第4章 総合考察
第2節 今後の課題
1.調査対象児者について
(1)予備調査
今回の調査研究では、1校の小学校通常学級のみに質問紙 調査を依頼したが、本調査との比較で、小学部のみとしか考 察ができなかった。そのため、特別支援学級や中学校など、
より様々な教育環境と年齢層を対象として比較対象を増やす
必要性があった。
(2)本調査
今回の調査研究では、3校の特別支援学校に質問紙調査を 依頼したが、非自閉症群の小学部高学年児童の回収結果が10 名と人数が少なく、他の学年群や小学校高学年群などとの比 較において、詳細な考察ができなかった。また、地域によっ て食生活の傾向に差があることが考えられるため、一般的な 傾向を把握することができなかった。そのため、より多くの 特別支援学校を対象として人数を増やす必要性があった。
2.調査内容について
(1)予備調査
今回の調査研究では、自閉症者へのインタビュー調査を行 ったが、先行研究から作成した自閉症児特性と考える食行動 のみについてインタビュー調査をしたため、対象者それぞれ 115
の特性を幅広く把握することができなかった。そのため、自 閉症障害特性のみに焦点を当てるのではなく、調査対象者本 人に焦点を当てたインタビュー調査にする必要性があった。
(2)本調査
今回の調査研究では、自閉症児の食行動特徴を明らかにす ることを目的とし、子どもの食生活について保護者へ回答を 求めた。自閉症者本人への質問紙調査やインタビュー調査な どの先行研究を参考にし、質問紙を作成した。その結果、一 部の保護者から表現が分かりづらいとの理由から無記入の項
目があった。専門的な表現を変更し、保護者が答えやすい表 現にする必要性があった。
また、調査結果を分析するにあたり、今回の調査研究では 自閉症児の回答割合が高かった一部の質問項目にのみに焦点 を当てていたため、より詳細な比較検討ができなかった。例 えば、肥満や痩せと食行動、感覚過敏との関連性を把握でき なかった。そのため、より多くの質問項目に焦点を当てるこ とで、自閉症児の食行動をより詳細に明らかにする必要性が
あった。
116
引用・参考文献
●浜口弘・曽根翠・平]」義人(2000)知的障害者に合併した 高度肥満の治療経験,発達障害医学の進歩12,診断と治療 杜,60−66
●今田純雄・長谷川智子・坂井信之・瀬戸山裕・増田公男(2006)
食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)一偏食の経 験的定義一,広島修大論集(人文編),46(2),97−114
●生島博之(2010)給食指導に関する教育臨床学的研究,愛 知教育大学実践総合センター紀要,13,217−224
●川崎葉子・.三島卓穂・田村みずほ・坂井和子・猪野民子・
村上公子・横田圭司・水野薫・丹羽真一(2003)広汎性発 達障害における感覚知覚異常,発達障害研究,25(1),31−38
●小松和紀・北島英樹・武田篤・今野和夫(2005)自閉症の 感覚過敏に着目した授業改善の取り組み〜秋田大学附属 養護学校小学部の実践から〜,秋田大学教育文化学部教育 実践研究紀要,27,65−76
●学校保健統計調査(2010)調査結果の概要,文部科学省,
6−22
●中佐久・小谷裕美(2003)近畿地方における知的障害児の 肥満実態調査および肥満指導に関する考察一第1報一,小 児保健研究,62(1),17−25
●大竹喜久・内田直美・仲矢明孝・柳原正文(2005)食べ物 において強迫行為を示す自閉症児に対する認知プロセス,
岡山大学教育学部研究集録,30,77−85 117
●大和日ヨ浩子(2009)総説:知的障害の栄養状態と栄養管理,
栄養学雑誌,67,38−48
●高橋智・増渕美穂(2008)アスペルカー症候群・高機能自 閉症におけるr感覚過敏・鈍麻」の実態と支援に関する研 究:本人への二一ズ調査から,東京学芸大学紀要(総合教 育科学系),287−310
●滝川国労(2007)慢性疾患児(心身症や不登校を含む)の 自己管理支援のための教育的対応に関する研究,国立特別 支援教育総合研究所,B−214
●東條吉邦(2002)高機能自閉症・アスペルカー症候群への 特別支援教育に関する試論〜脳の機能としての接近、回避 判断の特異性の視点から教育的視点の在り方を考える〜,
国立特殊教育総合研究所研究紀要,29,167−176
●特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議(2003)
今後の特別支援教育の在り方について(最終報告),文部 科学省
●原美智子・江川久美子・中下富子・山西哲郎・下田真紀(2001)
小特集:知的障害児と肥満,発達障害研究,23(!),3−11
●21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議 (2001)21世紀の特殊教育の在り方について〜一人一人の 二一ズに応じた特別な支援の在り方について(最終報告),
文部科学省
●ハンス・アスペルカー(1944)小児期の自閉的精神病質(詫 摩武元,高木隆郎訳(2000),高木隆郎・Michae!Rutter・
Eric Schopler編:自閉症と発達障害研究の進歩4,星和 118
書店,30−68)
●三島卓穂・川崎葉子(2002)高機能自閉症の自己説明を通 じて自閉症の理解と行動障害への支援を深める,Monthly
book medical rehabilitation, 24, 40−48
●下田真紀・山西哲郎・中下富子・青山恭勇(2001)自閉症 児のある青年期生徒に対する肥満指導一運動と栄養の両 面から一,群馬大学教育学部紀要(芸術・技術・体育・生 活科学編),36,109−121
●レオ・カナー(1943)AutisticDisturbancesofAffective
Contact.(牧田清志訳(1976),精神医学,18(7),777−797,
18(8),897−906)
●杉山登志郎(2001)小特集:自閉症児の健康な生活一静岡 県の知的障害養護学校に通う全自閉症児の調査から一,発 達障害研究,23(1),13−21
119
謝辞
本研究の稿を終えるにあたり、直接のご指導を賜りました 兵庫教育大学大学院特別支援教育学専攻心身障害コース教員 の高野美由紀准教授には、心より厚く感謝を申し上げます。
ならびに心身障害コースの諸先生方には、ご芋旨導、ご助言 をいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
また本研究の調査にあたりましては、咲くお引き受けくだ さった各特別支援学校の先生方および保護者の皆様、インタ ビュー調査にご協力いただいた方々にご協力を賜りましたこ とを厚くお礼申し上げます。さらに、本研究を進めていく上 で、いつも励ましてくださった同期生の皆様、修了生の皆様、
M1の皆様にもこの場をお借りしてお礼申し上げます。
平成23年12月20日 田能 綾佳
資料1.自閉症児者 事前インタビュー調査
食事に関するインタビュー調査
回答者
年齢( ) 性別 男・女 障害名( ) BMI数値( ) 1.〈食事について>
1)食事挫エ
ア)よく噛んで食べる イ)普通 ウ)あまり噛まない 工)ほとんど噛まない2)間食雌エ
ア)毎日する イ)時々する ウ)ほとんどしない よく間食するものを答えてください
ア)飲み物 イ)菓子類 ウ)めん類 工)パン類 キ)その他( )
工)全くしない
オ)ご飯類 カ)果物
3)盟食坦
ア)毎日取る イ)時々取る ウ)ほとんど取らない 工)全く取らない4)呈隻迎エ
ア)よくする イ)時々する ウ)ほとんどしない 工)全くしない
2.食行動問題について
1)拒食(極度の欠食)である・だった それはいつ頃でしたか?
(はい・いいえ)
)
2)異食(出養のない紙、生 爪などを食べる)ことがある・あった (はい・いいえ)
それはいっ頃で何を食べていましたか?
3)糧食蛙圭
(はい・レ、いえ)特に好んで食べるものは何ですか?
特に嫌うものは何ですか? (
4)反拐(一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻し、肺・み直して再び飲み込むこと)を することがある・あった (はい・いいえ)
それはいっ頃でしたか? ( )
5)強迫的(押さえ込むことができない)に水分や食べ物を取ることがある・あった
(はい・いいえ) それはいつ頃でしたか? (
6)盗籔⊥あ2主
それはいっ頃ですか? ((はい・いいえ)
)
ア)いつもする イ)時々する
(はい・いいえ)
ウ)ほとんどしない 工)全くしない
3.自由回答
1)食事に対して感じた困難について
2)行った工夫について
資料2.特別支援学校 事前質問紙調査
お子さんの食生活に関するアンケート調査
お子さんの年齢( ) 性別 男 ・女 現在の身長( )・体重(
それぞれの問いで当てはまる内容にOを付けて、記述してください。
一.星食雌L
例えば … 食事の量に関係なく、食べる時間が短い・マーボー井のように、ご飯とおかずを一緒にしたら食べるのが早い など。
①夕食を何分くらいで食べますか?
ア)15分以内 イ)15〜30分 ウ)30〜45分 工)45分以上
②早食いをすることに関して、気になっていることはありますか?
ア)ない イ)ある *具体的な内容を下に記述してください。
(
③早食いをすることに関して、工夫されていることはありますか?
ア)ない イ)ある *具体的な内容を下に記述してください。
(
④これまでと、早食いの様子は変わりましたか?
ア)いいえ イ)はい *具体的な内容を下に記述してください。
(
2.」雌_
例えば ・・他のことが気になって、集中して食べない など。◎どんな「〜ながら食べ」を多くしますか?
ア)TVを見ながら イ)遊びながら ウ)その他(
①頻度はどのくらいですか?
ア)毎日する イ)時々する ウ)ほとんどしない 工)全くしない
②r〜ながら食べ」をすることに関して、気になることはありますか?