙件数 検挙人員 うち 少年の検挙人員

平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24

件(人)数 率(%)

414,819 328,921 256,594 205,744 168,129 154,836 143,863 123,512 111,771 102,798 -8,973 -8.0 60,479 63,171 53,465 49,592 41,116 40,146 38,706 29,780 23,658 24,506 848 3.6 3,491 3,238 2,634 2,766 2,344 2,258 2,290 2,186 2,128 1,979 -149 -7.0

うち少年 776 681 527 547 542 453 522 466 490 402 -88 -18.0

(割合%)

22.2 21.0 20.0 19.8 23.1 20.1 22.8 21.3 23.0 20.3 -2.7 − 14.6 19.2 20.8 24.1 24.5 25.9 26.9 24.1 21.2 23.8 2.6 ポイント 認知件数

      年次 区分

検挙件数 検挙人員

検挙率

増減

平15 平16 平17 平18 平19 平20 平21 平22 平23 平24

件数 率(%)

414,819 328,921 256,594 205,744 168,129 154,836 143,863 123,512 111,771 102,798 -8,973 -8.0 施錠あり 305,871 233,481 174,862 136,083 104,857 98,435 89,241 74,661 65,966 60,571 -5,395 -8.2 施錠なし 108,948 95,440 81,732 69,661 63,272 56,401 54,622 48,851 45,805 42,227 -3,578 -7.8

(割合%)

26.3 29.0 31.9 33.9 37.6 36.4 38.0 39.6 41.0 41.1 0.1 −

注:「施錠あり」とは、施錠されている自動車の車室、トランク、荷物庫等から金品を窃取するものをいう。また、オートバイ     (自動二輪車、原動機付自転車)及び自転車を対象とする「車上ねらい」については、施錠の有無にかかわらず、すべて    「車上ねらい(施錠なし)」とする。

   年次 増減

区分

認知件数

図表2−3−(2)−3  車上ねらいの年齢別検挙人員 

   

(3)  部品ねらい 

部品ねらいの認知件数、検挙件数及び検挙人員は、前年に比べ、認知件数は 5,817 件(10.2%)、検 挙件数は 3,063 件(30.6%)、検挙人員は 245 人(19.7%)それぞれ減少している。 

また、検挙人員に占める少年の割合は、検挙人員全体の 57.0%と、前年に比べ 0.1 ポイント上昇し ており、検挙率は 13.6%で 4.0 ポイント低下している(図表2−3−(3)−1)。 

検挙した事件をみると、被疑者の年齢別では 65 歳以上が横ばいである以外は、全ての年代において 減少している(図表2−3−(3)−2)。 

 

図表2−3−(3)−1  部品ねらいの認知・検挙状況の推移 

 

  3,491 792 833 612 433 524 137 160 3,238 692 837 565 411 442 138 153 2,634 535 603 468 315 413 124 176 2,766 554 605 515 366 410 153 163 2,344 557 454 391 287 341 130 184 2,258 464 400 365 355 343 146 185 2,290 525 407 392 306 334 133 193 2,186 475 403 379 324 280 127 198 2,128 493 348 349 308 259 158 213 1,979 412 360 333 324 226 151 173

-149 -81 12 -16 16 -33 -7 -40

-7.0 -16.4 3.4 -4.6 5.2 -12.7 -4.4 -18.8 注:犯行時の年齢を計上している。

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