「ほら、雀が来ているよ」
Sさん(85歳・女性)脳腫瘍のターミナル期
大学病院より紹介、かあさんの家で4ヶ月後に看取り。
何も見えない、聞こえない、何もわからないのではない
ベットから眺める 庭先に
パンくずを蒔いて すずめを呼ぶ
↓
②ここにいていいんだ
・・居場所がない。看取りの場所を探して。
Aさん(女性・73歳):肝細胞がん末期
医療機関2施設、ケアホーム4施設を経て
夫に先立たれ一人暮らしで発病。故郷の宮崎へ帰る。
肝性脳症のために、不穏状態が続き、施設での受け入れ 拒否される。24時間の自費での付き添いを・・といわれ、急 遽かあさんの家の居間にカーテンを間仕切りにして入居。
「わたしを殺してください」
ターミナル時期は、24時間の人の気配がすることが安心に
つながり、姪御さんに寄り添われて静かに逝かれる。
③病院から退院を迫られて
Yさん:食道がん術後、狭窄、認知症、不眠
術後の後遺症で食事がうまく取れない。むせる。吐く。
病状の変化の不安感で怒りっぽい。
不穏症状が続き、落ち着かない夜に・・・
「最期まで看ましょう」
「もうお世話できません」とは言わない。
どうやったら見ていけるか、スタッフで工夫する。
ここにいていいんだね。
8か月後、家族に囲まれて穏やかに逝去
看取りは医療ではなく、文化
病院での死と在宅での死
病院の管理化におかれ、医療の専門家にしかで きないという思い込み
⇒モニターをみてしまう。
在宅では、手を握って、体をさすって、語りかけ る。
⇒大切な人の死を通して、初めて豊かになる 人間関係、生きることを学ぶ。
看取りのあり方
本人の望む場所で、望むよ う に
日常の話題に死についても取り上げ、それとなく確認して おく。
本人の意思が確認できない場合、代理決定者と相談する。
⇒本人にとっての利益を優先
臨死期には、家族やスタッフが協力して傍らにいる。
自宅での看取りが希望であれば、支援する。
看取り寄り添いナースの活動
安心して看取れるよ う に補完する
● 自宅介護が困難でも、
家族がいない人でも、
人生の最期に
傍らにいてほしい人に。
家族への支援にシフト
・夜具の準備や食事など、
家族が安心して悔いなく看取れる
● 死を肯定的に受け止められるよう支援
・家族と一緒にエンゼルケア
・子どもを臨終の場から遠ざけない
孫とひ孫に囲まれて(享年 88 歳)
日々の延長線上に看取りがある
本人の希望・体 調を考えながら 人の気配の感 じる空間で
これまでの暮ら
しを最後まで継
続する。
「僕もおじいちゃんのように・・」
家族にしか分からないメッセージがある
残された家族に悔いを残さない
医療への期待と家族の気持ちとギャップ
臨死のプロセスを伝える
次世代へいのちを伝える
最後の大きな仕事
死を忌むものとせず、
死を隠さない
「昔はみんなこうして送って いましたね」
ともに暮らした
住人とご家族も
見舞いお別れを
「私たち家族は今幸せな気持ちでいます。」
本人にとっては
・・・誰と一緒に居られたか
家族にとっては
・・・最後まで、
医療や介護の関係者 にどのようにかかわっ てもらったか
・・・苦しまずに、安らかに
遺品のネクタイで・・・
その人が生きてきた場所で、
馴染みの人に囲まれて時を過ごし、
人生の幕を下ろすとき
そのプロセスは自然であり 最期は穏やかであることが 最も価値のあること
夕陽が沈むとき~人生の最終章
ノルウエーベルゲンの丘で・・2010・7・23
ご静聴ありがとうございました
居住系施設で、入居者に 最期まで寄り添うためには
~在宅医師の立場から~
2015年10月31日
ドキュメント内
住み慣れた地域で最後まで安心して生きるためには 〜自宅以外の在宅看取りを考える〜
(ページ 51-63)