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一次スクリーニングを通過した企業の約31.9%の企業が長時間労働削減の取組につい て開示を行っています。柔軟な勤務時間や勤務場所を認める制度についての情報開示はそ

れぞれ約24.5%、約11.9%にとどまっています。

仕事と家庭との両立サポート取組の開示状況

在宅勤務制度のほか、必要に応じて勤務地を限定することができる制度など、柔 軟な勤務場所を認める制度にかかる情報開示については、業種区分毎に大きな差は 見られず、一次スクリーニングを通過した企業のうち全業種で開示比率は約11.9%

でした。

一方、フレックスタイム制度や必要に応じて勤務時間の長さを変更することがで きる制度など、柔軟な勤務時間を認める制度にかかる開示状況については、業種区 分によってその水準が大きく異なっています。具体的には製造業において開示比率

が約 35.6%となっているのに対して、金融業では開示比率が約 7.6%にとどまって

います。

長時間労働改善のための具体的な取組にかかる開示状況については、製造業にお ける開示比率が約41.3%と高いのに対し、非製造業及び金融業では20%台の水準に とどまっています。

ワーク・ライフ・バランス促進に向けた社内意識啓発にかかる開示状況について は、業種区分によって大きな違いはみられませんが、製造業で開示比率が約14.4%、

全業種で約11.6%となっています。

図表19 仕事と家庭との両立サポートに向けた各種取組にかかる開示状況

柔軟な勤務場所を認める制度にかかる開示状況

14.0%

9.2%

12.7%

11.9%

製造業(N=264) 非製造業(N=228) 金融業(N=79) 全業種(N=571)

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柔軟な勤務時間を認める制度にかかる開示状況

長時間労働改善のための具体的取組にかかる開示状況

ワーク・ライフ・バランス促進に向けた社内意識啓発にかかる開示状況

就職先を選択する学生など、労働市場関係者にとって特に重要な情報であると考えら れることから、制度や取組について企業は積極的に開示することが重要だと考えられま す。

仕事と家庭との両立サポート-取組(SCSK)

SCSK は、より効率的(スマート)に働き(ワーク)目標(20)に挑戦するため、

「スマートワーク・チャレンジ20(スマチャレ20)」という取組を2013年4月にスタ ート。取り組みの数値目標(全社目標)である「20」は、「年次有給休暇取得日数 20 日(当年度付与日数の100%取得)」と「平均月間残業時間数20時間未満」を意味して います。

スマチャレ20の目標を達成するために、従業員から集めたさまざまなアイデアや取 組事例を全社で共有し、良い施策は社内展開しています。具体的には、資料の作成を3 分の1にする、机上に残業時間に応じた色の札を掲げるなどが挙げられました。

さらに、顧客のオフィスに常駐して業務をする社員が多いという業務特性から、計画 的有給休暇付与日に関して理解を求めるレターを顧客に出しています。2014 年4月か

35.6%

17.5%

7.6%

24.5%

製造業(N=264) 非製造業(N=228) 金融業(N=79) 全業種(N=571)

41.3%

22.8%

26.6%

31.9%

製造業(N=264) 非製造業(N=228) 金融業(N=79) 全業種(N=571)

14.4%

9.6%

7.6%

11.6%

製造業(N=264) 非製造業(N=228) 金融業(N=79) 全業種(N=571)

開示あり 開示なし

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らは所定就業時間を10分短縮するなど、さらなる労働環境の改善に取り組んでいます。

目標に向けた取組を促進するため、低減された残業代を全額原資とし、目標の達成度 合いに応じて社員に還元するインセンティブ制度を導入しています。本制度では、イン センティブの支給単位を組織(部門)

とし、該当組織の有給休暇取得率や 残業時間に関する目標の達成状況に 応じて、ゴールド・シルバー・ブロ ンズという 3 段階の支給テーブルを 設定しています。

従業員が有給休暇を取得しやすいように会社から顧客先にレターを出している点、残 業削減が部門に還元されるというインセンティブを付与している点など、全従業員の働 き方改革に向けた取組は参考になります。

(出所)SCSKホームページ(http://www.scsk.jp/corp/csr/diversity/policy.html)

仕事と家庭との両立サポート-取組(ノバレーゼ)

ノバレーゼは、2015年1月に、全社員の有給休暇取得率100%を管理職者に義務付 ける取組を開始しました。年間の休暇体制を年初に策定し、旅行など充実した休日を社 員が過ごすことや、メリハリある働き方で、社員の満足度向上とより健康的な企業体質 を目指すとしています。

具体的には、年明から 1 月下旬にかけ、社員の休暇取得希望日をヒアリングし、一 年間の部署単位の有休取得予定表を策定。その後は、定期的に出勤簿を確認することで、

取得状況の管理を行います。休暇予定表の事前作成とチェック体制の二重強化で、取得 率を 100%へと引き上げる予定です。

現在、有休取得率 100%の実現に向けて、2014 年の下半期 7 月から、各部門長が 社員の休暇希望日を吸い上げ事前にスケジュールを策定する取り組みを試験的に開始 しています。上期 21.6%の取得率が下期は倍の43.5%に向上し、2013 年度 31.4%だ った取得率が 2014 年度は 65.2%に改善しました。

(出所)ノバレーゼホームページ(http://www.novarese.co.jp/cms/uploads/20150119.pdf)

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