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他教団の教師養成制度の現状

ドキュメント内 教化研究 No.12 (ページ 157-172)

伝統仏教教団における僧侶養成の現状と課題

一︑天台宗の僧侶養成

制 度 l  現 状

︻僧籍登録︼

師僧を決定し︑座主から法名を授与され︑得度受戒を受

け僧籍登録された者を僧侶という︒得度受戒は︑十歳以

円 じ

ま 住

上であれば国籍にかかわらず︑本山における集団得度

(毎

一回八月)又は各寺院で任意に受けることができ

叡山学寮(僧侶公募)入寮者は︑経過を見ながら在寮中

に得度︑登録を行う︒

{四度加行}

教師資格取得のためには︑必ず四度加行を履修しなけれ

ばならない︒ { 比

叡山行院︼

加行を中心に二カ月ずつ年三回行われる︒加行期間は三

十五日以上とされている

律師以上の僧階取得には行院 履修が必要である

{入壇湛項・登壇受戒

大律師以上の僧階取得に必要である

{資格取得機関

}

修了学歴︑履修単住及び資格取得機関により補任される

資格が異なる︒

地方教師検

加行修了者であれば受験できる

︒各教区で行われ権律

師の補任資格を得る

中央教師検定 叡山学院及ぴ大正大学で年一回行われ︑修了学歴︑資 格取得機関及び加行履修条件により律師乃至少僧都の

補任資格を得る︒

③宗立学校

叡山

学院及び大正大学で所定単位を履修した者は大律

師乃至少僧都の補任資格を得る

④指定学校

比叡山高校及び駒込高校で所定単位を履修した者は律

師の補任資格を得る︒

⑤叡山学寮

僧侶公募者のための学寮(定員三名)

で︑遂業した者

は中律師の補任資格を得る

地方

学寮

‑152‑

初等部卒業者は権律師︑高等部卒業者は律師の補任資

格を得る︒

2  課 題 天台宗では十二階級の寺格が定められ︑僧階によって 住職資格にある程度制限がある

僧都以上であればほと んどの寺院に住職することが可能であるが︑もし後継者 が相当僧階を補任されていない場合は法類が兼務又は代 務住職となり︑後継者が速やかに住職できるよう努力す

るこ

とと

なる

僧階補任には単位取得が優先される傾向があるため

現在は年齢制限を設け若年者が高位の僧階に補任されな

いようにしている︒単住云々に関する問題は出ていない

が︑学歴が優遇される面は若干ある︒

僧侶公募は世襲化に刺激を与え︑広く求道者を募るた

めに設けられた制度である︒従来から得度者は少なくな

かっ

たが

さらに僧侶としての道を歩みたいとの希望も

あったため︑平成七年から始められた︒ 二︑真言宗智山派の僧侶養成制度

l  現 状

真言宗智山派における現行の僧侶養成制度は︑大学在

学又は卒業者に対する課程とそれ以外の者に対する課程

に分けられる︒大学生は一期から四期までの研修︑加行︑

入壇港項等により教師資格を取得しそれ以外の場合は

専修学院︑成田山勧学院等の研修機関により取得する︒ {得度︼

六歳以上であれば得度することができる︒得度式は智山 派寺院において行う︒

{一期研修︼

常用経典の読諦・法要に必要な声明・基礎的な知識を修

得する︒大正大学生は二十四日間一般大学生は三十

日間の研修を行う︒

{加行︼

五十六日間の加行を行う︒

‑153‑

︻二期研修︼

大正大学生は十五日間一般大

学生

は三十一日間の研修

を行

︑っ

{三期研修・報恩講︼

教相法要の研修で︑処依の経典である﹃大日経﹄をもと にした論議が中心となる︒大正大学生一般大学生とも 五日間の研修を行う︒

︻入壇濯項︼

総本山智積院において︑毎年三月上旬に行う︒所用日数

は人数により異る

{四期研修

諸作法を修得するため︑大正大学生︑

一般大学生とも五

日間の研修を行う

一期から四期までの研修はいずれも智山教

研修所にお

いて研修する︒

︻専修学院・

成田山勧

学院}

一年間在院し︑教相

相を修得する

{教区講習会

}

各教区ごとに講習会を開催し︑教師を養成することがで

3 h

v ︒

2  課 題 各機関にそれぞれ問題点がある

︒大正大学の場合は道

心寮閉鎖により

一︑二

期研修を延長したが十分ではな く︑加行日数も取りに

くなり︑講義内容が徐々に減少

している︒

一般大学生の場合は事相教相を修得するには

三十一

日間

二回では短

すぎ︑専修

学院・

成 田 山 勧

学院 (一年間)等

の場合は年齢層が広範囲にわたること︑教 育者の少ないことが問題である

教区講習会の場合は開 催する教区自体が少なく︑講習内容も十分ではないため

﹂の講習会を経て教師になる者はほとんどいないのが現

状である︒

現代のさまざまな社会問題(福祉

・生

命倫理・環境

等)に宗

教者として対応できない︑僧侶としての本分が

理解されていない等

︑僧侶の資質に関する問題点に対し

て︑知日山伝法院は僧侶の

理想像を﹁

山派の教えを

信仰

‑154‑ する人

L

﹁教えを自身の問題として理解する人

又は理 解しようと努力する人﹂﹁教

︑えを自身の問題として

実践

する人

又は実践しよ

うと努力する人﹂﹁檀信徒か

ら信 頼される人

と考えている

現行システムのさまざまな問題を見据え

理想とする

僧侶を養成するため

の具

体策として︑教理を

学ぶ︑教理

を実践するという

こ商から

の養成システムの検討が必要

である︒

三︑真言宗豊山派の僧侶養成制度 l  現 状

求道心をもって悟りを聞くことが出家の道である︒出

家の根本には菩提心がなければならない︒菩提心には能

求(菩提心を求める)の心と所求(自己の菩提心を確認

する)の心があり︑前者は教相

(弘

法大

の著作研究を

中心とする教学)︑後者は事相(修行を中心とする実践)

にあたる︒両者が相侠った者が長谷観音の慈悲の伝達者

としての真言

行者

であ

る︒

{得度

得度は満六歳に達した者が受けることができる︒僧名を

名乗り僧籍簿に登録され度牒を授与された者は僧侶と呼

ばれ

る︒

︻四度加行]

実践面の作法を学ぶ豊山派僧侶としての基本的な修行で

総本山長谷寺及び全国の加行道場で行われる︒期間はお およそ三十日で道場により異る︒{伝法濯項︼

僧侶としての資格を授かる二

日程

度の

儀式

で︑

四度加行

成満者が入壇資格をもっ︒総本山長谷寺及び宗派の承認

を得た寺院で行われる︒

︻研修機関︼

①大正大学及び種智院大学

得度

四度加行及び伝法濯項を受けていない者は在学

中に履修し︑総本山長谷寺における宗派指定研修を履

‑155‑

修する︒

②宗立専修学院

得度した高校卒業者の僧侶養成機関で︑総本山長谷寺

に二

年間

入寮

し︑

二年目に四度加行及び伝法濯項を受

ける︒

③教師試験検定

高校及び短大卒業者又は大学卒業者で︑教養講習所︑

宗立事相講習所︑特別指定研修第一期及ぴ第二期を受

講したものが受験できる︒修了学歴により階級が異な

④特別専修所

得度

︑ 四度加行及び伝法濯項を履修した者が試験検定 を受けるための研修機関

毎夏十五日間長谷寺又は宗 務所に開設され︑二年間で全課程を修了する︒

⑤総本

山参篭所 宗派寺院寺族を対象とした短期教師養成機関︒例年六 月一日から三十日間開設される

2  課 題 短期間の教師養成制度は必要に迫られて存在している が︑実践が少ない等のマイナス面が多く決して好ましい ものではない

教師資格取得後の研修機関として︑総本山研修所︑教 化センター養成所が

設置されている︒総本山研修所は総 本山長谷寺における

年間の入寮生活︑教化センター養 成所は基礎課程

二年︑専

門課程二年の研修を行

って

いる

四︑高野山真

宗 の 僧 侶 養 成 制 度 l  現 状

︻得度

高野

山真言宗僧侶は︑教相と事相を修得しなければなら

ない︒事相は師資相承であるから

まず師僧につき︑事 相の基礎を身につけた後(

齢に達した者)︑総本山金 剛峰寺︑高野山大学︑高野山専修学院

・尼僧学院等の専

156‑

門機

関︑

師僧寺院のいずれかで得度を受ける

︒得度

した

旨を宗務所へ申請し受理されると度牒が授与され︑この 時点で高野山真言宗の僧侶と認定される

︻受戒

受戒は毎年

一回総本山

主催または専門機関で三日間開催 される

四度加行を受けるには必ず受戒を受けなければ 介 晶 ︑

rり 介

品 い

︻四度加行︼

百日間の加行で①専門機関②高野山大

学③高

野山事相講

伝所または④師僧寺院等のいずれかで受ける︒①は僧侶 養成の専門機関による加行︑②は高野山大学在学生対象 の加行であり︑成満すると伝法濯項後の教師検定は免除

され

る︒

︻伝法溜項︼

四度加行を成満すると︑伝法濯項を受けることができ

﹂れにより法を伝えること

のできる阿閑梨の資格を授与

される︒

四度加行①②成満者及び高野山大学の所定単位 取得者以外は︑濯項の後教師検定を受ける︒

︻権教師}

教師ではないが︑得度を受けた後十一日間の講習を終了 すると住職の補助的役割を担うことができる制度があり

﹂れを権教師という

2  課 題 専修学院の定員は八十名であるが

在家出身の僧侶希

望者が多く︑数年前には百二十名の応募があり寺院徒弟

が入れないという時期があっ

た ︒

五︑日蓮宗の僧侶養成制度

1  現 状

十教区・七十

二宗

務所・寺院数五千・教師数九千(内

尼僧一千・住職資格を持つ尼僧三百五

十)

︑毎

二百名

程度が度牒授与を受け

百二十名程の教師が補任されて

い ? 匂 ︒

︻得度︼

‑157‑

師僧をたてて得度し︑宗務院に得度屈を提出して度牒を 受ける︒度牒交付は日蓮聖人が初めて題目を唱えた大本

山清澄寺で年四回行われる︒

{教師養成機関︼

立正大学・

身延山大学等で僧階単位を取得するか︑検定

試験

を受

ける

︻入場考査}

信行道場入場資格を得るために毎年各教区ごとで実施さ れる考査で︑これに合格するためには一通りの読経・所

ドキュメント内 教化研究 No.12 (ページ 157-172)

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