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今後のイメージアップ戦略実施に向けて

ドキュメント内 第三章:保育士の就業・就職行動と意識 (ページ 109-189)

第6章 まとめ

第3節 今後のイメージアップ戦略実施に向けて

資 料 編

1.有識者等ヒアリング結果 ○遠藤 英俊 氏 ○奈良 環 氏 ○藤井 賢一郎 氏 ○小川 泰子 氏 ○北浦 正行 氏 ○宮島 俊彦 氏

2.自治体等ヒアリング結果 ○川崎市

○京都府

3.「介護職(介護の仕事)」に係る主な広報、情報普及整理表

4.「介護福祉士向けアンケート」企画設計のためのプレヒアリング結果報告

5.介護福祉士向けアンケート票

1.有識者等ヒアリング結果

1.有識者等ヒアリング結果(実施対象者別)

項 目 内 容

開催日 2014 年 12 月 10 日(水)

開催場所 国立長寿医療研究センター お話しをうかがっ

た方

遠藤 英俊 氏(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研 修センター長)

Ⅰ.今後求められる「介護」、「介護職」とはなにか

1.業務中心の集団ケアから、パーソン・センタード・ケアの実践に転換することが必要。

これを全体の統一目標とし定着させていくことが重要である。

・一般には、大手介護企業の立派な有料老人ホーム等施設の建物を見て「質の良い施設だ」と評価し てしまいがちだが、介護の質の評価基準としては間違っている。介護サービスは、ソフトとハード 双方を確認して評価しないと本当の評価はできない。「ソフトは何か」と言えば「質の良い・優秀 な人材」、「知識と経験とハート(お世話する気持ち)がある人材」のことである。

・全国の4~5割の施設は、パーソン・センタード・ケアではなく、業務を中心にした「集団ケア」

をやっているのが実状である。

・グループホームやユニットケアにしてもその本来のコンセプトが代々介護職に伝えられていない。

そうでなくとも担当の介護職がよく替るため、利用者の家族から苦情が出ることも頻繁な状況であ る。

・現状、全国で「良い介護」すなわち「パーソンセンタード・ケア」(個々の利用者を中心にしたケ ア)の知識と技能に基づいた介護を実践しているのは2~3割ではないか。このような施設では、

介護職は利用者と向き合って目をみて話している。また、利用者のライフレビューを熟知している。

さらに、利用者に、にこにこの笑顔がある。このような施設は「良い職場」(良い介護が行われて いる職場)である。

・利用者の仕事が忙しいというので利用者にお尻を向け利用者の目をみて介護することをしない介護 職が多すぎる。それでは利用者の笑顔は生まれない。

・このような日本の現状があるからこそ、「ユマニチュード」「バリデーション療法」等本来当たり 前のケアの仕方が、ユニークな方法論として注目されている。

・現在の研修・教育内容は「パーソンセンタードケア」の視点から、教育研修も見直していかないと いけない。“パーソン・センタード・ケア”の理念に基づく認知症ケアのツールとしては「DCM(認 知症ケアマッピング)」がある。

Ⅱ. 「介護(職)の質向上」のために必要なこと 1.前提となること

・介護福祉士は国家資格であるのだから、国家試験を受験して合格した人だけが介護福祉士であるこ とは当然である。その場合大卒者であることは前提とならないだろう。

高卒者が実務経験を積み国家試験を受験して合格する道がメインとなるだろう。

・継続的にトレーニングを実践し教育を受けて介護ラダーの上に進んでいく人、幅広く介護に係る専

門的なテーマを勉強していく人双方に、勉強の機会をもっと整備充実していくべき。

2.研修機会の充実

・看護師の世界では、現在、正看護師になる人が増え、人材の質はかなり向上している。大学修士課 程に進む人も増え、注射の技術等を含め、優秀な看護師が増加している。この看護師の世界の経験 は参考にすべき。現在、介護の世界では「勉強する機会」が少なすぎる。また、職場の組織も介護 職の勉強を支援しない。この点は看護師の世界と大きな格差がある。

・鳥取のある社会福祉法人の場合、研修担当が組織的に独立しており年間かなりの研修費をかけて質 の高い介護職育成に命をかけている。

・現状では介護福祉士会の会員になっても会が提供する勉強機会が少なすぎる。

3.プリセプター研修制度を導入する

・先輩介護福祉士が新人介護福祉士に勉強のあり方を教え、また教える先輩介護福祉士側は、教え方 を勉強するという関係を職場内に構築する。愛知県ではすでに実施している。

・人材の育成だけでなく定着促進の効果もある。

4.介護ラダーの作成

・人材の育成と定着のための重要な方策である。作成すべきである。

・愛知県、富山県が先行して取り組んでいる。

・この取組みは介護の仕事分野内部の「見える化」でありかつ、社会に向けての「見える化」でもあ る重要な取り組みである。

5.仕事の能力評価制度の導入

・すでに老人保健施設では、自己評価と他者評価を総合的に評価尺度に使用して給与に反映している。

6.教える人材の育成(スーパーバイザー含め)

・大学には大学院を創設し、大学院では大卒者を教える教官を養成する道を作ることは今後 5~10 年 間の目標とすべきだろう。

7.各分野の専門性向上の研修コース(スペシャリストコース)の創設実施

・例えば、感染症対策、リスクマネジメント、食事・栄養、認知症へのケア、転倒予防、看取り介護 等、各介護職が学んで実践したいことを積極的に学べる機会を整備していくべき。

・介護の世界では、学習する人、教える人共に、今後一層増やしていくことが必要である。それが介 護の質の向上にも通ずる。この進め方については、先行している看護協会の仕組みを学んで取り入 れるべきである。

8.管理者教育コースの充実強化

・全国の優秀な介護職の人材をリストアップし、リーダー、管理職となるための指導者教育を集中的 に実施していくべきである。

・ただし講師陣の人選は大変重要なポイントで成否を左右する。人選については現場のことを十分理 解できる適材を推薦することもできる。

・また、受講生のキャリアや勉強の実績水準を揃えた教育機会とすることが重要である。それが揃っ ていないとうまくいかない。

9.研究発表能力の向上

・介護の世界では、研究デザインを企画設計し統計解析により分析し研究結果をパワポ等にまとめて 研究発表できるという力が弱い。この現状を何とか改革したい。

10.雇用者側の変革も必要である。

・現状では、職員の研修受講に積極的でない雇用者も少なくない。

・「サテライトを多く設置し、3年間の実務経験で介護職をサテライトの管理職にして、残業代を出 さず給料を上げず、再投資を継続的に繰り返し、納税せず」のタイプの悪しき介護ビジネスモデル が、大きく事業展開をしている。一方で、高給料を介護職に支払っているものの、介護職の研修受 講を熱心に支援していない介護ビジネスもある。そのような施設では、リーダー層は看護師が占め ている。

・経営者やリーダー層は、介護職の介護のレベルアップを図るための研修受講を積極的に支援するこ とが重要である。

・介護職の研修に対して、法人として積極的に研修受講費用を拠出するかどうかは、雇用者法人の質 の差が表れる指標の一つ。

・特養等施設の理事長等が無資格者でありながら高給処遇を得ていること自体許されない状況であり、

今後改革すべき。「組織のトップや管理者は大卒者以上・資格保有者を要件とする」等は、今後 10

~20 年間で実現する制度改革テーマとして提言すべきである。

11.E-ラーニング環境の整備推進

・現在の状況を考えれば各種のツールを活用して学習機会の整備も重要である。

12.既往研修(ファーストステップ研修)の改善

・現在の受講料は、受講者が負担する水準としては、きついのではないか。もっと短時間集中でレベ ルアップする機会を充実することも必要。やる気のある経営トップが多くいる施設では、介護職が 研修を受講するのを支援するだろう。

Ⅲ.社会に対する「介護の仕事」の機能・意義、魅力をいかに訴えるか 1.ポジティブイメージ・キャンペーンをもっと実施する。

・介護の役割について「あの介護職の人に本当に助けられた」「あの介護職の人のおかげで助かった」

と介護職に感謝の気持ちを持っている人は多い、その点をもっと重視してポジティブイメージ・キ ャンペーンを展開すべき。

・老人保健施設や療養型医療施設等においては、介護職が現場に配置されていなければやっていけな い状況になっている。「介護職」が看護職や機能訓練指導員等を十分に補う力を発揮していること を理解し「介護の力」を十分に評価している。したがってこれらの職場では他の職場に比較して介 護職に対する処遇はより高い。この点については客観的なデータでも確認しておくべき。

・利用者の生活を支えているのは看護の人ではなく介護職である。「介護職の人がいなければ、利用 者は決して幸せにはなれない」のである。この事実を標語にして周知することは効果的である。(類 似事例)認知症家族の会が数年ごとに実践している、新しい標語づくりキャンペーン。

・ホームヘルパーと介護福祉士の区別に関する国民の理解を促進するためには、例えば介護福祉士会 の会員バッジを製作する方法も有効ではないか。現場の介護職が介護福祉士の資格を取得後、日本

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